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20 理学研究部部長特製ロボット

 私服姿のシュレナを、ロタは初めて見る。

 もっとも、顔を合わせたのはまだ三回目だが。

 赤いワンピース。ほぼ無地だ。

 腕は、ひじまで袖に隠れている。すそは、膝下。


 シュレナの眼鏡越しの瞳は鋭く、明らかに不機嫌である。

 というのも、

「失礼だよねー。

 だって、目が合ってるんだよ?

 なのに十秒以上気付かないなんてさ」

 ロタはシュレナに首を振り、

「いやいや、そんなには長くなかったろ?」

「秒数の問題じゃないでしょ、ロタ」

 遅れて、背後から部屋へ入ってきたイリカが、たしなめる。

 ロタは振り向いて、自分より長身のイリカを見上げ、

「一目で気付くべきだった、と?」

「そりゃ、そうだよ」

「そりゃ、そうだよ」

 と、シュレナも、イリカの言葉を真似する。

 女の子二人に挟み撃ちされ、

「面目ない」

 ロタは、目の前のシュレナへ向き直り、頭を下げる。

(ズボンの制服とのギャップがすごい。

 変わり過ぎだろ。体の線と肌、出し過ぎだろ)

 無論、この感想はグッと飲み込んだ。口にしたらセクハラである。

 ひじから先、膝から下の、細い腕と脚。むき出しの首も含めた、色白の肌。

 眺めるだけで目がさえる。


 ロタが問いかけ、それにシュレナが答える。

「着替えて来たんですか?」

「そうですよ」

「一旦、学校から家に帰って?」

「はい。この格好の方が、ロタさん来てくれるかと」

 意味が分からず、ロタは、

「えっ、どういうこと?

 シュレナさんの服装は、ここに来るまで分かりようがないよね?」

「そうなんですけどねー」

 シュレナはニヤリとして、チロッと舌先を出した。

(何だ?

 まあ、追及しないでおくか。中学生の考えることは分からん。

 難しいお年頃だしな)

 シュレナの言葉には、何やら裏の事情がありそうではあったが、ロタは受け流すことにした。


 それより、本題だ。

「で、あなたのロボットは?」

「あ、これですこれです」

 ロタに答えて、シュレナは長机の一角を指差す。すぐそばだ。

 ロタとイリカが到着するまでは、恐らく、自分の作品の前に立って、一人それを眺めていたに違いない。

 ロタ、イリカの二人も近づき、前かがみでじっくりと見る。

 先にコメントしたのはイリカであった。

「虫みたいだね」

「そうだな。六本脚だしな」

 ロタはうなずいてから、シュレナの顔を見て、

「すごい!

 済まんが、こんな本格的な物だとは思ってなかった!」

 率直な感想であった。

 シュレナは、「ふふっ」と照れ笑いをする。


 市販の組み立てキットでないことは、一目で分かる。

 寄せ集めの金属板やネジ、配線等で組み上げられており、形、色が微妙に不ぞろいだったからだ。

 それでいて、全体の形状は整っている。

 イメージとしては、「銀色の四角いカブトムシ」か。

 手のひらに載るサイズである。

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