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ゲート  最弱なのに最強?  作者: 田中 太郎
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狂気


「っ!!貴様!!」


レベッカは、静の首を掴み壁へ打ち付ける。


「貴様が今何をしたのか分かっているのか?否!分からなくても良い今すぐに殺すのだからな!!」


レベッカが静の細首をへし折ろうとする瞬間にカイトがレベッカを止める。


「まぁ待て・・。ハァハァ落ち着けよ。」


明らかに顔色が悪く、意識も朦朧としているのが一目瞭然だった。


「しかし!!こいつはご主人様を!!」


レベッカは怒りを抑える事が出来ずに、手に力がこもる。


「だから落ち着けよ。静は操られてるだけだ。」


「私が操られている?そんな事は無い!これは私の意思だ!!」


その言葉にレベッカは更に力を込める。


「ならば尚更殺さねばならない。」


もはや目の前に居るのは殺害対象と認定したレベッカは無慈悲に首を絞める。


「ハァハァ。レベッカ!静を気絶させろ!!」


「きっ気絶!?そんな生ぬるい物では!!」


レベッカは怒りが頂点まで達しているためにカイトの言葉に反対の意見を述べる。


「レベッカ。もう一度言うぞ。気絶させて、手を離せ。命令だ。」


カイトの真剣な表情に付け加え、命令までされてはレベッカは引くしかなかった。

レベッカは、素早く静を気絶させて床へ降ろす。


「ハァハァ。レベッカ。静を持ってくれ。学園長室へ行く。」


カイトは壁に寄っ掛かりながら部屋から出る。






ドンドンと部屋の戸を叩く音が聞こえ、カレンはアスラとの話を中断する。


「入っても良いわよ。」


部屋に入った瞬間にカレンとアスラは尋常では無いカイトの様子に息を飲む。


「そのお腹の刺傷は何?」


「そんな事はどうでも良いんだが、聞きたいことがあるんだが?」


顔色は悪く、息も絶え絶えのカイトが質問をぶつけてくるのに2人は慌てる。


「質問は後で何でも聞くから、取り敢えず治療をしないと。」


「アスラ下がれ。今は治療なんかしてる場合なんかでは無いんだ。」


それでも近付き、治療を始めようとするアスラをとてつもない殺気が襲う。


「えっ。」


その殺気の方向を見ると、静を抱えるレベッカの姿があった。


「ご主人様の言うことを聞きなさい。さもなくば分かってるわね?」


言うことを聞かなければ確実に殺されると理解したアスラはカイトの言うとおりに下がる。


「悪いなアスラ。今は時間が無いんだ。それで質問なんだが、相手を操られていると自覚させずに操る魔法はあるのか?」


「そんな完璧な魔法は無い。必ず本人の中で矛盾が生じる。だから、精々操れても10分が限度だ。」


カレンはしかしと言葉を繋げる。


「可能性が0な訳では無い。魔眼を使えば或いは。」


その後の言葉を出そうとすると、気絶していた静が意識を取り戻した。


「はっ!?ここは?」


「ここは学園長室よ静。」


アスラが静の質問に答えると、友だと思っていた人間から信じられない言葉が紡がれる。


「アスラ!?学園長!?3人で力を合わせてその男にとどめをさしましょう!!私の不意打ちでかなりな重症をおっているからすぐに殺せるさ。」


静の言葉にカレンとアスラは固まる。


「アスラ?何を言ってるの?カイト君を何で殺すの?」


「こいつはこの世界の敵じゃないか!!ここで殺しておかないと我らが殺される。」


その言葉にカイトは悲しげな顔を浮かべる。


「これが現実だ。それで、魔眼とやらで操れるのか?」


「えぇ。魔眼の1つの〈催眠眼〉を使えば可能な話だ。あくまでも噂程度だがな。」


「それを破る方法は無いのか?」


無いことはないがとカレンは曖昧な返事を返す。


「どうすれば良いんだ?」


「魔眼使いが込めた魔力以上の魔力を流せば効果は消えるはずだ。しかし、魔眼使いは魔力量が常人では手に負えないレベルだから・・・」


カレンは最後の無理と言う言葉を言えなかった。

カイトの悲痛そうな顔を見るのが耐えられなかったからだ。


「レベッカ今聞いた通りだ。静に魔力を全力で流せ。」


その瞬間に部屋は魔力の渦により台風が通った跡のように散乱していた。


「主君?」


弱々しい声で静がカイトを呼ぶ。


「よう。気分はどうだ?」


カイトのいつも通りの声色に静は泣きながらカイトの近くへ行き、正座をする。


「どうか私を殺して欲しい。操られていたとは言え、主君に刃を突き立てるとは影として、従者として失格だ。殺して欲しい。」


静は恐らく記憶があるのだろう。

自分の手で命よりも大切なカイトへ刃を突き立てたのだ。死にたくもなる。

だが、死なない。

殺してもらうのだ。


「静。」


カイトの声に静は、顔を上げる。

顔を見て凍りつく。


「静。お前を泣かしてるのはどいつだ?」


狂気に満ちた顔のカイトがそこにいた。

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