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053 復 活


【86日目 オーバル公国 魔境に隣接する最南部 午前1時】


 ジェダイトでもそうだだけど居住街区には城壁は無いことが多い。オーバルのこの居住区でも柵の壁もなかった。深夜ということもあって立ち寄らないので関係はないのだけれども。


 私以下13名は4時間走り続けてオーバル公国最南部と思しき人類居住地と思われる建物群に接近していた。魔境から脱出しているのか、脱出していないのかよく分からないため居住地が見つかるまで走り続けた訳です。


 深夜の長距離走行もここのところ昼夜逆転の生活だから別に負担じゃないし、しっかりと人類領域に入ってから休憩した方が安全だと思うからね。





 街道があれば街道傍で休憩ということで、居住街区を東側から回り込むように南北に走っている街道を探している。ーーあった!





 見つけた街道を10分ほど北に進むと街道脇に平坦で休憩に具合の良さそうな広場があったのでそこで4時間ぶりの休憩とする。基本的にはオーバルはジェダイトの支配領域だけどジェダイト程に竜の信者は居ないと思うんだよね。でもオーバルには特に用も無いので睡眠や食事のための休憩をとる以外は今まで通りに夜間の高速移動でオーバル支配領域を突っ切っていく予定なのだ。











 休憩の冒頭でみんなに宣言する。


「お疲れ〜。ちょっとやりたいことあってね。神力を満タンにしたいんだ。ここで4時間は待機したいからゆっくりしてくれる? マイホームとフィリッポホーム開口部展開!

悪いけど食事の用意お願い」





「お姉さま。何か重要なことですか?」



 マルチナ妹は自然に私の左腕を右手で抱え込んでピタッとくっついてくれる。



「うん。ありがと。もっとこっちに寄ってくれる? そうそう。あーほっとする。最高だー♪ なんでだろうね。心が癒される。マルチナはどうなの? ホッとする?」


「アタシはね。凄い幸せな気持ちが湧き出してくるんだよ。不思議だね? 違う宇宙にいたんでしょ? しかも男性だって」


「そうだよねーホント不思議。でも今はこの体と心の中にはマルチナさんが住んでいるんだ。今の私はほとんどマルチナさんで出来ているんだよ。だからこうやってピタッとくっつくのが自然なんだ」


「うん。そうかもね。で、何やるの?」


「ああ、ごめんよ。これはね、イースさんに関係あることなのさ。丁度いい。アリアンナさん、イースさん呼んでくれる? ちょっとお話があります」









「この一ヶ月ほど考えてたんだ。イースさんみたいな現地神と私の違い。イースさんはなぜ神の力に目覚めたのか。神さまから転写してもらえた知識にはその答えがなくてさ。それが分かればイースさんが失った力を復活できるのでは? って思った訳」


「ホント? 流石は本物の神。しかも神の中の神である時空神。いつかはこんなお話があるのではと密かに期待しておりました。ありがとうございます♪」


「そうなんだ。凄い予測能力だね」


「まあね。6000年は伊達じゃないよ?

理由はね、あと1年経ったら私の寿命をなんとかするって言ってたじゃない?

だから一年後は復活できるだろうなーって思ってた訳よ。だって寿命をいじるって生命の根源的な改変だよ? それに比べればアタシの能力の復活如き小さい小さいってのがアタシの推測。合ってる?」


「うん合ってるよ。1年後ならなんの問題もない。出来ます。可能です。

ただね、亜神(火竜)アエロステオンや亜神(闇竜)タタウイネアの事があるから1年も待っていられない。今の力でなんとかしたかったんだよ。そうなるとさっき言ったような事の理解が必要なんだ」


「お姉さまはその事で悩んでたのね。教えてくれればいいのに」




「ごめんね。今だから言葉で説明できるけど

纏まるまではもやもやしててね? 何が課題で問題かもよく分かってなかったんだ。


「でね。この世界の魔術ってのはね、標準宇宙の基本構造に後付けされたもので、その大元は神力なのさ。


「時空間操作、エネルギー操作、ベクトル操作、物質創造、生命体干渉、精神構造体干渉そして神域干渉。この神技を組み合わせて、ごく弱い力で行使できるようにパッケージ化したものが魔術なんだ。魔術を使うってことはパッケージ化された神の力を使っているというわけで。


「だから魔術を長期間使用し続けると神力を使う回路が精神構造体にできてしまう事がある。5000年のイースさんのようにね。


「だから精神構造体干渉と時空間操作を使って5000年前の神力を操作する回路を復活させる」




「ん? 1年後なら簡単に出来ることを無理やりに急いでやるように聞こえたけど?」


「あ わかった? さすが6000年は伊達じゃないね。悪いけどその通りなんだよ。お願い。復活させて?」


「流石に簡単にウンとは言えないよ。理由を言ってよ。理由聞いちゃったらウンと言わざるを得ないかもだけど一応ね。形としては必要でしょ?」


「まあね。亜神(火竜)アエロステオンや亜神(闇竜)タタウイネアは一年以内に私を滅ぼすつもりだし、そのために竜の信者を使って私や私の周辺に奇襲攻撃をかけてくると思う」


「うん」


「私の世界アースの経験からすると、狙われ続けるといつかは守りをすり抜けて攻撃が当たる。

そして私には守るべき関係者が多い。ジェダイトやアレキサンドライト国民を人質にするような作戦を取られたら私たちだけでは守りきれないと思っている。それほど竜の信者は浸透している」


「うん」


「強化カラス飛行隊では守れるものと守れないものがある。人に紛れ潜んでくる攻撃はカラスには厳しい」


「それで?」


「イースさんが神託を使って恩恵を与えて、イースの信者たちが数にものを言わせて人間社会を広く守れるようにしてほしい。神殿や教会組織を使って大陸中に既にあるネットワークを使って網の目のようにイース信者の盾を展開してほしい。要するにイース信者に竜の信者に対抗して欲しいんだ」


「もし私が竜に敗れれば。イースさんの寿命リセットは出来なくなって。この世界は最良のケースでもゆっくりと魔境に飲み込まれていく事になるでしょう?

ハッキリ言ってさっき存在が明らかになったようなタンニーンみたいな大悪魔が巣食う魔境は人類にはどうしようもないよ。大悪魔タンニーン? 亜神(火竜)アエロステオンや亜神(闇竜)タタウイネアに匹敵するバケモノだろうね」




「分かったよ。神の力。復活してくれる? アタシがイース軍団を編成して竜の信者共を根刮ぎにしてやりますよ。任せなさい。私の出来ない恩恵の付与は手伝ってよ?」


「うん、大丈夫。任せて」




「まー、悪い話しじゃないっていうか。その提案乗りますよ。じゃあと4時間くらい待てば良いのね。それまでホームに入ってるね」


「よろしく」








【86日目 オーバル公国 魔境に隣接する最南部 午前5時】



 ではイースさんの復活をーー


 5000年の女神イースに戻すーー精神構造体干渉 及び時空間操作ーー





名前 イース

種族 人(女性) 

年齢 6011(身体年齢12)体力G魔力D

魔法 水弾7光弾7土弾7風弾7火弾6

   闇弾5回復5睡眠5ステータス5

   暗視5遠視5隠密5浄化5結界5

   探知5魔法防御6念話5飛行5

   神託5睡眠5魔獣調教1

身体強化 筋力7持久力5衝撃耐性5

   睡眠耐性7麻痺耐性7毒耐性5

   反応速度5防御7老化緩和6

神技 時空間操作Pエネルギー操作M

   ベクトル操作Q物質創造R

   生命体干渉K精神構造干渉K

   神域干渉K

称号 亜神  魔物の調教師








 これで戻ったかな?


名前 イース

種族 人(女性) 

年齢 6011(身体年齢12)体力G魔力D

魔法 水弾7光弾7土弾7風弾7火弾6

   闇弾5回復5睡眠5ステータス5

   暗視5遠視5隠密5浄化5結界5

   探知5魔法防御6念話5飛行5

   神託5睡眠5魔獣調教1

身体強化 筋力7持久力5衝撃耐性5

   睡眠耐性7麻痺耐性7毒耐性5

   反応速度5防御7老化緩和6

神技 時空間操作Pエネルギー操作M

   ベクトル操作Q物質創造R

   生命体干渉H精神構造干渉H

   神域干渉H

称号 亜神  魔物の調教師

   亜神(時空)アリスの従属神



「イースさんどうかな? 一応元に戻ったと思うけど」


「うん。なんか戻った気がする。これなら神託と転写ができるような。試しに大聖堂の巫女達の神託を強化してみるか。まずはーー」





♢♢♢♢





 その頃。オーバル公国の魔境に隣接する最南部から北へおよそ400km離れたアレキサンドライト帝都の隣。教皇庁大聖堂の最奥。


 大聖堂の巫女であり一般的には女神イース様の御使いの「聖女」様と呼ばれることもある女性達。彼女たちふたりの巫女は何時ものようにその勤めを果たしていた。


 その時、神石の輝きが突如大きくなった!




……神託を授ける……私は女神イース


……ハッ!! ははー! 謹んで いただきますー




 神石の輝きは消える。しかし巫女達は驚愕した。自分たちが神託5と念話5を持っていることをステータス5によって認識できたからである。




 更に大聖堂に詰めていなかった巫女たち4名までもが神託5念話5ステータス5を得たのであった。



 翌日の大聖堂と教皇庁は大騒ぎとなった。






♢♢♢♢






「うん。できたね。修復されたうえ強化された神託を繋ぐ能力と魔術転写能力。昔と同等以上だよ。ありがとうございますアリス様」


「良かったよ。これで女神イース軍団の誕生も近いかな? 期待してますよ女神様」




「ーーそしてアタシはアリス様の従属神になったみたいね? 聞いてないんですけど?」


「え? ちょっと待って」



名前 アリス・コーディ(有朱宏治)

種族 亜神(時空) 人(女性)

年齢 0歳(身体年齢15歳)

体力 G

神力 G

神技 時空間操作Aエネルギー操作G

   ベクトル操作G物質創造G

   生命体干渉G精神構造干渉G

   神域干渉G

称号 神の自覚 使徒を得る

   聖地を得る 司祭を得る

   巫女を得る 聖女を得る

   従属神イースの主神



「ああ。ほうほう。なるほどなるほど。こんなことあるんだね。勉強になるよ」


「どういうことよ?」


「さあ? 私もビックリだよ。こんな事になるなんて知らなかったなー。

でもよくよく考えれば私がイースさんに神の力を与えたと言ってもおかしくないからある意味当然? なんか具体的な効果があればおいおい分かるでしょう。分かったら教えて?」


「はあ。分かったよ。主神だからと言って変なことしないでよ?」


「分かってるって。もう日の出だから今日は休みますか。お疲れー」




次話 054 オプシディアン公都

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