出会いと始まり⑧
伸びてくる舌を避けて何とかして撃つタイミングを探す。舌を出すときは一瞬止まってくれるから…今!横に転がって避けて口の中に矢を撃ちカメレオンモドキにダメージを与える。カメレオンモドキは悲鳴らしき声を上げて背中のトゲを飛ばしてきた。
数十本も飛ばされその内の数本が刺さる。そこそこ痛い。さっきよりも速い舌を避けてもう1回同じことをした。どうしてもこのトゲが避けれない。でも射程は短そう。走って距離を取るとトゲは途中で地面に刺さった。
「ギャ!!」
「ブムウ!!」
ここで運悪くボブゴブリン達が襲ってきた。どうしよう…とても不味い。突進を避けて足に撃ちカメレオンモドキの攻撃に警戒する。でもボブゴブリン達を使えるんじゃ…。私はカメレオンモドキをボブゴブリン達の近くに誘導して突進を待つ。そして牛が突進してきた。
「ブモオ!?」
「上手にいった…!《パワーショット》!」
「ブモァ!??!」
カメレオンモドキは牛の突進で轢かれてポリゴンの欠片になった。牛の方はトゲが痛かったのか悲鳴を上げ、私に撃たれたことで更に悲鳴を上げた。牛を完全に倒すためにパワーショットを何回か入れて鉄の矢を撃ち止めを刺した。ボブゴブリンも鉄の矢を使い倒す。
ドロップ品は虹色の小鱗が10個、虹色の小魔石が1個だった。ボブゴブリン達のドロップ品はさっきと同じ。テント地帯に戻って開拓者ギルドに行き、偶然虹色の小鱗の納品依頼があったため5個納品して報酬を受け取った。
気がつくとお昼の時間だったから一旦落ちてご飯を食べる。久し振りにお兄ちゃんと一緒のご飯だ。うどんを食べ終わりお兄ちゃんからフィニッシュワールドオンラインのβ版で遊ぶことを聞いて待ち合わせの場所を開拓者ギルドにしてインした。
「お兄ちゃん!」
「待たせたな百合、こっちではリユだな」
お兄ちゃんと早速フレンドになって依頼を受ける。お兄ちゃんのこっちでの名前は現実と同じ導で武器は剣だった。剣道も習ってたし運動なら大体のことが出来るんだけど…お兄ちゃんと私は大体姉妹に思われる。どれだけ男の子っぽくしてもボーイッシュな女の子に見られると頭を抱えながら言っていたのを思い出した。
「そうか、なら僕でも大丈夫そうだな」
「お兄ちゃん頑張って」
「うん!はっ!」
開拓者ギルドで受けた依頼はボブゴブリンの討伐だ。お兄ちゃんもα版を遊んでいたけどデータの引き継ぎはしてない。でもお兄ちゃんなら多分大丈夫。
そう思いつつ既に前足が無くなっている牛と必死に棍棒を振っているけど弾かれているボブゴブリンを見た。何で棍棒弾けてるんだろう…。
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