31 梅雨明け・盛夏へ・埋め合わせ
ロタ様、イリカ様
お久しぶりです!
お元気ですか?
先週、梅雨明けしましたね。七月になって、暑くなりましたが、お体の方は大丈夫でしょうか(これはロタさん)。体とか、暑く(「熱」かな?)なりすぎませんか(これイリカさん!)。
さてさて。
突然ですが、八月第二週目の土曜日は(八日です)ご都合、いかがでしょうか。
この日、私の地元で夏祭りがあるのですが、よろしければご一緒しませんか?
文化展示会のときはあんまり話せませんでしたし。
ロタさんも埋め合わせをしてくださるみたいなこと、おっしゃっておられましたし。
まあ、これは埋め合わせとは、言わないかもしれませんけど、この前は中途半端な感じもあり……。
いかがでしょう?
お祭りの公式サイト、リンク貼っておきます。
ご検討ください!
シュレナ
「……というメールが、さっき届いたんだけどな、イリカ。
……読んだ?」
「今、読み終わった。お祭りって、夜だよね?」
「ああ。リンク先もさっき見たけど、夜だ。もう一回、サイト開いてみるか。
……ほら、これが去年の写真」
「結構にぎわってるね」
「ああ。運動場と公園と、丘の神社が会場だ」
「その辺一帯に、屋台が並ぶのかなあ」
「だろうな」
「ロタは行きたい?」
「んー。シュレナさんに埋め合わせはしたいけどなあ」
「メールにもそう書いてあるしね」
「ああ。埋め合わせと、わざわざ二回も書いてくるところがあざといけどな」
「まあまあ。ロタが断りにくいように、計算してるんでしょ」
「イリカはどう思う?」
「去年の写真を見る限り、すごく混んでるわけでもないよね。
私が歩くスペースはありそう。ロタがエスコートしてくれれば、だけど」
「もちろん、するわさ」
「ありがと。あと、夜だから目立たないで済むよね。騒がしいから溶け込めるし」
「それは俺も思った」
「……行こうか?」
「そうするか。せっかくのお誘いだしな。こんな機会でもなければ、なかなか、二人でお祭りに行こうとも思わないからな」
と、ロタはうなずいた。
場所はロタの自宅である。夕方。
シュレナから届いたメールを、二人で見ているところだ。
椅子に座ったイリカのかたわらにロタが立ち、スマホ画面を見せつつ相談中。一応、誘いには乗る方向で決まった。
(シュレナさんには明日返信するとして……。
あっ、そうだ、その前に話しておきたい人がいるなあ)
夜、ふと思い出したロタは、自室にて電話をかける。
なお、イリカは機械ルームで既に眠った。
名前を告げてあいさつを交わした後、スマホ越しに女性の明るい声が響いてくる。
「お久しぶりですねー。体調崩されてませんか?」
(さっき、メールで同じこと聞かれたよ……)
ロタは苦笑する。年を取ったものだなと思う。
電話の相手はリモリである。




