表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~  作者: 出雲大吉
第6章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

187/283

第187話 お前は何を着ようとエロいよ。だってお前自身がエロいもん


 広い風呂を満喫した俺は風呂から上がり、服を着た。

 着替えた服は黒ローブではなく、普通のスカートの私服だ。


 風呂を出た俺は自分の部屋に戻ろうと思ったのだが、俺の部屋の前にはアルクとミーアが待っていた。


「あ、戻ってきた」


 アルクが歩いてきた俺に気付く。


「私の部屋の前でどうしたの?」

「お風呂に入ってたんだね。ほら、水と薬草を持ってきたから渡そうと思って待ってたんだよ」


 そういや、頼んでたわ。


「別に勝手に入って良かったのに」

「そういうわけにはいかないでしょ。ましてや、女性の部屋に勝手に入るなんてできるわけないじゃん」


 あー、確かにそれはマズいね。

 俺は男だし、大事なカバンは持っていっていたから何も思わないが、女性は嫌がるだろう。


「気遣いができて偉いわね」

「ありがとう。僕もそんなに気遣いができる方ではないけど、君達を見て、考えを改めたよ」


 ホンマ、一言多いやっちゃ。


「それは良かった。あなたのために敢えてそういう風にふるまった甲斐があったわね」

「君、息を吐くように嘘をつくね」

「いいから薬草と水を寄こしなさい」

「めんどくさい魔女だなー…………はい、これ」


 アルクはそう言って、俺に2つのカバンを渡してくる。


「これに入ってるの?」

「そうそう。片方が薬草。もう片方が水だね。足りなくなったらまた言ってよ。薬草と水はいっぱいあるからね」


 薬草と水はいっぱいあるらしい。

 水不足ではなさそうだな。

 となると、食糧不足か?


「ふーん、わかったわ。夕食までに時間がありそうだし、早速、作っておくわ」

「ありがと。じゃあ、頼んだよ。またね」


 アルクはそう言うと、お辞儀をするミーアと共に消えていった。


 俺はカバンを持って部屋に戻ると、回復ポーション作りを始める。


「えーっと、まずはキュアポーションだな。レベル2って言ってたし、レベル2の回復ポーションを作っていくかね」


 俺はまず、水を出そうと思い、カバンを手に取る。


「水……え? 大丈夫か?」


 俺はちょっと心配だったが、カバンに手を突っ込んだ。

 すると、カバンの中からはフラスコに入った透明な液体が出てくる。


「良かった。ちゃんと気を使ってる」


 中身が水だけだったら大惨事だった。


 俺はもう片方のカバンから薬草を取り出し、水が入ったフラスコに薬草を2枚入れ、レベル2の回復ポーションを作っていった。

 しばらく作業を続けていると、扉をノックする音が聞こえた。


「はーい?」

「エレノア、私だ」


 この声はヨシノさんだ。


「勝手に入りなさい。鍵はかかってないから」

「失礼する」


 俺が許可を出すと、ヨシノさんが部屋に入ってきた。

 ヨシノさんはパーカーにスウェットだった。


「ん? ポーションを作ってたのか?」

「まあね。これが金塊になると思うと楽しいわよ」

「ふーん、見てていいか? 暇なんだ」


 だろうね。

 テレビもないし、スマホも圏外だ。


「だったら手伝いなさい。薬草をフラスコに入れるだけでいいから」

「ああ、手伝おう」


 ヨシノさんは頷くと、俺のもとにやってきてフラスコに薬草2枚を入れる作業を行っていく。


「それにしても、君、寝巻じゃないんだな」

「私、寝る時はジャージだもん。そんな姿で夕食に行けないでしょ」


 王子様がいるのに。


「ふーん、私は気にしないが、ちょっとラフすぎたかな?」


 ヨシノさんが自分の格好を見る。


「別にいいでしょ。エロいし」

「どこがエロいんだ? 普通だろ」


 そのゆったりとしたパーカーを着ているのに主張しているおっぱい。


「生活感があっていいと思う。カエデちゃんのパジャマもかわいいけど、そういうのもいいと思うわ」

「ふーん。君、守備範囲が広いね」


 男はそんなもんだ。


「どうでもいいでしょ。お風呂はどうだった?」

「広くて良かったな。ちょっと寂しかったけど」

「どう見ても大浴場なのに1人だもんね。私も同じことを思った」

「サツキ姉さんと来たかったよ」


 この人、本当にサツキさんのことが好きなんだな。


「私もカエデちゃんと…………いや、どっちみち、別か…………」


 ナナポンが来ても別だ。

 一緒に入れそうな相手がハリーしか思い浮かばない。

 絶対に嫌だ。


「部屋も広いよね」

「そうね。やっぱり一緒に寝る?」

「寝る時は別にするが、夕食が終わってもポーション作りを手伝うよ」


 怖いのか?


「そうしてちょうだい。私も話しながらの方がいい」


 いつも家で一人で作っている時は動画サイトを見たり、テレビを見ながら作っている。

 さすがにこれを黙々とやるのは厳しい。


 俺とヨシノさんはそのまま話しながら作業を続けていく。

 マジで一人で来なくて良かったと思った


 しばらくそうしていると、またもや部屋にノックの音が響く。


「はーい?」

「エレノア様、食事の用意ができました」


 ミーアの声だ。


「はいはい」


 俺は夕食の時間になったため、手を止めた。


「行くか……」

「そうね。実は食事が一番の楽しみだったりする」

「私もだ」


 俺とヨシノさんはポーション作りを中断すると、部屋を出る。

 外にはミーアの他にも当然だが、アルクもいた。

 アルクはこれから食事だというのに鎧を着たままだ。


「ああ、ヨシノ様もご一緒でしたか。では、参りましょうか。アルク様、お願いします」

「あいよ」


 アルクが頷くと、俺の視界が白く染まった。


本日より新作も投稿しております。

読んでもらえると幸いです。(↓にリンク)


よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【新作】
宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~

【新刊】
~書籍~
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(2)

週末のんびり異世界冒険譚 1 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~

~漫画~
廃嫡王子の華麗なる逃亡劇 1 ~手段を選ばない最強クズ魔術師は自堕落に生きたい~

【販売中】
~漫画~
地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~(1)
地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~(2)
地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~(3)

~書籍~
地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~(1)
地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~(2)
地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~(3)
地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~(4)

【現在連載中の作品】
その子供、伝説の剣聖につき (カクヨムネクスト)

週末のんびり異世界冒険譚 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~

バカと呪いと魔法学園 ~魔法を知らない最優の劣等生~

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜

廃嫡王子の華麗なる逃亡劇 ~手段を選ばない最強クズ魔術師は自堕落に生きたい~

【漫画連載中】
地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~
がうがうモンスター+
ニコニコ漫画

廃嫡王子の華麗なる逃亡劇 ~手段を選ばない最強クズ魔術師は自堕落に生きたい~
カドコミ
ニコニコ漫画

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~
カドコミ
ニコニコ漫画

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~
ガンガンONLINE

【カクヨムサポーターリンク集】
https://x.gd/Sfaua
― 新着の感想 ―
[一言] 沖田君、エレノアさんが女性の部屋に勝手に入るのはマズいって言ってるよ
[一言] 挑発のレベルがあがりそう>怖いのか?
[一言] ハリーと一緒も問題あるでな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ