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歩けば何処かに辿り着く  作者: 河内 胡瓜
整理
29/274

01-25.悪あがき

いつもありがとうございます!

「今日はもう終わりだよ。」

 

今日もオレは、何の成果もあげられないまま

常緑亭に戻った。


歓楽街は、煌々と灯りがともって、

これから!って雰囲気だ。

その中をトボトボ歩く。


明後日はまた、七番組のメンバーと

"草狩り場"に行くことになってる。


このままだと何も変わらない。

明日こそは冒険者ギルドで相談してみよう。


―――


「おーす。"腰ミノ"くん。

 今日は、マニはいないよー。」


ギルドがごった返す時間を避けて行ったら、

けしからんオネーサンは居なかった。


代わりに居たのは元気な女の子。

背はオレよりも もちろん高いが、けしからんオネーサン(マニ)や、眼鏡上司よりは低い感じ。

どっかで会ったことあったかなー?


「その顔は忘れちゃったって顔だねー。

 お姉さんは悲しいなぁ。

 一緒に朝ごはん食べよーって

 声掛けたの忘れたー?」


 ?


思い出せない。

そんなことあったっけ?

まっ。いっか。


「スキルについて相談したいんですが?」


「んー。残念ねー。

 鑑定士団の方々は、

 次の街へ移動しちゃったわよ。

 簡単なことなら、

 私でもアドバイス位はできるかも。」


「それで良いので、相談させてください。」


「わかった。

 "腰ミノ"くんの頼みだもん。聞いちゃう。」


「良かった。

 まず質問が2つあります。」


・魔法ってスキルですか?

・鑑定スキルって受けると気付きますか?


「フムフム。

 私の知ってる範囲で応えるね。」


と言って人差し指を立てて説明してくれる。


・魔法はスキルに数えられる。

体力回復魔法(ヒール)とか、

火属性魔法(ファイア)とか。

括りは良く分からない。

宗派(?)によって違うらしい。


・鑑定されたことに気付くかは良く分からない。

鑑定スキルは習得できる人が少なくて謎が多く、

良く分からない。

相手が魔法の素養があると、

気付かれることもあると聞いたことがある。


「なるほどー。」


「鑑定士になりたいの?」


「いえ。オレたち新人の最終試験は、

 対人になってくるだろうから、それに備えて。」


目の前の女の子は、胸の前で手を合わせて、

「まぁ」って顔している。

そしてカウンターをよじ登って、オレの頭を撫でる。

されるがまま。


「他に聞きたいことはないの?」


鴉の爪(レイブンクロー)について聞いても良いですか?」


オレは思わず小声になる。

すると、女の子は胸元からペンと紙を取り出して、

一心不乱に何かを書き始めた。


 カリカリカリッ


オレからはカウンターやその先は見えないので、

何してるか分からないが、ペンの音が聞こえる。


そして紙を渡された。

これはあとで開けってことだよね。


「他には、ないかな?」


オレは最後に一番知りたかった話をする。


「魔法を発動するためには何が必要ですか?」


「そうねぇ。

 魔法は集中力(コンセントレーション)って

 良く言われるけど、私もそう思う。

 魔法使いの方は研ぎ澄まされた、

 スキのなさみたいのを感じるし、

 真っ直ぐ一途な人に向いてるんじゃないかな?

 あとは慣れって聞くけど。」


「慣れかー」


「何か感覚があるんだと思うよ。

 急に使えるようになる人もいるし。

 可能性はあるから頑張ってね!」


それと・・・ここだけの話・・・

と顔を近づけてきた。


「今日はギルドカード確認しなかったけど、

 普通は確認するからね。

 スキルとかレベルとかは隠せるから、

 設定しておきなね。

 カードをオデコにくっつけると変えられるから。

 モチロン他の人のは変えられないよ。」


知らなかった・・・。


――――


部屋(馬小屋)に戻ったオレはまず、

ギルドカードの設定を始める。

銀色のカードをオデコにくっ付けて・・・


そうすると色んな情報が入ってくる。


―――――――――――――――――――――――――――――

 名前:アータル

 職業:素人(ノービス)

 所属:白梟(ホワイトオウル)(仮

 別名:"腰ミノ"

スタイル:近接、物理

 許容量:20

・・・・・・

 ユニークスキル:"蛮族の好奇心"(★12)

 スキル:

 ・剣術の心得:C-(★2)

 ・鑑定:C-(★5)

 ・劣化光魔法の初歩:C-(★1)

・・・・・・

―――――――――――――――――――――――――――――


あれ?え!?

付いてる!"劣化光魔法の初歩"ってスキルが。

え。でも、ギルドカードの表面には書いてないよ?


他のヤツは鑑定の時に手に入れたヤツだ。

そして鑑定が付いたとき、

ギルドカードが光った気がしたけど・・・

この"劣化光魔法の初歩"の時は光ってなかったよね?

しかも、"劣化"って何??

どう言うことか分からん!


頭の中でスキルを思い浮かべると、

"ON/OFF"スイッチが思い浮かぶ。


ON!


額からカードを離して、表面を見てみる。

表示された!

これで魔法を使えば、発動したりするかな?

初歩の初歩、灯りをともす魔法を

ドキドキしながら唱える。


「・・・lux!」


 シーン


「何も起きないのかい!」


思わずツッコんでしまった。

そうだよなー。

そんな簡単に行くわけないんだよなー。


さっきのON/OFFは、表示するかしないかなんだろうな。

ギルドカードを額に当て、"劣化光魔法の初歩"と、

ついでに"鑑定"をOFFにする。


オデコからギルドカードを離し見てみると、

確かに"剣術の初歩"だけで、2つとも表示されてない。

壁に対して"鑑定"を使ってみる。


――――――――――

馬房の壁

掃除されて意外と綺麗。

――――――――――


感想かよ!「意外と」ってなんだよ!

結構気を遣って掃除してるぞ!!

・・・じゃなかった。

"鑑定"は、ちゃんと使えた。


ギルドカードの表示と使える、使えないは別なのかー。

せっかく魔法発動の取っ掛かりを

見つけたと思ったのになー。


寝床に寝っ転がる。

藁は最近変えたのでまだお日さまの匂いがする。

うーん。全然うまく行かないなー。


寝っ転がってもう一度オデコにギルドカードを置く。

外はポカポカと暖かい。

オデコにのせたギルドカードは、

ヒンヤリ冷たくて気持ちいい。


うーん!


大きく伸びをする。

あぁ。眠くなってきた・・・っておい!


危ない。時間をムダにするところだった。

ん?待てよ。


思い付いたので、やってみる。


「lux!」


天井に向かって伸ばした手から、

弱々しいが光の玉が出て暫くして消えた!


「できた・・・。」


あれだけ苦労して何度も何度も練習して、

バアサンからは


「アンタはホント、才能の欠片もないのー」


とか言われて、

夢にまで出てきてうなされたのに、

全然チカッともしなかった魔法が

今、まさに発動した!


起き上がって、

オデコから落ちてきたギルドカードを受け止める。

そしてもう一度・・・


「lux!」


出ない?!

え。何?なんで?!

色々試行錯誤を繰り返す。


そして、法則性を見つけた!

オデコにギルドカードをくっ付けると使える!!


・・・良く考えると、

タヌキやキツネが化ける時に、

頭に葉っぱをのせるのみたいだな・・・。


でも、発動する!!

何か分からないけど。原理は分からないけど!


そのあとも色々試行錯誤する。

頭の上に乗せたり、身体に貼ったり。

オデコからちょっと離してみたり。


離しても使えるな・・・。

でも、2、3センチくらい??

オレの指3本分は無理だった。

でも、発動できるんだ。オレ。


ずっとこのままだと困るけど、

今までやってきた努力が実った気がして

スゴい嬉しい。

達成感ってヤツかな。

実際は達成してないけど。

才能ないかも、絶対できないかもって

ウジウジ悩む必要はなくなった!


・・・あ。そうだ。興奮して忘れてた。

あのお姉さん(?)にメモを貰ったんだった。

藁半紙を開く。


――――――――――

鴉の爪(レイブンクロー)は、

白梟(ホワイトオウル)の幹部メンバーが元いたチーム。

分離独立した理由は不明。

そのため鴉の爪(レイブンクロー)側からは、

相当の恨みを買っている。

ギルドホールで迂闊に名前を出すと、

争いの元になるので、注意されたし。

――――――――――


白梟(ホワイトオウル)は、鴉の爪(レイブンクロー)から、分離独立したチームだったのか・・・。

何でそんなことしたんだろうな。

大きいチームになったらそりゃ

管理するのが大変だからとかで分裂するのかね。

でも、"相当の恨み"ってなんだろうな。

ラーメン屋とかでのれん分けする時に、

こっちが元祖だ、いやこっちが本家だとか

揉めるやつかな?


でも、白梟(ホワイトオウル)は、名前変えてるし。

当初は"元祖鴉の爪!"とかだったのかなー。

ま。本当のところは分からないけど。


あと、ちょっと気になったので、

メモを"鑑定"してみる。


何らかのヒントが込められてたりして、

役に立っちゃうヤーツかもしれないし。


――――――――――

手書きのメモ

スゴく良い香りがする。

――――――――――


うん。"鑑定"さん、全然仕事してくれません。

用語説明:

・元気な女の子

冒険者ギルドの受付嬢。いい匂いがする。


・光魔法の初歩

光魔法のうち、詠唱が無かったり、短かったりするものを使えるようになるスキル。


・劣化光魔法の初歩

何が劣化してるのかは謎。

そしてギルドカードに出てきたのも謎(アータル談)


─────

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