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お題シリーズ

面倒勇者

作者: 仲仁へび
掲載日:2021/03/24



 目の前で勇者が寝ころんでいる。

 けれど、遠くからは魔物の唸り声が大合唱状態。


 しかし俺の前の前にいるこの勇者は、護衛の騎士が建てた野営テントの中から、動くつもりがないようだ。


「ああ、めんどくせぇ」


 勇者が面倒くさがったらだめだろうが!


 心の底からこんな事はしたくないけど、俺はやむなく寝ころんでいる勇者の頭をはたいた。


「いいから働け! この面倒勇者!」

「えーやだよ。他の奴がやれよ。別に俺じゃなくてもあの程度の雑魚倒せるだろ」


 聞こえてくるのは、ここら辺に生息している低級の魔物だ。


 普通の兵士でも、数分あればさくっと倒せだろう。


 しかし。


「勇者が魔物退治でしぶってる、なんて噂が経ったら大変だろうが!」

「何が大変なんだよ。俺に対する労働が少なくなって万々歳だろー」


 こいつはメンツってもんを気にしないのか。

 人の目なんてなんのその、みたいな様子で寝返りをうつ。

 魔物の合唱は子守歌じゃないぞ! くつろぐな!


「臆病者だと思われても良いのか?」

「別にいんじゃねー?」

「小さな子供に、ゆびさされてクソ雑魚とか言われてもかよ」

「言わせとけ言わせとけ、人がどう思うかは重要じゃない。大事なのは自分がどう思うかだってな」


 そのセリフ、こんなシチュエーションで聞きたくなかった。

 字面が立派でも、光景が最低だ!


 こうなったら、あの手だ。


「勇者が働かないと、国から資金が援助されなくなる。すると人の金で酒がのめなくなるぞ!」

「よし、魔物だな。何をやっているさっさと人類の敵を倒しに行くぞ」


 すくっと立ち上がった勇者は、頼もしい微笑みをひっさげて、テントを出ていった。


 やる気を出すツボが、酒ってなんだよ。


 普通、人の笑顔とか平和とかだろ。


 勇者、失格じゃねーか。


 面倒勇者が、遠くから俺を呼んでいる。


「おーい、早くこい。酒がのめなくなっちまうだろ」

「ったく、調子いいんだから」



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