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地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~  作者: 出雲大吉
第3章

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第093話 金の匂いがする!


 俺達はその後もハイウルフ、グレートイーグルを倒していき、いい時間となったので少し休憩し、引き返すことにした。


「エレノアさん、私のレベルが上がってます!」


 休憩中なのでお互いにステータスカードを確認してみようとなったのだが、ナナポンのレベルが上がったようだ。


「それはよかったわね……」


 チッ!

 せっかく、追いついたのに……


「ん? なんで嫌そうなんです?」

「そんなことはないわよ。なんかスキルが生えた?」

「えーっと、実はここに来る前に確認したんですけど、演技が増えてましたね」


 演技?


「あなた、演劇部だったの?」

「いえ、そんなことはないですけど、変装のせいですかね?」


 それなら俺の方が変装している。

 なにせ、性別まで変えてるし。


「ふーん、まあ、冒険ではあんまり使えなさそうね。日常生活で嘘でもつきなさいよ」

「私は嘘なんかつきませんよ」


 卑劣なカンニング女が何か言ってらー。


 俺は呆れながらも自分のステータスカードを確認する。


「あ、私もレベルが上がってる。昨日、上がったのにすごいわ。いやー、お互いレベルが上がって良かったわねー!」


 よっしゃ!

 追いついた!


「さっき沖田さんが不機嫌な理由がわかりました…………そんなんだから朝倉さんに小っちゃいって言われるんですよ」


 ほっとけ。


「でも、ここって簡単に上がるわね。私達のスケルトン狩りは何だったのかしら?」


 めっちゃくちゃ倒したのに。


「ここは中級ですからね。私達みたいな低レベルはじゃんじゃん上がるんでしょう」


 上級に行けばもっと上がるんだろうか?

 でも、ナナポンが危ないし、ここでやるか……


「まあ、何にせよ、レベルが上がるのは良いことだわ」

「あ、ステータスカードを見せてくださいよ。何を作れるようになったんです?」


 ナナポンが興味津々に聞いてくるので見せてあげることにした。




----------------------

名前 エレノア・オーシャン

レベル9

ジョブ 剣士

スキル

 ≪剣術lv6≫

 ≪話術lv1≫

 ≪挑発lv1≫

☆≪錬金術≫

----------------------

レベル9

  回復ポーションlv1、性転換ポーション

  眠り薬、純水

  翻訳ポーション、アイテム袋

  透明化ポーション、鑑定メガネ、鑑定コンタクト

  回復ポーションlv2、強化ポーション(力)

  強化ポーション(速)、強化ポーション(防)

  オートマップ、回復ポーションlv3

----------------------




「レベル3の回復ポーション…………」


 ナナポンがポツリとつぶやき、絶句する。

 気持ちはとてもわかる。


 レベル3の回復ポーションはこの30年の歴史で数十個しかドロップされてないアイテムだ。

 効果は欠損すら治せるらしい。


 これは俺でも知っている。


「これ、いくらになるかな?」

「さあ? 少なく見積もっても数千万は行くと思います。億に届いても驚きません」


 部位欠損を治せるんだもんなー。

 もし、そういうケガをしている人は金があれば、買うだろう。


「ちなみに、材料を聞きたい?」

「純水と薬草3つって言ったら怒ります」

「……………………」


 じゃあ、言わない。


「マジですか……1600円」


 薬草3つで1500円、コンビニの水が100円。

 うん、1600円だね。


「こりゃ、レベル2の回復ポーションの交渉どころじゃないわねー」


 クレア、早く連絡を寄こせや。


「とりあえずはギルマスさんに相談ですね」

「そうなるわね。ナナカさん、一つ作るからあなたが持ってなさい」

「え!? あ、そうか……もしものためですね」


 ナナポンには以前にもレベル2の回復ポーションを渡している。

 もし、俺が戦闘不能になった時に使ってもらうためだ。

 あと、ナナポンがトラックに轢かれた時用。


 俺は周囲を見渡し、誰もいないことを確認する。


「ナナカさん、周囲に隠れている人はいない?」

「んー…………いませんね」


 ナナポンは周囲を見渡しながら答えた。

 俺はそれを聞くと、カバンからペットボトルの水と薬草3枚を取り出す。

 そして、ペットボトルに薬草を入れると、じーっと見る。

 すると、ペットボトルが光りだし、ペットボトルが灰色の液体が入ったペットフラスコに姿を変えた。


「これがレベル3の回復ポーションですかー。不味そうです」


 確かに不味そうだ。

 灰色って飲み物の色じゃない気がする。


「まあ、どうせ無味無臭よ。はい、あげる」


 俺は作ったレベル3の回復ポーションをナナポンに渡す。


「ありがとうございます。エレノアさんがピンチになったら絶対に使います!」


 沖田君にも使ってあげてね……


「はいはい。あ、これも渡しておく」


 俺は最初に言っていた透明化ポーションも渡していく。


「強化ポーションといい、私のアイテム袋がポーションだらけになりそうです」

「そういえば、あなたにあげたアイテム袋は10キロだったわね。足りないでしょう? あげようか?」


 俺はカバンから100キロのアイテム袋となっている黒いカバンを取り出す。


「えー……色がー」


 こいつ、ホント、わがままだな。

 外見も中身も真っ黒なくせに。


「じゃあ、あなたが気に入っているそのうさぎさんリュックをアイテム袋にしてあげましょうか?」


 ナナポンはいつも同じリュックを背負っている。


「いいんです?」

「まあ、輪ゴムを入れるだけだしね」

「お願いします」


 ナナポンはリュックを下ろすと、腰を下ろし、中身を取り出していく。

 俺はその間にカバンから500個入っている輪ゴムの箱セットを2つ取り出した。


「1000キロが作れるけど、それでいい?」


 俺は輪ゴムの箱を開けながらナナポンを見下ろす。


「1000キロ…………へへ、12億」


 ナナポンが悪そうな顔をしながら見上げてきた。


「売るんじゃないわよ」

「わかってますよ」


 ホンマかいな……


「ほら、貸しなさい」


 俺はナナポンからリュックを受け取ると、箱から輪ゴムを取り出し、リュックの中に投入した。

 そして、じーっと見ながら念じると、リュックが一瞬、光る。


「はい、できた。あなたには各種ポーションを渡しておくから適宜、使いなさい。足りなくなったら言って」

「はい」


 俺はカバンから次々と各種ポーションを取り出し、ナナポンに渡していった。

 ナナポンもポーションを受け取ると、次々とリュックに収納していく。


「エレノアさん、何個作ってんですか……」


 ナナポンは呆れたように言いながらポーションを収納していっている。


「暇だからめちゃくちゃ作ってる。実は私の部屋のクローゼットにポーションでいっぱいになった1000キロのアイテム袋がある」

「まあ、原価が安いから良いですけど、やりすぎです」


 ポーションを作るのって楽しいからなー。


「そのおかげでポーション風呂に入れたんだからいいじゃない」


 大量に作ったポーションを持て余したので実験をしたのだ。


「私、思ったんですけど、ボディーソープに回復ポーションを混ぜるのはどうです?」

「なるほど……帰ったらやってみるわ」


 さすがは弟子。

 発想が錬金術師だ…………いや、そうでもないか。


 その後も俺がナナポンにポーションを渡していき、ナナポンがそれをリュックに収納するという作業を続けていった。


「もうこんなもんでいいでしょう。さすがにこれ以上はいいです。また、足りなくなったら言います」


 ナナポンがストップをかけた。


「まあ、そうね。ここ外だし、今度にしましょう」

「はい。これからどうします? まだ、3時ですけど、レベル3の回復ポーションのことがあるし、ギルマスさんに報告する時間を考えると帰った方がいいと思います」


 それもそうだな。

 正直、そっちが気になって冒険に身が入らない気もする。


「じゃあ、帰りましょうか。冒険はまた今度にしましょう。あなた、来週は?」

「いつでもいいですよ。エレノアさんに合わせます」


 大学はサボる気なのね。


「わかった。また連絡するわ」

「はい。帰りましょう」


 俺達は少し早いが、帰ることにし、寄り道をせずに街道をまっすぐ歩いていった。


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主人公が行動原理が、幼稚で突拍子もないし、頭も足りなそうだから無能判定されて会社クビになるのもわからんではないw
[良い点] 正直、ななぽんが下種すぎて・・・・・どうしてもイラついてしまう。 この話のヘイト管理者なんだろうけど。
[一言] > 薬草3つで1500円、コンビニの水が100円。 > うん、1600円だね。 ガラスコップ100円を忘れてるよー。自分たち用ならいいけど。 消費税がない世界はいいなぁ
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