生と滅びの形
綺麗なさび
氷柱の中の苔
琥珀の中の蟻
苔生してうろの空いた桜
昔の試験用紙で折った鶴
青さびの浮いた樋
瓶に積もった赤茶の硬貨
漆の禿げた盆
生と滅びが形成すもの
人々の生と共に年経るもの
羽毛の吹き溜まり
白く乾いた骨
生が滅びた後のもの
時が止まったかのようなものや滅びの過程にあるもの、そしてその名残り。
忘れたような時の流れが目に映り、気づかず過ぎて行くものが見えるとき、わたしたちは何を感じているのだろう。
生きた姿で動きをとめた美しさか、生と滅びがせめぎ合う理か、同じ時を生きる自分か。
消え去らずに何万年何億年も地層に埋まって姿を留めたものたち。今の私がどんな形を残すかな。