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日常、そして死
ふわぁーあ
大きなあくびをして、眠そうに目を擦る。
昨日は夜遅くまでゲームしてたからなー。
「かーえーでっ!」
後ろから肩を叩かれる。
振り向くとそこには俺の同級生、市田翔琉がいた。
「おはよう、翔琉。」
「おはよっ!なぁ、昨日の課題終わった?」
「んー、まぁ。」
「写させて!」
「100円。」
「げっ!金取るのかよ。」
「嘘だよ。ほら。」
「ありがとー。」
こんないつもと同じような1日。
このあと面倒くさい学校で、
面倒くさい授業を受けなければいけない。
そう考えただけでため息が出た。
「そういえば、今日はあの店行くんだろ?」
「ああ、そうだったな。」
「ぶはっ!」
「なんだよ。」
「いや、今の今まですっげえ沈んでたのに
あの店行くって聞いただけですげえ嬉しそうなんだもん。」
「仕方ないだろ、好きなんだから。」
「まあな。それにしても、女子が聞いたら驚くぞ。
なんてったって、学園の王子様がスイーツ好きなんだから。」
「……。」
そう、俺は大の甘いもの好きで、週に1回は、
人気のあの店に行く。
考えただけで浮き足だつ……
「楓!危ないっ!!」
その瞬間、目の前にトラックが現れた……。