王女殿下と三王子の同盟
王女エリザベータ・ルイーゼは、ある日、珍しい訪問者を迎えた。
第三王子アルブレヒト(十九歳)である。
「姉上、相談があります」
「珍しいわね、アルブレヒト。何かしら」
アルブレヒトは、書類を差し出した。
『王子教育課程・年間予定表』
エリザベータは、それを受け取った。
びっしりと予定が書き込まれている。
「これは……」
「僕の今年の教育課程です。週六日、朝から晩まで、びっしりです」
エリザベータは、詳細を見た。
月曜:午前・歴史学(三時間)、午後・剣術(二時間)、夕刻・礼儀作法(二時間)
火曜:午前・法学(三時間)、午後・馬術(二時間)、夕刻・音楽(二時間)
水曜:午前・経済学(三時間)、午後・舞踏(二時間)、夕刻・詩学(二時間)
「……これ、全部必修なの?」
「はい。『王子教育規則』で定められています」
アルブレヒトは、疲れた顔をした。
「姉上、噂を聞きました。姉上が、侍従長と戦って、朝の会議を短縮したと」
「ええ、そうよ」
「僕も、この教育課程を減らせませんか」
エリザベータは、予定表を詳しく見た。
「どの科目が、特に無駄だと思う?」
「詩学です」
「理由は?」
「僕、詩を書く才能がないんです。それなのに、毎週二時間も習わされて……」
アルブレヒトは、項垂れた。
「教師も困ってます。『殿下には詩の才が見られません』って、毎回報告書に書いてます」
エリザベータは、笑った。
「才能がないと認められているのに、続けるのね」
「『王子たるもの、詩を理解すべし』という規定があるんです」
「理解と、創作は違うでしょうに」
エリザベータは、メモを取り出した。
「面白いわ。やってみましょう」
翌日、エリザベータとアルブレヒトは、教育管理局を訪れた。
「王子教育課程の変更を申請したいのですが」
担当官のグレゴールは、驚いた。
「王女殿下と第三王子殿下、お揃いで……」
エリザベータは、申請書を差し出した。
『王子教育課程変更申請書(様式第二百十八号)』
変更内容:第三王子の詩学課程(週二時間)を廃止
変更理由:王子に詩作の才能が認められないため、時間の有効活用を図る
代替案:廃止した時間を、法学(王子の得意科目)に充てる
グレゴールは、書類を読んだ。
「殿下方、お気持ちは分かりますが……」
「問題がありますか」
「『王子教育規則』第十二条により、全科目の履修が義務付けられています」
エリザベータは、規定集を開いた。
「第十二条には、『各科目を適切に履修すること』とありますね」
「はい」
「『適切に』の定義は?」
グレゴールは、規定を確認した。
「……明確な定義はありません」
「では、才能のない科目を延々と続けることが『適切』と言えますか」
「それは……」
「むしろ、得意な科目に時間を使う方が『適切』ではないですか」
グレゴールは、言葉に詰まった。
「……確かに、そういう解釈も可能です」
「では、申請を受理してください」
「承知しました。ただし、教育管理局長の承認が必要です」
「問題ありません」
エリザベータとアルブレヒトは、退室した。
一週間後、教育管理局長エドゥアルトは、慎重な判断を下した。
結論:条件付き承認。
詩学の廃止は認める。
ただし、代替として『文学鑑賞』(週一時間)を履修すること。
詩を書く必要はないが、詩を読み、理解する能力は必要である。
アルブレヒトは、通知を受け取って喜んだ。
「姉上、成功です! 週二時間が、週一時間になりました!」
「良かったわね」
「これで、法学の時間が増やせます」
アルブレヒトは、嬉しそうに部屋を出ていった。
その様子を見ていた第二王子カール(二十歳)が、エリザベータに声をかけた。
「姉上、アルブレヒトの教育課程、変更させたんですか」
「ええ」
カールは、興味深そうに尋ねた。
「どうやって?」
「申請書を出して、規定の解釈を工夫しただけよ」
「……僕も、相談していいですか」
エリザベータは、微笑んだ。
「もちろん」
カールの悩みは、別のところにあった。
「僕、剣術が苦手なんです」
「剣術?」
「はい。週に三回、二時間ずつ。苦痛です」
カールは、資料を見せた。
『第二王子カール殿下・剣術訓練評価書』
担当教官の評価:「殿下の剣の才は、極めて限定的である」
「……手厳しいわね」
「五年間習ってますが、全く上達しません」
「でも、剣術は王子の必修科目でしょう」
「そうなんです。だから、続けるしかないと思ってました」
エリザベータは、考えた。
「剣術の目的は何?」
「『王子たるもの、武芸に通じるべし』だそうです」
「武芸、ね」
エリザベータは、規定を調べた。
「『王子教育規則』第十五条……『武芸に通じること。剣術、馬術、弓術のいずれかを履修すること』」
「『いずれか』?」
「そう。全部やる必要はないみたい」
カールは、目を輝かせた。
「では、剣術をやめて、別の武芸に変えられますか」
「馬術と弓術は?」
「馬術は得意です。弓術は未経験ですが、やってみたいです」
エリザベータは、頷いた。
「では、申請しましょう」
『王子教育課程変更申請書(様式第二百十八号)』
二通目である。
申請者:第二王子カール
変更内容:剣術(週三回)を廃止し、弓術(週一回)に変更
変更理由:剣術の適性が認められないため。規定により、武芸は一科目で可
既に馬術を履修しているため、武芸の要件は満たしている
グレゴールは、書類を受け取って頭を抱えた。
「王女殿下、また……」
「規定通りですよ」
「ですが、二人の王子が立て続けに変更申請を……」
「問題ありますか」
「いえ、規定上は問題ありません。ただ……」
グレゴールは、溜息をついた。
「他の王子にも、波及するのでは」
「それは、彼らの判断でしょう」
エリザベータは、にっこり笑った。
グレゴールの予感は、的中した。
三日後、第一王子ヴィルヘルム(二十四歳)が、エリザベータの部屋を訪れた。
「姉上、僕も相談があります」
「あら、ヴィルヘルムまで」
ヴィルヘルムは、真面目な顔をした。
「弟たちが教育課程を変更したと聞きました」
「ええ」
「実は、僕にも変更したい科目があります」
「何?」
「舞踏です」
エリザベータは、意外そうな顔をした。
「舞踏? あなた、得意じゃなかった?」
「得意すぎるんです」
「……どういうこと?」
ヴィルヘルムは、説明した。
「僕、五年前に舞踏の上級課程を修了しました。もう習うことがないんです」
「でも、続けているの?」
「規定で、『王子は舞踏を継続的に履修すること』となっています」
ヴィルヘルムは、溜息をついた。
「毎週二時間、すでに知っている踊りを繰り返し練習しています。教師も、『殿下に教えることはありません』と言っています」
エリザベータは、規定を確認した。
「『継続的に履修』……でも、『修了後も継続』とは書いてないわね」
「本当ですか」
「ええ。むしろ、『必要な水準に達するまで履修』と解釈できる」
エリザベータは、メモを取った。
「あなたは既に水準に達している。ならば、廃止できるはずよ」
ヴィルヘルムは、喜んだ。
「姉上、お願いします」
一週間後、教育管理局には三通の申請書が集まった。
全て、王子の教育課程変更申請。
エドゥアルトは、会議を招集した。
「これは、前例のない事態だ」
グレゴールが、報告した。
「三人の王子が、それぞれ別の科目の変更を申請しています」
「全て、王女殿下の助言によるものか」
「はい」
エドゥアルトは、書類を見た。
「内容は、いずれも規定に違反していない」
「はい」
「では、却下する理由がない」
「ですが、局長。これを認めると、王子教育の枠組みが崩れるのでは」
エドゥアルトは、首を横に振った。
「いや、むしろ改善されている」
「と、言いますと」
「才能のない科目を無理に続けさせるより、得意な科目に時間を使う方が、教育効果は高い」
エドゥアルトは、書類にサインした。
「全て承認する」
三人の王子の教育課程変更が承認されると、予想外の反応があった。
他国の王族から、問い合わせが来たのである。
「本家国では、王子の教育課程を個別化したと聞いたが、本当か」
宮内局長ハインリヒは、返答に困った。
「個別化というより、適性に応じた調整です」
「それは、画期的だ。我が国でも導入を検討したい」
ハインリヒは、報告書を作成した。
『本家国王子教育改革の国際的反響について』
三王子の教育課程調整が、他国から注目を集めている。
特に、模倣国からは「我が国でも同様の制度を」との要望が強い。
本家国の教育制度が、再び基準となる可能性がある。
国王は、この報告書を読んで、エリザベータを呼んだ。
「エリザベータ、お前がまた何かやったそうだな」
「弟たちの相談に乗っただけです」
「その結果、他国が注目している」
国王は、複雑な表情をした。
「お前は、本当に静かにしていられないな」
「すみません」
「謝ることはない。結果は良好だ」
国王は、微笑んだ。
「ただ、次は私にも相談しろ」
「……次、ですか」
「お前のことだ。次があるのだろう」
エリザベータは、笑った。
「はい。実は、もう計画があります」
エリザベータの次の計画は、さらに大胆だった。
「王子たちと、勉強会を作りたいんです」
「勉強会?」
国王は、首を傾げた。
「はい。三人の王子と私で、月に一度、自由なテーマで議論する場を作ります」
「何のために?」
「王族同士で、制度や政策について意見交換することは、重要だと思います」
エリザベータは、企画書を見せた。
『王族勉強会・運営計画』
目的:王族の見識を深め、相互理解を促進する
参加者:王女エリザベータ、第一王子ヴィルヘルム、第二王子カール、第三王子アルブレヒト
頻度:月一回、二時間
テーマ:参加者が持ち回りで提案
形式:非公式、記録は残さない
国王は、企画書を読んだ。
「……記録を残さない?」
「はい。自由な議論のためには、記録があると窮屈になります」
「しかし、王族の活動は記録が義務では」
「『非公式な私的集まり』として扱えば、記録義務はありません」
国王は、笑った。
「また、規定の隙間を突くのか」
「学びました、父上から」
「私は、そんなこと教えていない」
「でも、実践しています」
国王は、企画書を返した。
「やってみろ。ただし、本当に私的な集まりとして扱え」
「了解しました」
一ヶ月後、第一回王族勉強会が開催された。
場所は、エリザベータの私室。
参加者:四人の王族のみ。
侍従も、記録係もいない。
「では、第一回を始めます」
エリザベータが、進行した。
「今日のテーマは、ヴィルヘルムが提案した『地方税制の問題点』です」
ヴィルヘルムが、資料を配った。
「最近、地方の税収報告を読んだんだが、不可解な点がある」
「どんな?」
「税の種類が多すぎる。同じような税が、異なる名目で複数存在している」
カールが、資料を見た。
「本当だ。『道路維持税』と『街道保全税』、これ同じものじゃないか」
「おそらく、異なる時期に異なる部局が作ったんだろう」
アルブレヒトが、質問した。
「統合できないんですか」
「理論上は可能だ。だが、それぞれの税に担当部局があって、統合すると権限が減る」
エリザベータが、頷いた。
「だから、誰も統合しようとしないのね」
「そういうことだ」
四人は、二時間議論した。
結論は出なかったが、問題意識を共有できた。
会が終わった後、カールが言った。
「姉上、これは面白いですね」
「でしょう?」
「普段、僕たちは別々に教育を受けていて、こうやって話す機会がなかった」
ヴィルヘルムも、頷いた。
「次回も楽しみだ」
勉強会は、毎月続いた。
第二回のテーマは、カールの提案で『王族の役割とは何か』。
第三回は、アルブレヒトの提案で『防災制度の実効性』。
第四回は、エリザベータの提案で『忘れられた制度をどう活用するか』。
回を重ねるごとに、議論は深まった。
半年後、予想外のことが起きた。
国王が、参加を希望したのである。
「次回、私も参加していいか」
エリザベータは、驚いた。
「父上が?」
「ああ。お前たちが何を話しているのか、気になってな」
「でも、これは私たちの……」
「私的な集まりだろう。ならば、私が私的に参加しても問題ない」
エリザベータは、他の三人に確認した。
全員、賛成だった。
「では、次回からどうぞ」
国王が参加した第七回勉強会。
テーマは、ヴィルヘルムの提案で『国王の役割と制度の関係』。
「父上が参加されるので、このテーマにしました」
「……私が議題か」
「はい」
ヴィルヘルムは、続けた。
「父上は、常々『私は判断しない』と仰っています。それは、制度が判断するからですね」
「その通りだ」
「では、制度が機能しない時、国王は何をすべきですか」
国王は、少し考えた。
「……差し戻す」
「差し戻すだけですか」
「それ以上は、制度の問題だ」
エリザベータが、質問した。
「でも、父上。制度が古くなって、現実に合わなくなったら?」
「それも、制度の問題だ。制度を変える制度がある」
カールが、指摘した。
「でも、その『制度を変える制度』が機能していなかったら?」
国王は、沈黙した。
アルブレヒトが、静かに言った。
「姉上は、その問題に取り組んでいるんですよね」
「……そうね」
エリザベータは、国王を見た。
「父上、私がやっていることは、『制度を変える制度』を機能させることです」
「分かっている」
「でも、それは国王の仕事ではないですか」
国王は、長い沈黙の後、答えた。
「……違う」
「では、誰の仕事ですか」
「お前たちの仕事だ」
国王は、四人を見た。
「私は、制度を守る。お前たちは、制度を変える。それが、役割分担だ」
ヴィルヘルムが、尋ねた。
「では、父上は私たちの改革を支持されるんですか」
「支持はしない。邪魔もしない」
国王は、立ち上がった。
「お前たちが制度の手続きに従って変えるなら、それは正当だ。私が口を出す必要はない」
国王は、部屋を出た。
四人は、顔を見合わせた。
「……これは、許可と受け取っていいのか」
「許可というより、黙認ね」
エリザベータは、微笑んだ。
「でも、父上らしいわ」
一年後、王族勉強会は定着した。
そして、具体的な成果も出始めた。
ヴィルヘルムの提案により、地方税制の見直しが財務局で検討され始めた。
カールの提案により、王族の公務記録の簡素化が宮内局で承認された。
アルブレヒトの提案により、防災計画の実地検証制度が導入された。
エリザベータの提案により、休眠制度の定期見直しが制度化された。
ある日、宮内局長ハインリヒが国王に報告した。
「陛下、王族による制度改善提案が、この一年で十二件承認されました」
「そうか」
「その全てが、王族勉強会での議論が起点となっています」
国王は、窓の外を見た。
「エリザベータが始めたことか」
「はい。王女殿下が三王子を巻き込み、組織的な改革活動を展開しています」
「問題はあるか」
「ありません。むしろ、各局から『王族の提案は的確だ』と評価されています」
国王は、微笑んだ。
「ならば、続けさせろ」
「しかし、陛下。このままでは、王族が行政改革の中心になってしまいますが」
「それの何が問題だ」
ハインリヒは、言葉に詰まった。
「……問題は、ありません」
「ならば、良い」
国王は、書類に戻った。
二年後、王族勉強会の存在は、公然の秘密となった。
「非公式な集まり」のはずだったが、その成果があまりに目立つため、誰もが知ることになった。
他国からも、視察の依頼が来た。
「本家国の王族は、どのように制度改革に関与しているのか」
エリザベータは、慎重に答えた。
「私たちは、ただ勉強しているだけです」
「だが、その勉強が、具体的な改革に繋がっている」
「それは、各局が私たちの提案を評価してくださった結果です」
エリザベータは、微笑んだ。
「王族は、判断しません。提案するだけです」
視察団は、感心した。
「素晴らしい。これぞ、本家国の知恵だ」
ある日、第一回勉強会から三年が経った記念に、四人は振り返りを行った。
「三年で、私たちは何を変えたと思う?」
エリザベータの問いに、ヴィルヘルムが答えた。
「制度を、変えた」
「どんな風に?」
「使われていなかった制度を掘り起こし、機能していなかった制度を修正し、時代に合わなくなった制度を更新した」
カールが、付け加えた。
「そして、王族の役割を変えた」
「役割?」
「僕たちは、ただ象徴として存在するだけじゃなく、制度を改善する主体になった」
アルブレヒトが、笑った。
「全部、姉上が始めたことですけどね」
「いいえ」
エリザベータは、首を横に振った。
「私一人では、ここまでできなかった。あなたたちが協力してくれたから」
「じゃあ、僕たちは同盟ですね」
「同盟?」
「はい。制度を良くするための、王族同盟」
四人は、笑い合った。
その時、ドアがノックされた。
侍女のマリアンネが、入ってきた。
「殿下方、国王陛下がお呼びです」
「父上が?」
「はい。四人揃って、とのことです」
四人は、国王の執務室へ向かった。
国王は、四人を前に立たせた。
「お前たちに、話がある」
「何でしょうか、父上」
「お前たちの勉強会、三年続いたそうだな」
「はい」
「そして、多くの制度改善を成し遂げた」
国王は、書類を見せた。
『王族による制度改善提案・三年間の成果まとめ』
宮内局が作成した報告書である。
「提案総数:三十七件。承認:三十四件。却下:三件。承認率:九十二パーセント」
「……そんなに提案してましたか」
エリザベータは、驚いた。
「お前たちは、気づかないうちに、国の制度を大きく改善してきた」
国王は、立ち上がった。
「だが、問題がある」
「問題、ですか」
「お前たちの活動は、非公式だ。ゆえに、記録が残らない」
国王は、四人を見た。
「これだけの成果を上げているのに、公式には何も残らない。それは、もったいない」
「では、父上は……」
「公式化しろ」
四人は、顔を見合わせた。
「でも、公式化すると、自由な議論が……」
「自由を保ちながら、公式化する方法を考えろ」
国王は、微笑んだ。
「お前たちなら、できるだろう」
一ヶ月後、エリザベータたちは提案書を作成した。
『王族政策研究会・設置提案書』
目的:王族が自主的に政策課題を研究し、改善提案を行う
参加者:参加を希望する王族(現在四名)
形式:月一回の研究会、年一回の成果報告書提出
特徴:議論の過程は非公開、結論のみ公開
宮内局長ハインリヒは、提案書を読んで感心した。
「議論は自由に、結果は公式に。うまい折衷案ですね」
「承認していただけますか」
「もちろんです。むしろ、遅すぎたくらいです」
提案は、即座に承認された。
『王族政策研究会』が、正式に発足した。
発足から半年後、第一回成果報告書が公開された。
『王族政策研究会・年次報告書(第一号)』
研究テーマ:
地方税制の簡素化
王族公務の効率化
休眠制度の活用
防災計画の実効性向上
提案件数:十二件
実施件数:十一件
参加者:
王女エリザベータ・ルイーゼ
第一王子ヴィルヘルム
第二王子カール
第三王子アルブレヒト
報告書は、各部局に配布された。
反応は、好意的だった。
「王族が、ここまで具体的な提案をされるとは」
「しかも、全て実現可能な内容だ」
「本家国の王族は、やはり優秀だな」
他国からも、注目が集まった。
「本家国に、王族による政策研究会ができたそうだ」
「我が国でも、導入を検討すべきでは」
本家国の制度が、再び各国の基準となり始めた。




