忠誠
「オヤジいつもの頼む。」
「あいよ。隣の姉ちゃんはどうする?」
「あぁ静にも同じもん頼むよ。」
カイトは静を引き連れ、もはや常連となっている屋台に腰掛け注文をした。
「主君ここは?」
「ここか?ここは、俺の俺専用の飯屋だ。まぁ俺以外が来ないからだけどな。」
静の疑問に店主をニヤニヤ見ながら話した。
「もうカイトさん!そんな事を言わないでください!」
屋台の奥から女の子の声が聞こえ、店主はやれやれと笑いながら顔を横に振った。
「リザか。邪魔してるよ。」
「はい!いらっしゃいませ。ってそこではなくて、うちの店を馬鹿にするのは止めてください。」
カイトがリザと呼んだ女の子は、カイトが挨拶をすると流れで挨拶をしたが、店を馬鹿にしたカイトに食いついた。
「これこれリザ。カイトの言うとこは間違いではないから怒るな。今はお前の学費を貯めれるのもカイトのおかげなんだからな。」
「むぅぅ・・・」
リザはお父さんに諭され頬を膨らましながら拗ねてますアピールをした。
「オヤジ。俺はそんな理由で出してるわけでは無いぞ?単純に上手いから来てるんだ。」
「分かってる分かってる。でも、たまには違うものも食べるんだぞ?」
「そうですよカイトさん。毎晩ここで食べてるじゃないですか。友達は居ないんですか?」
カイトはリザの鋭い質問で、参ったなと呟きながら頬をかいた。
「これリザそんな事を言うんじゃないよ。今日はべっぴんの姉ちゃんが居るんだから邪魔者は裏に行こうな。」
そう言うと店主は、いつものおでんの3種盛りとお茶を置いてリザと裏へ消えた。
カイトは笑いながら箸に手を伸ばした。
「主君質問しても良いか?」
「うん?なんだ?」
あらかた食べ終わってゆっくりしていると、静が質問してきた。
「主君は私の事を聞かないのですか?私は主君の事は色々知っていますが、主君は私の事はつい先程知り合ったばかりなのに信用しても良いのか?」
カイトは黙って静の質問を聞いて、そうだなと話始めた。
「まぁ確かにそう思うだろうな。だが俺は信用するさ。俺を狙う奴なら俺に姿を見せないだろうし、仮に見せたとしても俺は最弱だ。やるならわざわざここまで着いてこないだろ?」
「だがそれでも絶対では無いぞ?」
「まぁ確かに絶対は無いな。だがな、いちいち疑っても分からんもんは分からん。だから言っとくぞ。俺を裏切るな。裏切るぐらいなら、堂々と敵宣言をしてくれ。そしたらその場は逃がしてやるから。だが裏切ったらその場で殺す。」
静はその発言を聞いて、他の人間が言ったら鼻で笑っていただろう。
私は影だ。そんな簡単には殺されないと。隠れるのは得意なのだから。
しかし、目の前の最弱はそんな小さな自慢をも霞む位の圧力があった。この人だけは敵に回しては駄目だと全細胞が危険信号を出す。
「何してるんだ静?」
静は椅子から立ち上がり、カイトの後ろで膝をつき忠誠のポーズをした。
「3年A組 影宮静 これからは、主君に永遠の忠誠を誓い、影となりどんな汚れ仕事もいたします。誠心誠意尽くしますのでよろしくお願いします。」
「静お前3年だったのか?悪いなタメ口で」
「いや主君気にするな。私は部下だ気にする必要はない。」
「そうかそれなら良い。よろしくな静。」
カイトは立ち上がり静に手を差し出した。
静はカイトの手を握り笑顔で
「もちろんだ主君!!」
歯車が動き出した。




