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第1話 <転生、そして異世界>

 ...目が覚めると俺は知らない天井を見ていた。

ここはどこなのかはわからないが、状況だけが理解できた。

そうだ...俺は.........転生したんだ。



第一話<転生、そして異世界>


俺は氷華伊緒、普通の日常を満喫してる普通の高校生だ。そんな普通な俺にも1つだけ普通じゃないことがある。それは...

「イ〜〜〜〜〜〜〜オ!!!」

 俺の名前を大声で呼ばれ、振り返ると勢いよく俺の腹へダイブしてきた。突撃された腹部と背中から倒れた衝撃で痛みを感じながら、胸元に少し柔らかさを感じる。

「おはよ〜♪」

「いつもやめろって言ってるだろ!”向日葵”!」

 彼女の名前は大空向日葵。老若男女問わず認める美女だ。成績はそこそこだが運動神経抜群で、すべての部活に参加していて優勝もしている人気者だ。そんな俺達のやり取りを見て、笑いながら歩み寄ってくる男がいた。

「お前らいつも元気だなぁ」

「笑ってる暇あるならこいつをどかしてくてよ、”一樹”」

 彼の名前は櫻木一樹。両親とも有名な俳優で、親譲りの整った顔をしていて、頭脳明晰で学年順位は毎回トップ。さらに生徒会長でみんなからの信頼も暑い。

 もうおわかりだろう。そう、ごく普通の俺が1つだけ普通じゃないことは、この2人が幼馴染ということだ。小学校からの付き合いの俺たちは中学、高校も同じなのだ。正直、優等生の2人に挟まれていたたまれないが、こんな日常に満足している。いつもと同じように話していつものように笑う、こんな日常が続けばいいと心の中で思いながら体を起こして今日も学校へ向かう。そんな毎日の今日、一変した。

 「キャー!」と大きな声が聞こえた。それは幼馴染2人がいつも浴びている黄色い声援じゃなかった。そんな声よりも、もっと恐れているような声だった。すぐさま後ろを振り向くとそこには、倒れ込む女性とこちらに向かって走ってきているフードを被った男がいた。男の手にはナイフのようなものを持っていた。

「こらぁ!ナイフなんて持ったらあぶないだろ!」

 ナイフを持った男に向かって走りだした向日葵を危ないと思い止めようとするが、もう俺の手の届かないところまでいってしまった。向日葵が刺される、そう思った瞬間男はギリギリで向日葵を避けこちらに走り続ける。

 俺はすぐに男の目的がわかった。あいつは一樹を刺そうとしている。その証拠に、男は一樹に一直線に走っている。あと少しで一樹に当たってしまう。その時、なぜか俺は一樹の前に立っていた。そして男の持っていたナイフが俺の胸に刺さった。

 体がどんどん熱くなっていく。言葉にならない痛みが体に走る。男は顔を真っ青にしてナイフを捨てて走り去っていった。

「おい!伊緒!しっかりしろ!」

「イオ!イオ!死んじゃやだよ!」

 あぁ...そっか、俺死ぬのか。体からどんどん力が抜けていくのがわかる。向日葵が体を揺らすがその感覚もだんだんとなくなっていく。

「...向日葵...一樹...2人と一緒にいれて...楽しかった...」

「なに最後みたいなこと言ってるんだよ!救急車も、もうすぐ来る!諦めるな!」

 大きな声で言う一樹に向かって、俺は笑顔を浮かべ最後の力を振り絞る。

「俺が死んでも...2人とも...仲良くしてろよな...」

 俺の言葉を聞いた2人は目から涙を流し始めた。向日葵は俺の顔を見ながら大きな声を出しながら泣き崩れ、一樹は下を見ながら静かに泣いていた。

 だんだんと2人の声が聞こえなくなっていく。そのまま俺は目を閉じて一生目覚めない眠りについた。


 と、俺は思ったが、目が覚めるとそこはなにもない真っ白な空間だった。

「ここは...どこだ?」

「ここは輪廻の狭間です」

 困惑している俺は背後からかけられた声にびっくりして急いで後ろを向いた。そこに立っていたのは...いや、そこにいたのはまばゆい光だった。困惑していた俺はさらに困惑した。

「困惑するのも無理ありません。ですが今はあまり時間がありません。手短にお話します」

 困惑している俺をおいて白い光は淡々と話していく。

「おわかりだと思いますが、あなたはすでに死んでしまっています。ですが元々はあなたは死ぬはずではありませんでした。なので、我々のような神々はあなたのような人を、違う異世界へ転生させることにしました。記憶はもとの世界のものを引き継ぐ事ができるの、で生活に問題ないと思いますのでご安心を」

 淡々と話すことが信じられず、俺は硬直していた。すこし間が空いたあとにやっと状況が理解でき質問しようとしたが、突如足元が光り始めた。

「もう時間です。あなたに祝福がありますことを」

 体が光に包まれ、そのまま眠りについてしまった。

  

 ...目が覚めると俺は知らない天井を見ていた。

ここがどこだかわからないが、状況だけが理解できた。

そうだ...俺は.........転生したんだ。  



 転生してから5年がたった。この5年でこの世界のことは大体わかった。

 まず、この世界は前の世界と違い、”魔法”と能力”がある。魔法はだれでも使えるらしく、7属性、5階級ある。属性は火、水、風、雷、土、光、闇があり、階級は下から、初級、中級、上級、超級、絶級がある。魔法は魔導書という物があり、今俺がいる家の書斎にもある。

 能力は持っている人、持ってない人がいるらしい。つまりはその人にしかない魔法のことだ。能力に階級はないが、属性は魔法と同じで7属性ある。そして能力には2つあり、”一般能力”と”家系能力”がある。一般能力は発現するのがランダムで、家系能力は家系で決まっている能力だ。まあ名前の通りだな。

 なぜこの世界には魔法などがあるかは書斎にある本に書いてあった。理由としては空気中に漂う”魔力”らしい。魔力はこの世界にある物質で、人の体内にもあり、その体内にある魔力を使うことによって魔法や能力を使えるようだ。 

 そしてもう1つ違うところがある。

「あぁ!やっぱりここにいたんですね。”レン”様」

 これまでの5年間をまとめていると、書斎の扉が開き、銀色の輝く髪をたなびかせ、猫のケモミミとしっぽを生やした小さな女の子が俺の名前を呼んだ。 

 そう、もう1つ違うところというのは、人間以外の様々な生き物と人間が共存共栄しているところだ。彼女のようにケモミミを生やした”獣人族”もそのうちの1つだ。

「昼食の準備ができましたよ」

「ん。ありがとう、”ルナ”」

 彼女の名前はルナ・ゼロニクス。俺が物心ついたときから一緒にいる子で、今は俺の専属メイドだ。彼女のの母は、領主である俺の父のメイドであり、俺の母と親しい友人だ。昔に自分の子を専属にすると約束を俺の母と約束していたらしく、その約束通りに、子であるルナを俺の専属メイドにしたようだ。

「前から言ってるけど、様はつけなくていいって」

「いえ、レン様は私のご主人さまなのですから、つけるのは当たり前です」

 毎度言うたびに、赫と蒼の綺麗なオッドアイで、「だめですか?」と訴えかけてくるので、ついつい許してしまう。 

 食卓につくとそこには、俺の父である”アノス・レグリア・シルケイグ”と母”ノース・レグリア・シルケイグ”、長男の”ラグス・レグリア・シルケイグ”と、次男の”マルク・レグリア・シルケイグ”が先に座っていた。

「遅かったな、レン」

「すみません、父様」

「いやいや、怒ってはいないから謝らなくていいよ。ただ、本を読み始めたら止まらないくせを、なんとかしないとだよ?」

「はい、すみません」

 転生前から本が好きだった俺は、もちろん転生後でも本が好きで、止まらないくせがあるので俺もなんとかしたいと自分でも思っている。

「まぁまぁ、ご飯が冷めちゃうからはやくいただきましょ」

 穏やかに言う母に従い、椅子に座り食事を取り始める。いつも笑いながら食事を取る風景は、いつみてもむずむずして心地よい。転生前は俺が小さい頃から両親が2人とも海外にいたので、食事はいつも一人だったから、なおむず痒い。 

 今度こそ、この日常をずっと暮らしていたい。そのためにはまずは力をつけてこの日常を守る、そう心に誓った。そして俺はこの異世界で静かに生き抜いて見せる。

この小説を読んでいただき、誠にありがとうございます。初投稿なので至らない点などがあるかもしれませんが、どうぞよろしくおねがいします。さて、第1話は転生した世界と家族構成をざっくりまとめた話になっておりますが、第2話からは、ちゃんとアクションをとり入れていきますので、またのご愛読、よろしくおねがいします。

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