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歩けば何処かに辿り着く  作者: 河内 胡瓜
新拠点
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01-77.実験

遅くなりました。


ナカナカ時間が取れません。。。

ギルド公認武器屋で買った、

鉈とハンマーのセット。


まずは慣れることから始めよう。

練習できる場所なんてあるかな?

冒険者ギルドでテキトーなクエストでも

受注しようかな。

でも、勝手に受けられないし、

ヘルミオネさんに相談だな。


あ。一筆書いてくれるって言ってた、

スキル鑑定士の件も

聞くの忘れて出てきちゃった。

また戻るか。

二度手間だな・・・。


考えて動こうと思っていたのに、

ままならないなぁ。


まぁ。効率を突き詰めるには、

まだ手応えが足りない気がする。

何て言うかな。こう・・・

何かそんなヤツ!!


─────


ギルドホールに戻ると、

カウンターにヘルミオネさんがいた。

丁度休憩が終わったところらしい。


「ヘルミオネさん!」


「お。帰ってきたね。アータルくん。

 きっと戻ってくると思っていたよ。」


少々芝居がかった口調で言う

ヘルミオネさん。


「ごめんなさい。

 ヘルミオネさんの言葉で、

 やらないといけないことを

 思い出しちゃって。」


「ソ、レ・・・ね?」


と、オレの持っているナタとハンマーを

指差す。


「そうなんです。

 これの練習できる

 イイ場所、ありませんか?」


「うーん。ナタとハンマーね。

 大工仕事じゃないよね?」


「はい。魔物との戦闘で使おうかと。」


「面白いこと考えるね。」


「いや。武器屋の人が勧めてくれて。」


「へー。あの人が?

 珍しいこともあるもんだ。」


「そうなんですか?」


「ま。いいか。

 そうねぇ。

 実践に勝る経験はないって言うから、

 採取のクエストを受けて、

 何かで試してみなさいな。」


と、クエストボードを指す。


「ありがとうございます。

 じゃあ、あとで調べて持ってきますね。

 念のため、大丈夫な依頼か

 確認したいですから。」


と、ヘルミオネさんが書類で顔を隠す。


「どうしたんですか?

 ヘルミオネさん」


「ごめんね。

 言ってなかったけど、

 依頼受付カウンターで確認しているから、

 契約を破るような依頼は、受理されないの。」


「え!?」


「ごめんね。

 あんなに泣くなんて思わなかった。

 でも・・・可愛かったよ?」


「そんなフォローいらいないやい!」


ついムキになってしまったが、

ヘルミオネさんは、


「キュンと来たよ?」


と、フォローじゃないフォローしか

してくれない。

とりあえず、この気持ちは

あとで整理しよう。


「あ。スキル鑑定士」


「あ。アータルくんをからかうのに夢中で

 すっかり忘れてた。」


ポンッと両手を叩きながら言う。

からかっていたのね。やっぱり。


「はい。これ。」


と、封筒を渡してくれる。

裏を返すとギルドの封蝋(シール)

ちゃんと貼ってある。


「一応、紹介状としては書いてみたけど、

 どれだけ効果があるか分からないのよね。」


「面倒な人なんですよね?」


「面倒・・・って言うと、

 誤解があるかなぁ。

 面白いおじいちゃんね。」


「おじいちゃん・・・。」


オレはてっきり、

オレに鑑定スキルを教えた(覚えさせた)、

あの若いスキル鑑定士(女性)みたいな

人かと思っていたんだけど、

当てが外れた。


「あれ?

 おじいちゃんと聞いて

 ちょっとガッカリした?」


「そ、そんなことないです!」


「ふーん・・・?」


「からかうの、もうやめてくださいよ。」


「ごめんね。

 なんか、顔をみると、

 からかいたくなっちゃうんだよね。

 アータルくん。」


「次は顔を隠して来ます。」


「拗ねないでって。

 かわいい顔よ?」


「もう。

 そのスキル鑑定しのおじいさんは、

 どんな方なんですか?」


「そうねぇ。

 この街の冒険者ギルドの公認の

 スキル鑑定士の一人なんだけど、

 選り好みが激しいのよね。

 気に入った人には良いアドバイスを

 くれるんだけど、

 気に入らないと・・・ね。」


「ずいぶん、溜めますね。」


「ま。失敗を恐れたら、先に進めないよ。

 アータルくん。

 当たって砕け散れ!だよ。」


「砕け散ったら絶対元に戻りませんよね?」


「ガレキを片付ける手間が減るじゃない?」


「そ、そうかも。

 ・・・なーんて納得しませんよ!」


「ノリが悪いな。アータルくんは。」


「あのー。

 惚気話なら他でやってくれませんか?」


いつの間にか、オレの後ろに列ができていて

待っている人がたくさんいた。


「ご、ごめんなさい!今すぐ。」


慌てて謝ってしまう。

日本人気質が抜けない。


「ヘルミオネさん。

 ありがとうございます。

 頑張ります。」


「はいはい。応援してるからねー。」


オレは手を振って、クエストボードに急いだ。


────


実践とは何だろう。

お昼を過ぎて半日くらいで済むであろう、

採取クエストをこなしている。


必要な薬草は揃った。

少し長持ちするヤツだから、問題ない。


で、武器の練習をしようかなってところだ。


長剣はギルドに預けてきた。

武器や道具を預けられるの、

スゴく便利だ。

でも期限があってそれを越えると、

オークション形式のセリに掛けられるそうだ。


その辺もヘルミオネさんに聞いておけば

良かった。


薬草の入った袋を横に置いて、

まずは素振りからしてみよう。


基本的には二刀流だ。

二刀流。なんかカッコいい響きじゃないか。

右手でナタを持って、

左手にハンマーを持つ。


ハンマーはちょっと柄の部分が長いヤツだ。

先にナタを相手に振り下ろして、

そこをハンマーでぶっ叩く。


そうすると、

見事パッカリ割れるってワケだ。

トレントとかが。


・・・頭ではイメージできるけど、

そんなにうまく行くかな?


最初からナタだと怖いので、

そこらにあった、太めの枝を代用する。

切り株目掛けて、

太い枝を振り下ろし、

それをハンマーでぶっ叩く!


・・・間合いが分からない。

そして、自分はそんなに

器用じゃないのに気付く。


これ、刃が付いているナタでやったら、

間違いなく右足ケガする。


二刀流だと、安定しないんだ。

と、言うことで、

両手でナタを持ち振り下ろし、

一歩引いてから、再度踏み込み、

ハンマーを振り下ろす。

・・・なら練習ならできた。


これ、傍目には

必殺技を考えている子供に

見えないだろうか。


妄想が走って、

手から怪しい光線が出たり、

ジャンプキックが有り得ない威力持ってたり。


実際に使ってみないと、

分からない。

この姿を笑われるのはまだいいけど、

カッコだけで役に立たないのは避けたい。

お金掛かっているし。


ゴブリンあたりが出てこないかなー。

でもゴブリンだとイマイチ試せないなぁ。

などと考えながら、

あーでもない、こーでもないと

ナタとハンマーを振る。


 ギャァギャャギャァ


急に近くの木から、鳥たちが飛び立つ。

あ。これ、フラグ的なヤツだ。


すると森の奥の方から、

バキバキと小枝を踏む音と、

ガサガサ下草を踏み分ける音がしてきた。


息を切らして現れたのは、

二人組の冒険者だった。

オッサンにオッサン。


皮の鎧に、一人は折れた槍、

もう一人は折れた剣を持っている。

それ、捨てればイイのに。


見通しのイイ場所に出たのに焦ってか、

折れた武器を手に振り返る。


・・・と、

その後ろから黒い影が飛び出し、

二人の姿を見つけると、

後ろ足で立ち上がる。


 Ghwooo!


聞き覚えがある吠え声。

あ。やっぱりオレ、

なんかクマ的なサムシングに取り憑かれてるわ。

絶対。


────


オッサンたちの足はガクガクで、

折れた武器がガタガタ言っている。


「逃げろー!!」


オレが声を掛けながら、

グリズリーにナタを振り下ろし、

オッサンたちとグリズリーの間に

場所を取る。


あ。これって獲物の横取りかな?

と、思って後ろをちょっと見ると、

オッサンたちは尻餅をついてる。


マズいなぁ。

勝手に割り込んじゃったけど、

後々揉め事になるんじゃないか?

しまったなぁ。


グリズリーに視点を戻すと、

手足を地面に付いて、

こちらを見ている。


グリズリー自体は血まみれで、

背中に折れた剣が刺さっている。


イヤに冷静な自分に気付く。

たくさん会ったからかな。

今日、オレ死ぬんじゃないかな。

気を抜いて。


 フゥー


深呼吸をして、落ち着く。

獲物の横取りでもいいや。

後でなんとかしよう。


もうグリズリーと向き合っているし、

ドウゾドウゾってオッサンたちに

譲れることもない。


グリズリーがユックリ歩き始める。

こちらに左側を向け、目線は外さない。


かなり怒っているよな。

・・・まったく。なんて日だ!

用語説明:

・何かそんなヤツ

思考停止しているヤツ。


・クエストボード

冒険者ギルドが斡旋する依頼(クエスト)

ところ狭しと並んでる。

この(ウルワン)では一人用と多人数用で分かれている。


・依頼受付カウンター

略称:受付カウンター

依頼を受けられるATMみたいな外見だけど、

後ろが壁。絶対誰か入っている。


封蝋(シール)

見られたくない公式の手紙に押す、

蝋に印章で跡を付けたもの。


・あの若い鑑定士(女性)

何を期待しているんだか。

メリーちゃん「私のことですよね?」


・オークション、セリ

競売の一種


・トレント

樹の魔物


・グリズリー

熊の魔物

────

8/26の更新は無理そうです。

残念。。。

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