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必要な材料が足りなかったんですよ


こうして、あっという間の3日が過ぎた。


「……始めッ!」


俺の意志など何一つ尊重されずに

開始の幕が切って落とされる。







「おやっ!やっと帰ってきたんですね!」


「おつかれさま」


ギルドの扉を開くとトランプゲームに勤しむ

カティとポータが目に入る。


「で、どうでした?魔素の感覚掴めました??」


「おかげさまでな」


「おぉ!それは良かったじゃないですか!」


「じゃあ、早速魔法の練習する?」


「いや、もう出来る」


「えっ?」


ポータが疑いの目を向けるので、実際に見せてやろう。


左手を力強く握り込み、意識をそちらへ向ける。

大きく息を吸って力を込め続けると……

……続けても一向に青く光ることは無い。

確かに洞窟にいた時には出来ていたのだ。

あれ?なんで?


「確かに魔法の感覚は掴めてますね」


「うん、まだ魔素変換率が最悪だけど動き自体はできてる」


見た目の変化は何もなかったのに、2人にはしっかりと俺の修行の成果が見えたらしい。


「発動しなかったのに分かるのか?」


「魔素の動きで多少は分かりますよ」


魔素の動き、とやらがあるそうだ。

あいにく今の自分には未知の領域なので

よく分からないが、どうやら目には見えてなくても

しっかりと発動していたらしい。


しかし、動きはあっても効果がなければ

到底武器にはならない。


「発動はしてたのに変化が見られなかったのは何故なんだ?」


「魔素変換が効率良く出来ていないのでしょう」


「魔素、変換?」


「要は魔法に必要な材料が足りなかったんですよ」


ポータが確認を取るかのように聞いてくる。


「あの洞窟にいる時にはちゃんと出来たんでしょ?」


「そうだな」


「じゃあ、やっぱり変換率が悪いんだね」


どうやら俺は魔素変換が良くないらしい。

カティの材料という表現から考えるに、魔素の吸収が

足りなかったのだろうか。


先程よりも深く意識して息を吸い込み、

再び魔法の発動を試みる。


すると、微かに、 本当に微かではあるが意識した箇所に変化が見られた。


なるほど、魔素の吸い込みが浅かったのか。

そう結論付けようとした時、


「別に魔素の量は十分でしたよ」


と言ってきた。


「けど失敗したじゃないか」


「だから、変換率が悪いんですよっ!」


呆れたように言い放った言葉では理解できていないと悟ったのかサラが追って続ける。


「そもそも変換率はどれだけ効率的に魔素を変換できるかって事なのよ。タケルはそれがめちゃめちゃ悪いから本来なら充分な魔素量でも魔法が発動しないんだよ」


「なら、その変換率さえ上げれば十分に使えるのか?」


「そうだね」


「じゃあ、次はその訓練だな」


普段の学習態度からは想像もつかないほど

やる気に満ちてるのが自分でも分かる。


興味さえあれば自分で課題を見つけ

それを克服する努力を怠ることをしない。

俺はYDKなのであって普段勉強が冴えないのは

本気を出していないという事の表れだろう。

ほら、能ある鷹は爪を隠すって言うじゃん?


ふとカティが、「そういえば」と前置きして


「あの洞窟どうやって抜けたんですか?」


と聞いてきた。


「あぁ、最初は分岐のところに生えている植物に印をつけて

進んでいたんだが、途中から洞窟の壁、丁度俺の目線の少し下のあたりに一本線が入っていることに気付いてな?」


「あーそれ私がつけた印だ」


「そうだったのか。まぁ、その線に沿って進んでいたら太陽の光が見えたからそのまま光の方へ抜けたんだよ」


「なんだ、あまり苦労はしなかったんですね。残念です」


「なんでだよ」


改めて気になったことを聞いてみる。


「魔素の変換率ってのはどのぐらいで改善できるんだ?」


「そうですねぇ……1週間ぐらいですかね?」


「うん、そのぐらいかな」


1週間か。今が6月半ば過ぎだから、改善しきれるのは

6月末から7月の頭ぐらいになるな。


……6月末。はて、なにかそこそこ大事な何かがあった気が。


「どうしました?」


「いや、なんでも……」


あ、そうだ、テストだ。

え、テスト?うん、期末テストだな。ん?テスト??

いやいや、まさか……


「やべぇ」


「何がです?」


「期末テストが!」


「あ〜学生さんですもんねぇ」


「どんまい」


落ち着け、俺。

今まですっかり忘れていた。

もちろん提出物など何一つしてないし、なんなら授業の

書き写しすらしていない。

うーん、どうしようか。




✳︎





俺が通っている学校は賢くもなければ

それほど落ちこぼれでもない。

3学期制でテストは1学期につき中間テストと

期末テストの2回行われる。


来週に差し迫るのは学期の締めくくりとなる

期末テストである。このテストで成績のほとんどが

決められると言っても過言ではないほど重要なイベントだ。

その上、内容は中間テストとは比べ物に

ならないほどの密度があり、一夜漬けや

生半可な意識では到底乗り越えられるものではない。

これは既に周知の事実であり

必然的に多くの学生が2週間、3週間前から

対策を立て勉学に励むこととなる。

しかし、それは卓上の理論であり現実は……



昨日の成果を発表しよう。


テストの存在に気づいた俺は速やかにログアウトし

現実へと舞い戻った。

腹が減っては戦もできぬ。まずは英気を養うため

食事を取った。腹を満たせば

ひょいと睡魔が俺を訪ねにやってくる。

折角ご足労いただいたのだ。

その要望に答えないわけにもいかず、しばしの休息を取る。

睡魔が去れば、次にあるのは風呂だろう。

当然だ。知識とは富であり同時に強力な力でもある。

この世界は知識で溢れ、知識でのみ世界を保つ事が出来る。

風や雨などの自然を神とみなす我々にとって

もはや知識は神に等しいものなのだ。

そんな神を自分の糧として蓄える時に

身を清めないなど言語道断。

身を清めて初めて身に付ける準備ができたと言う事ができる。

しっかりと隅々まで洗い終え、勉強を始めようと机に向かう。参考書にノート、文具等を取り出そうと

体を捻ると目覚まし時計が偶然目に入った。

なんと、もう時刻は2時をまわっているではないか。

勉強において夜更かしは禁物。

頭を整理する為にも、気分をリフレッシュするためにも

明日の授業のためにもここは大人しく床に就くのが

最前であろう。

無理をしない。これが最も重要なことだと俺は思う。

己の理念に従い布団へ潜れば自ずと夢の世界へ誘われ……


こうして、俺の一日は幕を閉じた。








学校の雰囲気はもはや恒例となった緊迫感に包まれていた。

あと3日に迫っているテストを前に人々はおおよそ3つほどの

パターンに分けられた。

1つは、仲間と協力し集団となって取り組む者。

一方は、黙々と孤独に勤しみただならぬ

気迫を持って取り組む者。

最後に、悟りを開いた者。


俺のクラスでは協力組もといリア充どもが

多くの割合を占めており、自習時間であるにも

関わらず笑い声が飛び交っているのが現状だ。


集中もできるわけもなく、

ノートはまだ汚れを知らないでいる。


もちろん本心からいえば迷惑系リア充など

スパッと消滅して欲しいのだが、

Fどころか二週目のAランクの俺には

一週目のAランクの人間に話しかけることすら

大それたものであって、話しかけたものなら

「調子にのるな」だの「イキってる」だの「話し方キモい」

だの言われるのは避けようのない事実であり、

散々な言葉を投げかけられたくないのであれば

何も関わらないのが得策なのだ。


まるで権力に下るような考え方であるが

決して自分の立場に納得しているわけではなく

機会さえあればリア充どもの首根っこに

噛み付く覚悟はある。

そう、機会がないだけなんだ。

ほら、俺ってYDKじゃん?

だから思うんだよね。俺、本気出したら勝てるって。

ただ今は最高のコンディションを待っているって言うか

獅子は兎を狩るにも全力を尽くすって言うし?

俺が本気出したらあんなやつらコテンパンなんだけど

ここは あ え て 見逃してやってるだけなんだよね!


リア充ども、せいぜい束の間の青春を噛み締めるがよい。

……いいなぁ、楽しそうだなぁ。青春味わいたいなぁ。



終わりを告げるチャイムが鳴り、そそくさと

新品のノートを引き出しにしまい込む。



「勉強をしなければならない」

ともう耳がタコになるほど聞いてきた。

しかし、実際に行動に移すことは敵わず

今もこうして着々と貴重な時間を浪費している

という感覚が自分を襲う。


勉強をする意味は確実に存在する。そう信じている。

学生だからこそ数々の大人から聞いてきた勉強の意味は

どれも正しいと思うし、同時にどれも誤りであるとも思う。

その人にとっての人生とは、その人のものでしかないからだ。あくまでも参考程度の信用しか持つことが出来ない。


勉強が生きる糧となるのは間違いないのであろう。

問題はどのような糧となったかであって、私たち学生が

不安視している箇所でもある。


全ての人が、学校で習う全ての知識を生かすことはない。

しかし、一部分なら生かされるかもしれない。

だから、一通り全ての知識を蓄えておきましょう。

学校はそう言って、学生に知識を押し付ける。


けれど、学生達は知っているのだ。

社会に出てこれらの知識の大凡は

使うことがないということを。

使わないものををわざわざ苦労して蓄える。

一見すると無意味に思えるその行為が

不満を持つ原因だと考えられる。

1度不満が出てくると、それはみるみる膨れ上がり

やる気の低下に繋がっていく。

そもそも学校の制度自体が……


おっと、読者の皆さんが


「あれ?この作品ってこんなに長々と語るの?

なんか怖いし、つまんない……」


と困惑し、ページを閉じようかと考え出しているではないか!


お願いします。後ちょっとだけ見てください。

すぐに締めに入りますので。

折角ここまでこられたのですから。

是非、最後まで見てから「一体、なんやったんや……」と

戸惑ってください。


思わず、読者の退出を危惧するほどダラダラと考え込んで

しまったが、要は何が言いたいのかというと


勉強つまんない。

とりあえず寝たい。


この2つに尽きる。


オチもなにもないような結論だが

つまらないものはつまらないし、

眠いものは眠いのだ。

仕方ないのだ。

人は勉強をするために生まれてきたのではなく

生きるために生まれてきているのだから。

最優先にするべきことは

勉強ではない。生命の維持だ。

寝るとか、食べるとか……そう、ゲームするとか。

前にも話したが俺の体はゲームで構成されている。

俺にとってゲームは娯楽ではなく呼吸に等しい。

だから、家に帰ってすぐにゲームをしてしまうのは

仕方ないのだ。

うん。その通り。しゃあない。


じゃあテストは捨てるのかって?


いや……捨てるとは、いってないよ?


成績が悪い奴が勉強を語るな?


まぁ.それは……


はい!もう、この話おしまいっ!























あ、本当にもう終わりですよ?

ごめんなさい。少し期待しました?

その期待、次回まで取っておいてくださいね。

次はちゃんと書きますので。……多分。












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