吐露~君が眠るお墓にて~
彼女が死んだ
だから、僕はお墓前で、彼女に呟く……
彼女を初めて見たのは社会人2年目の頃だ。合コンにいた彼女は、お酒で顔が赤らみ、どこか妖艶な雰囲気を醸し出していた。最近出会いのなかった自分にはあまりにも刺激的だったのでその事を強く覚えている。
それから、僕は、感情が溢れ出してきて、必死の思いで貰った連絡先にメールを送った「今度一緒にあそびませんか?」と。 そしたら、なんと「良いですよ」と返ってきて、あまりの嬉しさに家で暴れた。
初デートは、遊園地。ジェットコースターで叫ぶ姿。お化け屋敷に怖がる姿。マスコットキャラクターに、笑顔で近づく姿。今でも、瞼に浮かぶ。帰り際に、繋いだ手の柔らかさは、今でも残っている。
そのあと、数回デートをして、告白をし、恋人同士になれた。なのに、感情が溢れてくる。だから、何回も何回もデートを重ねた。
そう、あれは、飲み過ぎて終電がなくなった君が僕の家に泊まりにきた時だ。ベロベロに、酔っ払った僕たちは、家にあったあたりめを肴に二次会を始めた。その時の彼女は、出会った頃より、頬が赤らみ、とてもかわいかった。そして、僕は、ついに今まで隠していた感情を嘯いた。
ずっと、ずっと、君を
殺したかった
彼女の血を、彼女の内臓、髪、眼を………
全てをアイシタイ
真っ赤に染まる彼女は何よりも美しくかった。
「まだ僕はアイシテルからね。」骨を取りそう言った。