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初クエストです!


「記念すべきクエストは、『村人に認知される』です!」


「え?」


「えっ?」


「それが、クエスト?」


「えぇ、もちろん。結構重要なんですよ?認知されるって」


まぁ、言わんとすることは理解出来る。

けれども、想像してた心ウキウキワクワクな

クエストとの落差が激しすぎて……


「はぁ……」


「おや、ご不満そうですねぇ。

やっぱり、怪物の討伐とか、そういった派手なクエストで

無双してみたいとか思ってました?」


「まぁ、それはそうで……」


忘れていた。敬語は使ってはいけないと

言われたのだ。目指せ、脱陰キャ。


「そうだけど」


「うんうん!良い感じですね!!」


実際、最初から討伐とかは来ないだろうとは

予想していたので、それほど驚きも落胆も少ない。


問題なのは、そこではないのだ。

認知だって?

ご冗談を。

一応毎日顔を出してる学校ですら、されているか危ういというのに。


どうやら俺の購入したゲームは、村育成ゲームの

皮を被った陰キャ更生ゲームだったらしい


「無言は承諾ってことですね!では!」


「おい、ちょ」


待っててくださーい!なんて叫びながら

勢いよく走り出したカティとは対称的に、

ただ俺は唖然とすることしかできなかった。



べチンッ「あうっ!」


あ、コケた。







三回ほど欠伸をし、いっそ寝てやろうかと考え始めた頃、

カティが村人数人を引連れて戻ってきた。


右からおじさん、おばさん、お姉さん、幼女、お姉さんだ。


…私、左から二番目の子に興味がありますね。



「では、紹介しますね?

右から村長夫妻、村人Aさん、村の子供aさん、村人Bさんです!」


「「「よろしくお願いしまーす」」」



さて、何からツッコもうか?


果たして、ここまで名前の扱いが酷いNPCを、

我々は見たことがあるだろうか。

一応、クエストに関係する重要NPCではないのか……


それだけではない。文字だけでは到底伝わるものではないが、

どうも5人の顔に違和感を覚える。


5人とも髪の毛、肌の色を除く瞳、鼻筋、その他諸々の

パーツが瓜二つなのだ。

けい○んも顔負けの判子絵である。


運営、もう少し頑張ろうぜ。



「……一通りツッコみ終えました?」


なんで分かるんだよ


「では、詳細を説明しますね?内容は簡単、

この5人の方々に「タケルは勇者である」と

知ってもらえば、自動的に村全体に知り渡ります。

要は今から風の噂の本種を作ってもらいます」


「また、認識はあなた自身によって宣言された場合のみ

成し得ますので、ちゃんと自分で伝えてくださいね?」


「できません」


「やりましょう」


「伝えるって……自己紹介しろと?めちゃめちゃ

高難易度じゃん」


「2歳児でも出来ますが」


「2歳児?他人の目なんて気にも留めないやつらだぞ?

あんな人の気持ちも汲み取れず、協調性のない子供みたいな奴と比較しないでいただきたい!」


「そりゃ子供ですしね。というか

そろそろ、そのレベルとでしか比較できない

自分の無能を自覚してください!」


「……そんなこと言っていいのか?泣いちゃうぞ?」


「同レベルじゃないですか」


「あ、あのー?そろそろ始めてもらっても?」


我々を見かねた村長さんが進行を促した。


「そうですね、始めましょうか。ほれ、早く!」


カティが俺の背中をぐいぐいと押し出す。

どうやら、腹を括らなければならないようだ。


「……あ、あの、一応勇者をやらせて頂いてます、タケルです……」


「この村の村長を務めさせていただいております、

村長と申します。以後よろしくお願いします」


「はい!1人目終了です!」


自分でもここまでかと驚く程に疲れた。

もう寝たい。帰りたい。


タケルの疲れ切った表情が、

このクエストが今後発生するクエストの中で

最も高難易度であろう事を雄弁に物語っていた。


とはいったもの、結論から言うならこの先

特にどんでん返しもボケもツッコミもなかった。

当然である、ただの挨拶なのだから。







「終了〜!お疲れ様でした!!」


「これで、終わりか……」


「フラグですか?」


「違います。嫌です」


「それでは今から、初クエストの報酬を与えたいと

思います!」


「おおっ!」


このゲームを始めて初の報酬。クエスト受注時には

報酬内容は語られていなかったので、一体何が渡されるのか想像もつかない。

…報酬内容知らされてないって、まぁまぁ闇が深いな。


「報酬はぁ〜〜」


「ゴクリっ……」


「ゴクリって本当に鳴るもんなんですね」


はよ言えや


「……報酬は、ワタクシです!!!」


ん?


「アナタ?」


「ワタシ」


「冗談を」


「これから貴方の手となり脚となり

冒険のサポートしていきたいと思います!」


仲間は欲しいと思っていた。他のゲームでもそうだが

ソロとパーティーでは活動範囲が大きく異なる。

今後、どのようなクエストがあるのかは知らないが、

仲間はいて損は無い。

と、してもだ。


「もうちょいなんかない?」


「かなり失礼ですね……

報酬は仕様なんですからすべこべ言わないでくださいよぉ。

そもそも私は動きたくありませんし」


おい、早速動かない宣言してきたぞ


「まぁ、でも決められたことなんで頑張りますよ!

なんと言おうと、受付嬢!情報量はかなりのものです!」


情報は財産だ。場合によっては大きく戦力になりうる。


「まぁ、とりあえず、これからよろしく?」


「はい!これからお願い致します!」



こうして、俺は仲間を手に入れた。



「ところで、なんで私にはキョドらなかったんですか?」


「……さぁ」


「……ハッ!もしや…私って特別な存在なんですかね!?

いやぁ〜困っちゃいますねぇ!!!」



次のクエストの報酬で、静寂とか貰えないかなぁ



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