負けられない闘い
「すぐに俺のお世話になってるなカイトよ。」
「ちょっと野暮用でな。力を貸してくれ〈餓鬼道〉。」
カイトの横に小さな小鬼が出て来て陽気に言うと、カイトは苦笑いしながら頼んだ。
「分かったよ。では魔力を貰おう。どれくらいくれるんだ?」
餓鬼道は魔力が貰えると分かるとテンションを上げてカイトに詰め寄った。
「目の前からやって来るモンスターを全滅させたいんだが、全滅させれるギリギリの魔力を持っていってくれ。」
「ギリギリで良いのか?それでは2000ぐらい貰うよ。」
餓鬼道がそう言うと、魔力が少し減った感じがした。
が次の瞬間に物凄い力が溢れてきた。
「ありがとうよ〈餓鬼道〉。」
カイトはそう言うと、気を引き締めて前を向きモンスターの大軍へ走り出した。
「なっなんなのよあれは。本当にあのカイトなの?」
アイリスはAやBランクのモンスター相手に生身で戦いを挑んでいる同級生に理解できず、さらに恐怖した。
カイトはモンスターを
殴り
蹴り
ちぎり
潰し
全身に生傷を作りながらモンスターを減らしていく。
そこに一際大きな音をたてて歩いてくるモンスターが居た。それを見たアイリスは大きな声でカイトに警告した。
「けっケルベロスよ!逃げて!早くこの結界へ入って!」
カイトがアイリスの言う方へ顔を向けると、大きな顔が3つある犬が歩いてきた。
「なんだよデカイ犬っころか。すぐに殺してやる。」
カイトはそう言うと、ケルベロスに向かって走り出し跳んだ。
「食らえ犬っころ!」
降り下ろした拳をケルベロスは簡単に避け、噛みつきに来た。
それを避けながら、裏拳でケルベロスの頬を殴り間一髪切り抜けた。
「この犬っころはすばしっこいな!」
カイトは悪態をつきながらも蹴りを繰り出すが、それも簡単に避け左前足で殴ってきた。
「ぐはっ!」
それをモロに受けたカイトは、肺の空気をすべて吐き出しながら森へ吹っ飛ばされた。
「カイト!!」
アイリスがカイトを心配し、大声で叫ぶとケルベロスがアイリスを、睨んだ。
「ひっ!」
アイリスはケルベロスの睨み付けだけで腰を抜かして座り込んでしまった。
ケルベロスはそれを見ると、アイリスの絶対防御を殴りだした。
アイリスは自分の終わりを感じ、目をつぶった。
しばらくすると、「キャンッ」っとか弱い子犬のような声を出して後ろへ下がった。
「カイト生きてたの?」
目を開けると、血だらけのカイトがケルベロスの首を1つちぎり立っていた。
「おう大丈夫か?」
「えぇなんとか大丈夫よ」
振り向きながら心配するカイトに安否を伝えた。
「待ってろ今すぐ犬っころを退治するからよ」
「っ!えぇお願いするわ。」
カイトを良く見ると、全身から血を流し打撲傷が目立っていた。
そんな同級生を戦いの最前線に送り、無傷の自分が逃げ惑う事実に腹をたてた。
ケルベロスは首を1つ失い、暴れまわっていた。
正気を失ったケルベロスは、呆気なかった。
ケルベロスの火球を避け、間合いを積めた後に左前足での凪ぎ払いを避け、左の首を殴り潰した。
距離を取ると、ケルベロスは完全に戦意を失い座っていた。
「じゃあな犬っころ。」
カイトはそう言うと、ケルベロスの真ん中の首を切り落とした。
「おい!アイリス終わったぞ。」
カイトは振り向きながらアイリスに言うと気を失い倒れた。
「カイト!」
アイリスはすぐに走りだし、カイトの元へと向かった。
「ちょっとしっかりしなさいよ!」
アイリスがカイトの容態を見ていると、後ろから物凄い音と光を感じ後ろを振り向くと、学園長を筆頭にA級ランクのギルド員がアイリスの近くへ寄ってきた。
「アイリスさんこれはいったい何?誰がやったの?」
アイリスは誰が来ても誰が話し掛けても無視をし、カイトを抱き締め続けた。
地獄が終わりを向かえた。




