《Trip1ー①》
申し訳無い。
少し短いです。
拙い文章ですが、御読みいただけたら幸いです。
と、気取ってみたものの、なにも定まらんままに歩むのも限界がある。
自分に何ができるんかも、何もわからんままに歩んでも、いずれは壁にぶち当たるやろう。
せやから、今何ができるんかを確認する為に、とりあえす自分の装備を確認してみることにする。
と、言ったところで、現状身に付けているのは、俺の趣味に合わせた黒を基調とした衣服に、腰の後ろのベルトに差した『木の棒』だけである。
『木の棒。初期特典装備。木製の棒』
見たまんまの解りきった答えを『知識』が答えてくる。
8ビット時代のド○クエかいって、大声で突っ込みたい。
ほんま、ただの嫌がらせの様な気がめっちゃするが、一応、ほんま一応転移時の特典やさかい、役に立つんやと思もとこう。
何となく固そうな材質ではありそうやし。
詳しい材質?
知らんがな。
例えば樫やら桧やら言われても、へぇー位しか言われへん。
長持ちしてくれたらええかなって思う位やな。
金属製の剣とか相手したら無理かもしれんが。
そう考えたら、やっぱり剣とかの方が良かったかな?
まぁ、現代社会でのうのうと生きてきた身としては、今さら『必要ならば、ここなら人を殺してもAll OK!!』と言われても、あっそーすかとは対応できん。
なら、いっそ非殺傷の木の棒の方が扱いやすいんかも知れんけど。
まぁ、おもいっきしどついたら、死んでまうこともあるんやろうけど、そん時はしゃーないと割り切ろう。
ここで一つ気が付いた。
俺、今眼鏡をしとらんやん。
ガキの頃は、両目共に1.5と良かったんやけど、仕事でパソコン触るようになったとたん、一気に悪くなってもうた。
幸い、老眼とは縁がなかったけど、おかげで眼鏡は手放せなくなった。
そやのに、裸眼で普通に全然見えとる。
コンタクト?
180cmのゴツい体しとるけど、こう見えて気が優しいんやで。
目に指突っ込むとか考えられん。
絶対に無理っ!
一つ気がつくと、他の事も気が付くもんや。
まず肩こりがなくなっている。
万年四十肩の痛みが、腕をぐるぐる回してみても、嘘のように軽くなっている。
他にも、腰と膝の違和感がなくなっている。
一度腰を痛めてから、気ぃ遣いながら過ごしていたが、思わずラジオ体操をしてしまう程、足腰が軽い。
後は、お腹周りを可愛く彩っていたぽっちゃりが、何故か綺麗に消え失せている。
さすがにsixpackとはいかんけど、それなりに腹筋が感じられる。
なんか若かりし頃に戻った気分♪
おっさん臭いと言うなかれ。
みんな50歳を過ぎれば、身体に大なり小なり何らかの不具合が出てくんねん。
胸に手ぇ当てて、思い返してみ?
そんな品行方正に生きとらんやろ?
まぁ、真面目に生きとっても、いわす時はどーやったっていわすねんけど。
まぁあの神さんらしき男は、『健康な身体』ってやつをくれたってことやろ。
この分やと高血圧も治ってそうや。
ありがたや、ありがたや。
ってか、まず地に足をつける意味では、今どこに居るかを知っとくべきか?
『現在地はフェルメズム大陸のオルクリズド王国の南東、マルズベルク公爵領の東、サタムの森周辺です。
因みに、進行方向に人間の集落は、海を越えても存在しません。』
……そういう情報は、できるだけ早く言ってもらいたいんやけどね。
俺だけに聞こえる声やし、周囲に誰も居らんけど、ちょっと恥ずかしい。
そやけど、一つ新たに解った事がある。
『何をすべきか?』といった漠然とした疑問には反応しなかった『知識』やが、『どこに居んねん?』といった明確な問いかけに対しては、確実な答えを返してきた。
つまり、この『知識』を活用するためには、明確な答えを求める必要があるって事や。
後は何処までの問いに答えてくれるかやが、さてどやさ?
『案内人』も兼称するするぐらいやから、生きていく上で必要な事位は答えてくれるかも知れんが、例えば世界の真理とかは無理かもしれん。
実際に、今その真理について考えとるけど、今ん所『知識』は発動していない。
ちゅう事は、答えてくれん問いもあると思といた方がよさそうや。
せめて、某国民的SF格闘漫画の戦闘力測定器の如く、相対する者の強さ位はわかったらええねんけど……
『相手を目視する事ができれば、ある程度は可能です。』
まじ、ス○ウターかいっ!
一応平和主義で生きるつもりやけど、しゃぁない場合は身ぃ守る戦いだけでなく、逃げるという選択肢も取りやすくなるさかい、これはありがたい。
けど逆を言えば、この世界では戦う可能性が有るという事でもある。
それはそのまま、死ぬ可能性が高いという事に繋がっていく。
ほな、俺はどの程度戦えるんやろうか?
『現在の戦闘レベルは13です。』
いや、レベルで言われても解らんしっ!!
もう少し分かりやすく教えてぇや。
『一般的に、戦闘に関する職業に従事する者のレベルが10前後なので、その中でも上位に位置すると言えます。』
なるほど。
まぁ上には上が居るんやろうけど、そこそこはやれるっちゅう事は解った。
ほな、そのレベルを上げる事はできるん?
『戦闘を行い、生き残ることができた場合、もしくは戦闘に関する技術を修得することができれば、レベルが上がることがあります。』
ほうほう。
という事は、俺が13という中途半端な数字である以上、それ以上の数字が存在し、途方もなく強い奴も居るっちゅう事やな。
まぁ、ケンカ売りまくって生きるつもりはあらへんけど、注意しとこう。
んで、話を戻すが、異世界迷子となった事が解った身としては、どこに向かうのが正解なんやろう?
気付けば夕日もほぼ沈み、逢魔ヶ刻の光が周囲を包んでおり、そろそろ寝床を考えなならん。
それにぼちぼち空腹を覚えてきたし、先立つ銭もありゃしない。
まぁ、銭があったとしても、なんか食いもんが買える状況ではありゃせんが。
さて、どーしたもんかいな?
『左、10時の方向、森の近くの街道沿いに生体反応があります。数は8。反応から人族であると推測されます。』
おぉ、第一村人ならぬ、第一異世界人発見!
まぁこの場合、俺の方が異世界人なんやろうけどね。
俺はそっちに向かって、歩みを進めた。
さて、どんな出会いが待っていることやら。
流石に、こんな場合は人見知りとか言うてられんしね。
この出会いから、この世界での生活を始めよう。
『生体反応が7になりました。』
……なんか果てしなく嫌な予感がするが。
《See you next trip》
御読み頂き、ありがとうございます。
感想等を頂けたら望外の喜びですが、
当方とうふのメンタルですので、
御手柔らかにお願い申し上げます。




