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地獄の沙汰も黄金次第 ~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~  作者: 出雲大吉
第5章

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第133話 オートマップの使い道


 俺は沖田君の姿でギルドにやってくると、受付にいるカエデちゃんのもとに向かった。


「おはよー」


 俺はカエデちゃんに挨拶をする。


「それは朝、聞きましたよ」


 そうだっけ?


「覚えてない」

「寝ぼけてましたからね。朝、私が出勤する時に布団に入っている先輩を叩いてたら『おはよう』って言ってましたよ」


 それは起きてないわ。

 起きてるけど、頭は寝てる。

 というか、叩くな……


「DVはやめてよ」

「スヤスヤと気持ちよさそうに寝ている先輩が妬ましくて」


 気持ちはすごいわかるな。

 カエデちゃんに悪いなと思う。

 でも、だからといって、起きる気はない。

 寒いし、眠いんだもん。


「部屋に来なきゃいいのに」

「行ってきますを言おうと思って」


 だったらちゅーぐらいせーや。

 そしたら起きてやる。


「それ、毎朝、言ってるの?」

「ですね。そして、毎朝、一緒に寝ようよーって返ってきます」


 うーん、俺っぽい。

 というか、それは覚えがある。


「ロクに休みもなかった反動かねー?」

「いや、夜更かしですよ」


 カエデちゃんが呆れたように指摘する。

 でも、動画サイトを見るのが楽しいからしょうがないね。


「まあいいや。サツキさんはいる?」

「ええ。こっちです」


 カエデちゃんは立ち上がると、いつものように受付の端に向かったので俺も受付の端に向かう。

 そして、カエデちゃんが受付内に入れてくれたので中を通り、奥にあるサツキさんの部屋に向かった。


「支部長、先輩が来ました」

「はいよー」


 カエデちゃんがノックをして俺の来訪を告げると、部屋の中から適当な返事が聞こえてくる。


「中でソシャゲをしているな」

「だと思います」


 俺とカエデちゃんは顔を見合わせ、苦笑いを浮かべながらドアを開いた。

 すると、ソファーに寝ころびながらスマホを弄っているサツキさんの姿が見える。


「またソシャゲか?」


 俺はカエデちゃんと共に部屋の中に入ると、ソファーに近づきながら聞く。


「正直、もうやめたいんだが、やめるタイミングがなくて、惰性で続けてるな」


 今、やめればいいじゃん。


「俺はやらないからわからんな」

「おすすめはせんな。よいしょっと…………まあ、座れ」


 サツキさんが身を起こしたため、カエデちゃんと共にサツキさんの対面に座った。


「なんか会うのが久しぶりな気がするわ。忙しかったみたいだね?」


 会う用事が何回かあったのだが、いつも不在だった。


「まあな。色々あったんだよ。お前の方も色々あったみたいだが…………」

「あったねー。生命の水のことは聞いてる?」

「カエデから聞いた。すごいものを作れるようになったな」

「ホントだわ。でも、作れないんだよ」


 材料がない。


「命の結晶な。私の方でも調べてみたが、まったくわからん」

「やっぱり未発見かね?」

「だと思う。まあ、気長に探せ。一応、こっちでも探しておいてやる」


 サツキさんも探してくれるらしい。

 珍しいことだが、それほどまでに生命の水がすごいってことだ。


「あんがとさん。それとカエデちゃんから聞いたけど、昨日は悪かったな。騒ぎだったんでしょ?」

「それな。めんどくさかったわー。しかも、詳しく聞けば、お前は悪くねーじゃん。それなのになんでこっちが対応しなきゃならんのだ。渋谷支部の管轄だろ」


 サツキさんが目を吊り上げる。


「昨日、ヨシノさんに聞いたけど、ヨシノさんや本部長さんも残業だったんだってさ」

「だろうな」


 サツキさんは今度は嬉しそうにうんうんと頷いた。


「従妹の不幸が嬉しいか?」

「色々あったんだよ。あの守銭奴め!」


 何があったんだ…………


「仲良くしろよー。それでそん時にヨシノさんに聞いたんだけど、オークションの許可が下りたんだろ?」

「そうだ。立て込んでたからちょっと時間がかかったが、無事に許可が下りた。早速だが、明日にでも発表して、オークションを開催したいんだが、大丈夫か?」

「大丈夫。さっさと売ろうぜ」

「よし! そうしよう! 期間は1週間だ」


 久しぶりのオークションだな。

 いくらになるかなー?


「落札は来週か……それで値段が決まったらクレアと本部長に売りつけてやろ」

「好きにしろ。ウチはレベル1の回復ポーションで十分だからな」

「転売しないの?」

「転売もやったが、たいして儲からんかったからな。それよりもオークションの方が儲かる」


 やっぱり5パーセントが懐に入るオークションか……


「またアイテム袋でも売るか?」

「それもありだな。でもまあ、その前にお前に相談があるんだよ」


 相談?

 珍しいな。


「何? そういえば、話があるんだっけ?」


 オークションかあのガキのことかと思っていたんだけど、別に用件があるらしい。


「前にお前からノートをもらっただろ? あのオートマップとかいうやつ」

「あー、あげたね」


 歩いたところが地図になるやつだ。

 いまいち使い道がわからないアイテムである。


「あれな、ちょっと使ってみたんだが、すごいわ」

「すごいんだけど、使い道ないでしょ。この世の中、地図アプリで場所がわかるし、フロンティアにしても地図があるじゃん」

「実を言うと、そうでもないんだ。前に測量会社の話をしただろ?」


 オートマップを作れるようになった時に聞いたな。

 国がフロンティア専門の測量会社に依頼をしたうんぬんかんぬん。


「聞いたね。結局、あれなんだったん?」

「実はな、クーナー遺跡で地下遺跡が見つかったんだよ」


 地下遺跡!?

 すげーロマン溢れるものが見つかったな。


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― 新着の感想 ―
[一言] 遺跡が見つかったって話は非公式なのかな? 公式なら他のエリアに冒険者いなさそうだし…… 遺跡とか、浪漫の塊じゃん、早く探索しようぜ!! 宝箱とか独り占めしようぜ!!
[一言] 隠し通路とか分かるなら地球側でも古代遺跡の調査とか使い道は多々あるな
[一言] 隠し通路とかも書き込まれるのかな
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