死因と転生
神様はお供え物のバナナを食べていた。
その時、持っていたバナナを落としてしまった。
運悪く、そのバナナが天界から地上へ
落っこちてしまった。
そしてそのバナナを踏んでしまったトラックが
滑ってしまい、俺にぶつかったのだという。
俺、運悪くね?
「本当に申し訳ない。」
「……とりあえず顔あげてください。」
「許してくれるのか?」
「起こったことはしかたありませんし、
言及するのも面倒なので……。」
驚いた顔をする神様。
「そうじゃ、お詫びとしてはなんじゃが……」
「なにかくれるんですか?」
「異世界へ転生させてやろう!」
「え……。」
異世界へ……転生?
「嫌か?」
「嫌ですね。」
また驚いた顔をする神様。
「なぜじゃ?他の神様の話では皆転生すると聞くと
喜んでおったぞ!?」
「いや、だって……。異世界系とか読みますけど、
モンスター怖いし、不便そうだし……。
行くなら天国の方がいいです。」
「天国か……、それが無理なんじゃよ。
輪廻の輪から外してしまったからな。」
「……。」
「異世界転生しかないのじゃよ。」
「はぁ……。」
「まぁ、あっちの世界で生きていけるように
前世での記憶と、なにか能力を授けてやろう。」
「ええー。」
「時間じゃ。では頑張ってこい。」
言葉とともに神様の姿が霞んでいく。
転生なんて……最悪だ。