四章
今回もまとめています
まだ途中なので次回出していきたいと思います
まだ、朝日が昇っていないときに目が覚めてしまった。
なぜなのかはわかっている。
誰かの気配がするからだ・・・・・・。
こんなまだ暗い学校にくるやつなんてそうそういない。
それもなにかを探しているようなこそこそとした動きなんて。
調べに行くため、用心に緑色の薬を自分に振りかける。
これで準備はいい、あとは一気に強襲を仕掛ける・・・!
屋上から気配がある位置を探り、風を纏わりつかせ飛び降りる。
窓ガラスを割ってしまうのは申し訳ないが、非常事態だ何とかなるだろう。
「おぉっと!こんなところに非常口が!」
がしゃ~ん!と窓を割り、ドアの前で探っている輩に対して猛烈なドロップキックをぶちかました。
ちょうど、窓を待ったときにこちらを向いていたのでもろに食らったのだろう、
「ぐぅ・・・・、な、なんだ・・・、一体・・・。」
うずくまり、立つことができない状態だった。
すでに暗いところには慣れているので、相手の格好などを見ることができた。
この前の屋上であったときのローブ野郎に似ている・・・。
というか本人だろう、女か男かわからなかったが、これではっきりした。
男なので遠慮なくぶったおす。
「っち!目的の物は手に入った、どこの誰かは知らないが貴様には用はない、消えろ。」
相手は腕を振っただけで、土の塊を数個並べて、こちらに撃ってきた。
おそらく、人間の体くらいは貫通させることが出来るだろう・・・。
無詠唱で人を殺せるだけの技が出せるのはたいしたものだ。
前に言っていたことも本当のことなんだろうけど、
「な!弾いただと・・・?」
残念ながら、俺の薬よりも性能が下なんて、甘すぎる。
「魔法は常に詠唱して発動させるものだぜ?
無詠唱は不意打ちに使うものだと教わらなかったか?」
「ふざけやがって、調子に乗るなよ。」
俺から距離をとり本格的に詠唱を始めるのだろう・・・。
そんなことはさせないけど。
「動きが遅い、もう一度学校から始めたほうがいいんじゃねぇの?」
足に風を纏わせ、爆発するように加速をつけ、一気に近接に持っていく。
魔法しか頼りにしていないやつほど、近接にはおろそかだ。
そういうやつはペアを連れて、やるべきなんだが・・・。
「・・・ぐ、なんなんだ。貴様は!
ここの教師ぐらいなら俺は倒せる、なのに貴様は倒せない・・・。
何者なんだ!」
「ばかか、教えるわけないだろう。盗んだものを置いてどこぞへといけ。」
「くそが!こんなところで諦めるわけには行かないのだ!
我らの野望のために・・・。やむ終えん。」
おもむろに笛を取り出し、学校全体に鳴り響くような音を出した。
「ふははは、お前の相手は私ではなく、これから来るやつと戦うんだな。
生きていればいいな、はははは・・・・・・ぐふっ!」
「なっ!」
突然、ローブ男のお腹辺りから剣が刺さった。
「が、ぁ、き、きさ、まぁ・・・!」
「おっさん、あんたの仕事はこれにて完了だよ。よかったねぇ、死ねて。」
「な、ぜだ?」
「もともと、俺らの国に魔法使いなんてものはいらないんだよねぇ。
・・・へぇ、こいつがマンドラゴラかぁ。」
剣を引き抜き、ローブ男を蹴り飛ばした。
そこに現れたのは、この前に森で出会ったあの、剣士だった。
「・・・てめぇ、今何をやったのかわかっているのか?」
今までに出したことのないような声をだした。
その声に今気づきましたといわんばかりのゆったりした態度でこちらに振り向く。
「・・・ふん!何をやったのかって?もちろん切ったに決まっているだろう。」
そういって、もう一度シンキのことをじろじろと見ている。
「どこかで見たことのある顔だなとか思ったらあのときの魔法使いか、おもしれぇ。」
こいつは俺の話を聞かないのか聞いていないのか、今にも襲い掛かりそうなほどの殺気を振りまいている。少しでも油断をするときっと殺されるだろう。目の前の敵はそんなことを容易くできるやつだ。
「もう一度、お前と戦いたかったんだよ。周りが雑魚ばかりで退屈していたんだ・・・。
だから、楽しませてくれよなぁ!」
頭の上に剣を構え、一瞬で剣の間合いに跳んできやがった。
速い、強化などしている気配はなく、ただ単純接近戦なら負けていただろう。
だが!
「今は魔法が使える、これから魔法使いとの戦い方でも覚えておくんだな。」
手元に風を集めて、剣の攻撃を防ぎ、もう片方の空いた手で腹に当て、
「吹き飛べ!」
風圧で吹き飛ばした。
「・・・・・・ククッ。やっぱりこうでないとな!」
「何てタフなやつなんだ、効いてないのか?」
渾身の一撃というほどのものでもないが、それなりの威力は出したはずなのに対したダメージではなさそうだった。
こいつはある意味で強敵、ナナミクラスの強さかもしれない・・・。
用心のために空気圧の玉を自分の周囲に数個張り巡らせる。
無詠唱に相手には見えない空気、これなら最大の防御になるはずだ。
「動かねぇのか、んじゃこっちから行くぜ!
・・・・・・奥義、真剣風見取り」
「な!?がぁ・・・!」
(俺の空気玉を切り裂いた上に当ててきやがった!
今の技は見えなかった、これはまずい・・・・・・!)
カマイタチにも似ていた攻撃により、シンキは脇腹に切り傷ができ、浅いとはいえ服を血に染めていた。
一度やつから距離をとるために、足に風を集めて、バックステップをしたが、
「ふん、また風の魔法か。同じことだ。真剣風見取り。」
今度は足を切り裂かれたが重症ではないものの速くは動けない。
(また、風を切り裂かれた・・・。見えないはずなのに・・・。)
何か、あるはずだがそれがわからない。
突破しなければならないから、使いたくなかったが複合スキルを使うか・・・。
もうひとつの薬ビンを取り出し、赤色の薬品を自分に振り掛けた。
「まだ何かやろうっていうのか?無駄だ、全部切り裂いてくれる。」
「だったらやってみろよ、こっからが気合の入れどころだぜ?」
両手にそれぞれの色の魔法をだし、合わせ、ひとつにまとめる。
「ここから先は何が起こるかわからないからな、いくぜ!
『フレイムザンバースト!』」
「まだわからねぇようだな!無駄だっていって・・・!?」
にやり、俺は思わず笑みを浮かべた。
ひとつの魔法は切り裂けても二つは無理だったようだ。
俺の魔法が他人と違うところがあるとすれば、それはひとつの魔法ではなく二つを合わせているからに違いない。
だからやつも防げなかっただろう・・・・・・、だがそれでも立っているのは賞賛に値する。
「・・・・・・くっ、今のは痛かったぜ・・・。やるなぁお前、楽しくてやべぇなぁ!おい!
てめぇの名を教えやがれ。」
「人の名前を聞いてくるのに切ってくるなんて非常識だな。」
「お前らも魔法なんて非常識なんだ。」
「だったら、教えてやる。俺はシンキだ。切り裂け!」
不意打ち気味に放つもうまく避けてきやがる。
「っは!てめぇもやるじゃねぇか。俺はグライナーだ、覚えておきな!ここで死ぬかもしれねぇがな!」
「吹き飛べ!」
また距離を開いた状態になる。
だが、シンキは止血をしていないため、傷がどんどんと開いていく。
一方でグライナーはほぼ無傷に近い状態である。
このままだとまじで危ういな・・・。
あいつは一体なんなんだ・・・。
魔法使いの相手をするのが慣れている感じがするし、魔法ですら切り裂きもしてくる。
俺は接近戦が得意というわけではないがそれなりに齧っているにも関わらず・・・だ。
「はぁ・・・、はぁ・・・。お前さんつえぇな、おい・・・。」
「っは!お前に言われたくはないぜ、こんなに戦ったのは初めてだぜ。・・・だが、お前も限界みたいだな。」
正直、限界どころか逃げ出したいくらいなんだがな・・・。
こんな時間帯だから誰かが来るわけでもなさそうだし、本格的にやべぇ。
「そろそろ終わりにしようぜ、目的のものを回収したし、またお前とも殺し合いがしてぇしよ。」
「・・・そういえば、それをどうするつもりだ?」
「あ?そんなの知るわけねぇよ、だが、何かの燃料にするみたいだな。」
・・・・・・燃料。魔法もない国にマンドラゴラなんていう魔法薬の使い方を知っているやつがいる?
どうやらとんでもないことが起こりそうな予感がするな。
「まぁいいや、こんな話をしたいわけじゃねぇ。」
「確かにそうだな、お前を気絶させて吐いてもらうぞ。」
「やってみな!シンキ!!」
「出し惜しみはしねぇ!」
「奥義、『一双月鋭いっそうげつえい』」
「火と風の複合、『炎陣風雅』」
グライナーは刀の刃を上にして突進するように駆け抜ける。
シンキは自分の周囲に風の塊をあちこちに配置する。
「これで終わりだぜ!死になぁ!」
最速の攻撃による刺突。
回避は出来るはずだった・・・。体調が万全だったら。
すでに血を流しすぎて動きが鈍くなったシンキは刃に体を貫かれた。
「・・・っガハ!」
「・・・ふん、それでも急所を避けるとは流石だな。」
グライナーは刀を引き抜こうとしたが、
「・・・なっ!?抜けない?!」
「は、は、・・・ようやくだ。」
「何、言ってやが・・・!」
グライナーは一瞬、シンキの顔を見たとたん、ひるんだ。
すでに限界のはずなのに手を血に染めてまで刺されたままの刀を握りこんでいる。
「俺には守らなくちゃいけないものがある、たとえ死ぬかもしれない戦いにもだ。・・・だから。」
シンキはもう片方の空いた手をグライナーの肩をつかむ。
「『炎陣風雅』収束せよ。」
「な、何をしやがる!離しやがれ!」
「・・・もう遅せぇよ。ここから先は運の勝負だぜ?」
シンキの言葉により今まで展開していた風の塊が集まり始める。
グライナーは必死に刀を抜こうとするがびくともしない。
「展開、爆ぜろ。」
至近距離での大爆発が起きた。
二人とも何も声が出せぬまま、爆発に巻き込まれる。
付近の建物は爆発に巻き込まれ崩壊状態になっていた。
煙がもうもうと立ち込めていたが、時間が経ち晴れると、ぼろぼろになったままのグライナーが血を流しながらも刀を支え、どうにか立っている状態に対し、シンキは床に倒れこんでいた。
「・・・・・・ぐ、・・・はぁ、はぁ、・・・くっそ。予想外の行動をしてきやがった。
自爆なんてふざけてんのか・・・。」
グライナーは足を引きずるようにして、シンキの近くまでやってきた。
まだ息をしている、あの爆発に一緒に巻き込まれたくせに気を失っているだけでいた。
今のうちに止めをさそうとするも腕が上がらなく、刀を握ることも出来なかった。
「っち、決着がつかなかったか・・・。・・・運がよかったな。
っと、崩壊してきやがったか、この状態だと誰かが来るかもしれないな。今のうちに逃げるか。」
グライナーは笑っていた。
こんなに興奮した戦いは初めてだ、生きていればまたシンキと殺しあえる。
そんなことを思い、とぼとぼと学校から去っていった。
何もない空間に立っていた。周りを見渡しても石ころひとつ落ちてはいない。
俺は、ただただ何もない真っ白な空間で何をするわけでもなく、暇を持て余していた。
気が狂いそうなほどに真っ白で何もない空間、ひょっとして・・・。
「あ~・・・・・・、うん。もしかしなくても、俺って死んでしまったのか?」
そんなことはないと思い、手を握ったり、開いたりしてみたが・・・。
「感覚はある。それじゃ、死んでるわけではないって事か・・・。エクレの仕業なのか?」
ピロリロリン、気が抜けそうにゆるい音が鳴り響いた。
すると、指輪が光り始め、霧のようなものが人の形を作り上げていく。
「パンパカパ~ン、その通りじゃ魔王よ。死んでしまうとは情けない。」
「・・・・・・、まぁいいや。エクレ、ここって一体なんなんだ?」
「・・・・・・はぁ~、お主はつまらんのう。」
手を顔の横まで持っていき、やれやれといったように首を横に振っている。
・・・怒ってもいいんですよね。
「まぁまぁ、落ち着くんじゃ。おぬしの思っている通り死んでいるわけではないぞ。」
・・・。感覚があるわけだから死んだなんておかしいよな、たぶん。
「それはわかったがここは一体どういうところなんだ?」
「俗に言う、精神世界という感じじゃな。・・・・・・(よくある話じゃが)。」
「精神世界ねぇ・・・。」
あんまり実感がわかないが、なんとなくっていう感じでわかるものかな・・・。
「なぜお主をここに呼んだのかわかるかえ?」
「まったく心当たりがないんですが。」
お返しとばかりにやれやれと首を振ってやった。
「・・・・・・。お主の気持ちもわかるのじゃが死に掛けるのはどうかと思うぞ?」
あ~、やっぱりばれていたんだな。
「あのときはわしが間に入ったわけじゃから、お主の戦い方を見ていたが・・・。
なんであの時魔法を使わなかったのじゃ?『もし』の状態じゃったろ?」
「・・・正直に言うと、薬による効果がどのくらいまで威力があるのかとおれ自身の実力を知りたかった。
・・・だけど。」
だけど、あいつには勝てなかった。魔法が使えたときでも互角だと思う。
「・・・・・・お主らしいのう。それでどうじゃ、久々に死に掛けるまで戦って。」
「正直、疲れたよ。というか死に掛けてまで戦いたいやつに見えるか?おれが。」
「かっかっか。そりゃそうじゃな。
どうじゃ?いっその事もっと強くなりたりたくないかえ?」
まるで魔王のような顔で、俺との取引を持ちかけてきた。
それによる俺が出した答えとは・・・・・・。