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地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~  作者: 出雲大吉
第1章

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第016話 道化やんけ!


 カエデちゃんとやった勝ち組パーティーは9時前にお開きとなった。

 もちろんだが、カエデちゃんは自分の家に帰った。

 今日は帰りたくないとか言っていたのに普通に帰ってしまったのだ。

 まあ、しゃーない。


 俺はその日はすぐに眠り、翌日は買い物にいった。

 そして、色んな種類のカバンを買い、アイテム袋を作っていく。


 作ったのは5キロ、10キロ、50キロ、100キロ、1000キロを2個ずつだ。

 輪ゴムを触りまくったため、正直、手がゴム臭い。


 そして、色んな実験をしてわかったことだが、アイテム袋はアイテム袋に入れることができる。

 ただし、空の場合のみ。

 アイテム袋に何かを入れた状態で別のアイテム袋に入れようとすると、何故か入らないのだ。

 なので、俺は自分用の白いカバンに中身を空にした売る用のアイテム袋を収納した。

 さらに、今作れるポーションや薬を大量に作り、それらも収納する。


 そういった作業をしていると、夜になってしまったのだが、9時くらいになると、カエデちゃんが訪ねてきた。

 下着を買ってきてくれたようで、おすそわけの夕食と共に頂いた。


 俺は家で一緒に食べながら飲もうよと誘ったのだが、明日の準備があるのでと断られてしまった。

 残念。


 でも、夕食は美味しかった。

 カエデちゃんは良いお嫁さんになると思う。


 俺はカエデちゃんにもらった半額シールが貼られた総菜を食べた後、1人でビールを飲み、就寝した。


 翌日、俺はカバンに着替え等を入れ、家を出る。

 そして、池袋まで電車で行くと、近くの公園のトイレの個室に入った。


 何が悲しくてトイレで女になり、着替えなきゃならないのかとも思うが、こればっかりは仕方がない。


 エレノア・オーシャンは間違いなく、有名人となる。

 有名税という言葉があるように、有名になれば、平穏には暮らせなくなるだろう。

 だからこそ、俺とエレノア・オーシャンは結びつかない方がいいし、結び付けてはいけないのだ。

 普通の仕事をして、嫁さんをもらい、子供を作って生きていくという俺の夢はすでに終わっている。

 俺の新しい夢は大金を持ち、かわいい嫁さんをもらい、静かに一生遊んでいくことに変わったのだ。

 そのためにはエレノア・オーシャンを隠れ蓑にする必要がある。


 って、カエデちゃんが言ってた。


 まあ、その通りなので特に文句もない。


 俺は着替え終えると、カラコンを装着し、個室から出た。

 男子トイレから女が出てきたらビックリするかなと思ったが、幸い、誰もいない。


 俺はそそくさとトイレから出ると、池袋ギルドに向かった。


 池袋ギルドに着くと、まっすぐカエデちゃんの受付に向かう。

 相変わらず、閑散としており、ガラガラだ。

 正直、受付に8人もいらないと思う。


「こんにちは」


 俺はカエデちゃんのもとに行くと、挨拶をする。


「はい、こんにちは。エレノアさん、少しよろしいでしょうか?」

「あら、何かしら?」

「ぷっ……実はウチのギルマスが話したいことがあるそうなんですが、お時間は大丈夫でしょうか?」


 おい、こいつ、笑ったぞ!


「大丈夫よ」

「でしたらこちらです」


 カエデちゃんは受付の端まで行くと、俺を受付内に入れてくれた。

 そして、そのまま2人で奥に向かう。


「…………お前、笑っただろ」


 俺は誰にも聞こえない声量で文句を言う。


「…………だって、頬に手を当てながら『あら、何かしら?』はないです。どこのマダムですか」

「…………ミステリアス! ミステリアスなの!」

「…………わかりましたから。ほら、着きましたよ。ぼろだけは出さないでください」


 お前が出しそうだわ。

 もう笑うなよ。


「支部長、エレノア・オーシャンさんをお連れしました」

「どうぞ」


 中から女性の声が聞こえた。


「支部長? ギルマスじゃないの?」


 俺はちょっと気になったので聞いてみる。


「ギルマスは通称です。正確には池袋支部の支部長ですよ」


 なるほど。


 俺が納得していると、カエデちゃんが扉を開けて、中に入っていく。

 俺もカエデちゃんに続き、部屋に入った。


 部屋の中はそこそこの広さであり、手前に応接用のソファーが2つ置かれ、その間にはテーブルが置かれている。

 そして、奥のデスクにウエーブがかかった黒髪の女性が座っていた。


 この人がカエデちゃんの上司さんかな?

 俺と同い年か、上か…………女はわからん。

 でも、ギルマスになるくらいなら上かな?


「どうぞ、かけてくれ」


 ギルマスさんはデスクから立ち上がると、ソファーまで行き、俺に座るように勧めてくれた。

 俺は勧められるがまま座ると、対面にギルマスさんとカエデちゃんが座る。


 えー……

 お前、そっちなん?

 いや、立場的にはそうだろうけど、寂しい。


「何か御用かしら?」


 俺は寂しさを顔に出さないようにし、ミステリアスに尋ねる。


「ああ、まず聞きたいんだが、君はこの国の人間か?」

「ええ、そうよ。生まれも育ちもこっち」

「ご両親は?」

「答える必要がある? まあいいでしょう。死にました。以上」


 本当は生きている。

 親父は海外で剣術の指南やパフォーマンスをしてるし、おふくろもそれについていった。


「失礼……では、以前、この店に回復ポーションを売却しにいっただろうか?」


 ギルマスさんはそう言うと、テーブルに1枚の写真を置く。

 その写真を見ると、俺が以前に行った店の外観が写っていた。


「知りませんね」

「では、これは?」


 次に防犯カメラから撮影したであろう写真を見せてくる。

 そこに写っているのは金髪ロングで黒ローブを着込んだ女だ。

 もちろん俺である。


「私かしら? うーん、覚えてないわ。他人の空似じゃない?」

「非常に特徴的な格好だと思うが…………」


 俺もそう思う!


「あら? 私が変だと?」

「いや、失礼…………では、君はここで回復ポーションを売ってないと?」


 そもそも認識番号を知らなかったから売ってねーよ。


「知りません。覚えてません。以上」


 カエデちゃんからとにかく知らない、覚えてないを言えと厳命されている。


「そうか…………わかった。次にだが、君はここで冒険者の資格を習得した。それはいいね?」

「そうだったような気がするわね」


 断言もするなと言われている。

 でも、この質問は別にいい気がする。


「そうか……君の住所、電話番号がでたらめなのは?」

「うーん、間違えたかな?」


 めっちゃ適当に書いたからね。


「まあいい。これは確認しなかったこちらの落ち度だろうからな。君は先日、初めてフロンティアに行き、回復ポーションを5個ドロップした。そして、それをここで売った。間違いないね?」

「そうかもしれないわね」

「そのポーションは本当にドロップしたものか?」


 俺が作った!


「そうじゃなかったら何だと?」

「盗品では?」

「どこから盗まれたのかしら? そして、そのポーションが私が売ったものと同じである証拠は?」


 そんなもんがあるわけがない。


「ない…………」

「では、問題ないわね?」

「そうだな…………よし、以上だ。君は何も問題ない。私はここまでを上に伝える」


 ギルマスさんは手をパンッと叩いた。


「どうぞ」

「では、本題だ。エレノア・オーシャン、回復ポーションは君の錬金術のスキルで作ったものでいいね?」

「そうね」


 実は事前にカエデちゃんが伝えてある。

 今までのやり取りは聴取をしたという建前であり、口裏合わせの確認だ。

 本題はここから。


「まず確認なんだが、本当にここに錬金術と書かれているのか?」


 ギルマスさんがエレノア・オーシャンのステータスカードを見せてくる。


「ええ、ここに」


 私はステータスカードのスキル欄の錬金術の部分を指差す。


「見えん」

「私も確認できません」


 ギルマスさんもカエデちゃんも見えないらしい。


「多分、私にしか見えないのでしょう。もしくは、私と同じように星マークがついたスキルを持っている人間には見えるかもしれないわね」

「うーん…………聞いたことがない。カエデ、全員分のステータスカードを持ってこい」


 ギルマスさんは悩んでいたが、隣のカエデちゃんに指示を出す。


「へ? 全部ですか?」

「そうだ。確認する」

「わ、わかりました」


 カエデちゃんは慌てて立ち上がると、部屋を出ていった。


「かわいい子だろう?」


 カエデちゃんが出ていくと、ギルマスさんが聞いてくる。


「そうかもね」

「一応、確認しておこう。君達は付き合っているのかね? 沖田ハジメ君」


 バレてまーす。

お読みいただきありがとうございます。

ありがたいことに本日もローファンタジー部門で日間1位でした。


皆様の応援のおかげです。


そういうわけで今日もお祝いということで21時頃にもう1話投稿します。

引き続きよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] バレテーラ(2度目) まあ頭良さそうなギルマスだし、むしろ安心かもね。 カエデちゃんもそこはかとなくポンコツな香りがしてたし。
[一言] 輪ゴムの数を数えるの大変そう。 重さでかぞえたのかな? きっかり1000なんて無理でしょ。
[良い点] 女装して痛々しい演技もして、そしてそのことがバレバレなのがわかっても発狂しない主人公の強メンタル
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