とある精霊視点⑥~神界精霊騒動編~
待たせたなぁ!
「邪神さん…」
「なんじゃ?」
僕はこの空間に入ってから20分後、一番言いたかったことを勇気を振り絞って言った。
「全く休憩出来ません…」
「妾もそれだけはどうにも出来ん」
「せめて脅かすのは止めてください!?」
真っ黒な空間で周りを見渡すと様々な時計が出たり消えたりし、たまに少女の笑い声が聞こえてくる。極めつけは邪神さんが消えて後ろから急に囁いたり掴んでくる。全く休憩出来ない。そのせいで気配察知というスキルを手に入れたのは5分前のことだ。
しかも半開きクローゼットの方を見ると明らかに僕が着れるサイズの大量のメイド服や軍服、ワンピース、水着、ゴスロリetc…キリが無かった。僕が離れた瞬間にクローゼットから何着か取り出したから絶対に僕に着せるきだろう。邪神さんは…って居ない!
「おとなしく捕まるんじゃ、《ホールド》こうしんと服が破けるからのぉ…」
「あぅ…」
気配察知が一瞬だけアラームを鳴らし飛ぼうと思ったら捕まった。全力で暴れるも魔法のせいなのか動けなくなった。僕は諦めて力を抜き目を閉じて終わるのを待った。
10分後…。
「うむ、メイド服が一番じゃの!」
「もう止めてください…」
目を閉じる作戦は目を閉じた時間の10倍だけくすぐるという脅され失敗した。ちなみにメイド服の性能はこちら。
〈謎のメイド服〉
防御力 30 耐久力 999
特殊効果:【敏捷+5】【平衡感覚】【リュウ専用装備】【耐久力自動回復・大】【成長装備】
成長効果:lv1【料理+3】【料理器具搭載】lv2【知力+5】【魔法範囲拡大+3】
説明:遥か昔に造られたメイド服。本来の持ち主は装着する前に死んでしまい今日ようやく持ち主を見つけた。このメイド服はまだまだ本来の性能を取り戻していない。
うん…。効果だけ見れば凄い装備だ。効果だけ見ればだけど。
「妾にオムライスを作ってくれんかのぉ?」
「分かりました…」
いつの間にか素材が用意してあった。ゲームの中だからか行程も省略されており数分で完成した。ケチャップでハートが書いてあるけど僕はやってない。
「美味しいぉ、お主も一口どうじゃ?」
「遠慮しt…うわ!?むぐっ!?」
「遠慮しなくてもよいぞ?」
断ろうしたらまた捕まれ何故か僕が持てる大きさのスプーンを口に入れられた。しかも何故か僕の勘が全力で警鈴を鳴らしている。これはまさか…!
「…?誰か入ってくるの…」
「リュウクン…そこで何してるのかなぁ?何にせよ私を置いていった罪があるからお仕置き確定だけど」
「ろ、ろーさん…」
「お主は誰かの…?」
「リュウクンのお嫁さんだよー?《ヤーンキャッチ・リュウ》《アーススピアレイン》」
「うわぁ!?」
糸で絡みつきそのままろーさんの方に引っ張られた。
「お主に手を出すのは危険、じゃの」
「別の神様の依頼で来てるからね、ゆっくりお話ししましょう」
思考放棄していいかな…。
読んで頂きありがとうございます
深夜テンションで書いたので後悔は無いです()




