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第二話考え事

調べ学習のワクワク感は異常

 あれから、僕はあの雨の日について、何度も考えるようになった。


 うちの小学校には変な校則がある。シャーペン禁止だとか、キャラもの鉛筆が禁止だとか、そんなのもあるが、「雨の日にはカーテンを閉めて、校庭を見てはいけない」などという校則については意味がわからなかった。

 雨の日というのは、僕のような男子小学生にとっては、とてもワクワクを搔き立てるものだ。それで授業に集中できないから、という理由でカーテンを閉めるのはわかる。でも、それならなぜ休み時間も閉めたままなんだろう?


 何よりも気になったのはあの光景だ。眼鏡に反射したのだから見間違いなのかもしれない。でも、あれはどう見たって「龍」だ。しかも透明の。

 低学年のころ、よく見せてもらっていた日本の昔話シリーズで出てくるようなあれだと思う。


「最近元気ねえな~よおシュウト?また雨でも降るのか?」

「いや、考え事しててね、前の雨の日に…」


___「雨の日に校庭に龍がいたんだよ」なんてことを言ったって信じてもらえるわけもないだろうし、そもそも確証すらない。話すなら証拠を集めてからにしたい。


「前の雨の日にさ、思ったんだけど…なんで雨の日ってカーテン閉めなきゃいけないんだ?」

「?、そりゃあ…確かになんでだろ?別に雨見たところで死ぬこともねえしな。」

「授業に集中させるため、なんていうのもあるんだろうけど、休み時間は流石に開けてもいいよな。」

「いや~俺としては開け閉めすんの面倒くせえから開けないほうが楽だわ~」

「それもそうだな」


 当たり障りなく切り抜けた。そんな安心感とともに、親友に隠し事をするという罪悪感を感じる。

(いつかは話してやろう、今話すのは意味がない)と心に決めることで、無理やり正当化しておく。


「キーンコーンカーンコーン」


今日最後の授業、「社会」の時間だ。


「ほらー皆席ぃつきぃよー」

と先公。


「きりーつ、れい、ちゃくせーき」

アヤノ委員長の元気のない挨拶に代表されるように、クラスの中も、尽きた体力と重い眠気に抗いきれずに気だるげな雰囲気が漂っていた。


「今日から調べ学習を始めるで!ほら、目ぇ覚まして早うタブレット取ってきい!」

「「「うおおおおおおおおおおお!!!!」」」

あっという間に眠気が吹き飛んだ。


「じゃあいつもの授業班になってや」

「「「やったーーーーーーーー!!!!」」」

更に盛り上がった。


 僕の席は窓際前から2番目、だからヒカルとカズ、そしてアヤノの四人で班になっている。

「何について調べるのか、先ずはアイデアを出して頂戴!」

とアヤノが仕切る。

「うーん…無難に地域のこと、とか?」

「僕も賛成するね。地域の歴史とかなら、おばあちゃんに聞けば一発だよ。」

「俺もじいちゃんに聞いてみるぜ!」

「よーし決まりね!うちの班は地域の歴史について調べるわよ!」

時間がない

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