0-0.プロローグ
初投稿です。よろしくお願いします!
私は、荒野にいた。
赤茶けた土にまばらに生えた緑。
遠くには、ゴツゴツとした岩山が続いている。
極々たまにではあるが、
鑑定スキルが会心の出来の場合、
鑑定対象の心象風景と言うか、
スキルのイメージに入り込むことがある。
そういう意味では
これは大成功なのだろう。
ゴォウッ
左右から炎が上がる。
辺りが急に暗くなり、
左右の炎は松明となった。
初めて見る光景だ。
松明は辺りを仄かに照らしている。
···と、急に松明の中心から現れたのは、
スキンヘッドで腰ミノ一丁の
筋肉ゴリゴリの大男だ。
私が動けないでいると、
片ひざを地面に付く。
そして、
こちらに盛り上がった肩の筋肉を
見せつけるかのように、
腕を頭の上に掲げる。
そしてこちらに笑顔を向けるのだ。
「蛮族・・・」
私の口から漏れた言葉だったのか。
単なるイメージだったのか。
と、おもむろに大男は立ち上がる。
そして前屈をしたかと思うと、
上半身をあげ、
組んだ腕とともに胸を付き出す。
そしてまた笑顔。
テカテカと黒光りする筋肉に、
異常に白い歯。
その姿にあてられたかのように、
私の意識は急に落ちていった。
「・・・ていしさま・・・?
・・・かんていしさま?
・・・鑑定士様?」
こちらを不安そうに覗き込む
黒髪黒目の少年に気づき、
私は目をしばたかせた。
何だったのだ。
今の強烈なイメージは。
今までに味わったことのない、
濃厚なイメージ。
少年が何か言ってるが、
言葉は耳から入って抜けていき、
全然頭に残らない。
「ばんぞく・・・」
私は無意識にそう口走っていた。
「蛮族?」
少年は首を捻る。
私も捻りたい。
咄嗟に口走ってしまったが、
他に言い表しようがない。
「あなたのユニークスキルは、
”蛮族の好奇心”です。」
これはボディービル小説ではありません。
申し訳ございません。