プロローグ
最近のラノベは、異世界転生系が主流だ。
その波はゲームにさえ影響を及ぼし始め、
異世界の勇者になって、バッタバッタと敵を薙ぎ倒す
というジャンルが増えてきている。
その人気の流れを悪いとは言わないが、正直飽きを覚えているユーザーが比例して増えてきているのも事実であろう。
そんな中、大手メーカーが発売したのが、
「村の勇者」というゲーム。
フルダイブ型のVRで、今となれば、
もはやなんの新鮮味もないジャンル。
買いたいかといえば嘘になるが、
かと言って、新作ゲームを買わないというのもゲームオタクとしての名が廃ってしまう。
としての名が廃ってしまう。
ってな訳で、早速今日の放課後にでも買いに行くとしよう。
そう心に決めて、黒板に写し忘れた文字の羅列をノートに急ぎ足で書き込んだ。
*
心待ちにしたチャイムが学校全体に鳴り響く。
誰よりも早く教室を出たなら
そそくさと駅に向かい、電車に乗り込む。
昨日は降りた駅を見送り、さらに2駅。
駅から徒歩15分にあるアニメショップへ。
特に決めた訳では無いが、ゲームは自宅から離れた
ここで買う事にしている。
理由はそう、知り合いに会いにくいから。
何を隠そうこの男、加藤武瑠は
クラスに1人は必ずいる
「隠れオタク」なのだ。
「ゲームの話題はキモイと思われる」
なんて思い込んで、クラスの隅でふて寝しているのが日常。
話しかけられても相応の話題が見つからず、
アタフタしながらキョドりまくる毎日。
というか、そもそも誰にも話しかけられない事もしばしば。
「オタクを隠してクラスに溶け込んでる俺、イケてる!!!」
なんてひっそりと思っており、
実はクラス・学年中に知れ渡っているという
現実を本人が気付けていないというのが、
不幸中の幸いである。
*
さて、アニメショップに着いたなら
自動ドアが開ききらない内に店内へ。
既に最短ルートは割り出してある。
一切の迷いもなく新作ゲーム売り場へ。
もちろんパッケージは把握済みだ。
見つけた途端すぐに踵を返してレジへ急ぐ。
もちろん、移動中に財布から札と小銭を出すことも忘れない。
……!
なんという事だ、緊急事態発生。
レジが混み合っているではないか。
しかし、案ずるでない。
ただちにプランβへ移行し、任務を遂行せよーーーー
今どきの小学生でもやらないような妄想に浸りながら
今か今かと会計を待つ。
ささっと会計を済ませたなら、
買ったゲームを大事にカバンにしまい込み
来た道を急いで戻る。
「このゲームを買って家に帰るまでが至高なんだよなぁ」
今朝は来るなと願った電車も今ばかりは待ち遠しい。
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初投稿です。
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