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ロード  作者: 田名部博士
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正しい死生

空に上がりきった炎の槍は上空で大爆発し、あたり一帯に爆音を轟かせた。


「確かに凄い爆発だ。だけどよォー!これじゃあ敵は見つからないじゃあねぇーか!」

「どうだろうか?今、あんたは槍を見ていた。当然だ。急に投げられ爆発したものを人が見ないわけがない。だけど、ゾンビはどうだった?奴らは上なんか見ていない!見上げたのはたった一人だ!見つけたぞ!墓場の中心にいる、十字の首飾りをした若い男。あいつが術者だ!」


これで敵の容姿と場所を見つけることは出来た。

あとは、畑がとどめを刺してくれることを願うだけだ。


「十字の首飾り…あぁ!俺も見つけたぜ!絶対に逃がさねー!」


爆弾は術者の居場所に向かってしっかり飛ばされる。

だけど駄目だ。俺たちが見つけたことに気づかれた!

投げられた爆弾はゾンビがわざと当たりに行っている!


「無意味だぜ…俺の爆弾はな。物に反射させることが出来るんだ」


ゾンビに当たった爆弾は他のゾンビに当たり、反射を繰り返し、最後には術者の元へと届いた。


「今だッ!喰らわせてやる!BAAAAAAAANG‼︎ 」


さっきまでの比にならないほどの爆発が術者を巻き込み、墓場に大きな穴を作った。


「反射すればするほど破壊力は高まる。まるで堪忍袋みてーだろ?これが俺の<陽気なラッビェ>だ!」


この爆発だ。術者も逃れることは出来ないだろう。

これでゾンビも土に還るはずだ。


もし奴がゾンビが上を向かないことに気づき、自身も上を向かなければ。

俺は奴を見つけられなかっただろう。

奴も何か予想外のことがあったんだ。


「やったぞ!早く八代に報告しないとな……。いや、待て!駄目だ!そこから離れろォォォォ!」


突然、何を叫んでいるんだ。俺のいる場所に何があるんだ?

下を見ると同時に俺の両足を何かが掴んだ。

手だ。土の中から伸びた無数の手が俺の足首を掴んでいる!


「うわぁぁぁ!まだッ!奴は生きているっていうのかよー!今助けてやるからなーッ!」


まさかッ⁉︎爆弾が反射している間にゾンビで自分の体でも覆ったんだ。それしか考えられない。


畑はパニックになって持っている爆弾を投げるつもりだ。

このままじゃあ俺の足まで吹き飛んでしまう。


「やめろ!爆発はさせるな!俺まで巻き込まれるじゃあないか!本末転倒だ!」

「ならどうすれば…そうだ!あの炎の槍ならこいつらを燃やすことだってできるんじゃあねーのか⁉︎」

「一度、爆発をさせたのならその日は炎の槍は使えない!俺にはどうすることもできない!」


もう膝のあたりまで埋まってきている。

このままじゃあ生き埋めだ。


周りのゾンビも近づいてきている。

生き埋めが先か噛み殺されるのが先か。

俺は、こんなところで死ぬっていうのか?


まだ俺はッ!奴らに復讐していないっていうのに!


「その手に持っている爆弾は周りのゾンビに投げるんだ!奴らは徐々に俺たちの方へ近づいている」


畑は言われた通りに爆弾を投げつける。


「次はどうするんだ⁉︎お前もう腹のあたりまで埋まっちまってるぞ!」

「俺のことは良いから、先に周りのゾンビを始末するんだ!こんなところで二人も死ぬ必要はない!」

「…いいや、もう我慢できねー!俺がお前の手を引っ張ってゾンビごと引きずり出してやるぜ!次は俺がお前に危機の解決策を見せつけてやる番だ!」


な、なにをしているんだ!

このままじゃあゾンビが近づいてくるじゃあないか!

近づいてきたら最後、奴は!


「私はこの時を待っていたんだ。ゾンビに引きづり込まれた仲間の手を引っ張っている無防備な敵の状況を。慎重に、慎重にな」


敵は俺たちにとどめを刺しに来る!


「この私が扱うからこそ、私の固有魔術、<正しい(living me)死生(dead me)>に敗北はない」

「やはり、ゾンビの中に紛れてここに来ていた!やばい!やばいぞ!今すぐ応戦しろ、畑!」

「これで終わりだ。お前たちの命は!ここで終わりだ!」


現れた男は服はところどころ焦げており、左手は欠損。

右手で銃を持ち、ゾンビの隙間からこちらに銃口を向けたいた。


撃たれた魔銃の弾が三発、畑の腹部に命中する。

これで俺たちはどちらも詰んだ。終わったんだ。


「安心しろよ。計算通りだぜ…。お前に周りのゾンビに爆弾を投げろって言われてピンと来たんだ。ゾンビに紛れて俺たちをころしにくる可能性があるんじゃあねーかってな。俺はアホだけど計算だけは得意でよー。やっぱりこいつは俺の背後に来た!」


ゾンビの間を何かが行き来している。

さっき投げられていた爆弾の一つだ。


「まさか…。私は嵌められたのか?俺がここに来ると思って態とそいつを助けに行ったのか?いや、そもそもお前達がここにいること自体がおかしいのだッ!この依頼自体おかしいものだったんだ!」

「お前は慎重なんかじゃあない。臆病にもコソコソしていただけなんだ。だからこそ俺の真後ろに来るだろうって思ったんだぜ。今度こそ確実にくたばるんだな。BANG!」


軽自動車が爆発した様な爆発が術者を襲う。


「….これで終わると思うな…。お前たちは始まったんだ。地獄を見る、覚悟をするんだ…な…」


一瞬で広がる火の中で男は消え入る様に言った。

死者は砂に還り、辺りには男の臓器が散っていた。

GWはスマブラして過ごします。

ジョジョ見ましたか?リゾット退場とアバッキオの同僚の台詞で泣きました。やめとけやめとけ

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