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媚薬の罠



この物語は、フィクションであり、実在する人物・団体とは関係ありません。



----- 7話「媚薬の罠」 -----


 ティアは24歳のベテラン聖女になっていた。

 僕と二人での教団での成果はなかなかのもので

教団でもトップクラスの成果を上げている。


 聖女の中でも能力や成果に劣るものや、

結婚して教団を辞めるものも多数あらわれる頃だ。


 ティアは、優秀な事もあり教団としても残ってほしいだろう。

長い間コンビを組んできたが、恋人がいる気配はなく、

この先も聖女を続けるのだろう。


 僕に好意をいだいてはいるが、結婚までは考えていないと思っている。

だいいち、二人で辞めてしまっては、無職になって食い扶持がなくなる。


-- 司祭の部屋 --


 僕は、司祭に密かに呼ばれ命令を受ける。


「アビスよ、これから話す事は、内密で頼む。

教団の本部が壊滅させられた。

媚薬の香か何かが何者かにしかけられたと思われる。

司祭とベテラン聖女に間違いが起こり

聖女や司祭の魔力が失われた。

表に出すわけにもいかず、内部で処理したい。

お主とティアで本部の部屋の調査に行ってくれ」


「了解しました」


「頼んだぞ」


--



-- 教団の本部 --


 僕とティアで教団の本部を調査に行く。

 

「ティア、本部に罠がしかけられ司祭と聖女の力が失われた。

これから調査に向かう。これは秘密情報なので内密にな」


 僕は、かいつまんでティアに説明をした。

 

「はい、わかりました。内密にします」


 僕達は、問題があった教団の部屋へと入る。

 

「何か変わったものがないか探してくれ、恐らく香水や御香のようなものに

偽装しているはずだ。綺麗だからとうっかり触ったりするなよ」


 ティアは、香水用のような綺麗なビンを見つけ匂いをかいで

残った雫を自分の手にこぼしていた。


「大丈夫です。もうほとんど残ってなくて最後の一滴を私の手に……」


「遅かったか……。先に注意しておくんだった」


 僕は、司祭と聖女が力を失った事からティアも察してくれると

勘違いをしていた。

 

 僕は、何とか蓋を探し、ビンに蓋をする。

 

 ティアは、淫乱状態になっていた。

服を脱ぎだし下着だけになっている。


 僕は、ティアにタックルされ、僕の顔にティアの尻が押し付けられ

乗られて息ができない。


「ふがー、ふんー」


 逃れようとするが、しっかり体重が乗せられ動けない。

 僕の腕をティアの腕にとられ、僕の手がティアの胸に押し当てられ

揉みしだく事を強制しようとする。


 僕はあわてて手を離そうと頑張るが体勢が悪く力が入らない。

 

 僕は、下半身を浮かしてティアの頭をはさみこむ。

 うおっ、今度は僕が股間をティアに押し当てているみたいじゃないか。

 

 ティアは何かを勘違いしたのか力を弱めた。

 

 僕は、チャンスとばかりにティアを前方へ転ばせる。

 

 ティアは、四つんばいになって、お尻をこっちに向けて振り、

顔はこちらを刹那そうに見て誘っている。


 なんてはしたない格好をしているんだティア!

 

 僕は、ティアの後ろから抱きつきた。


 ティアは、腰をふりお尻を僕の股間にあてがうが、

僕にその気がないのを知ると、暴れて逃れようとした。


 僕は、後ろから腕ごと抱きつき、淫乱状態が解けるのを待つ。

 

 媚薬の効果が僕にもまわっているのだろうか、

ティアのお尻に僕の硬くなったものがあたる。


 僕もいつまで正気を保てるかわからない。


「正気に戻ってくれティア。こんな事をやっていると

最初にマウントポジションを教えた時を思い出すよなあ。

あの時は、理性が吹き飛びそうで、すごい危なかったんだぜ……。

そりゃあ、もう、襲いかかる寸前だった」


「……そうじゃないかと思ってましたよ。

もう大丈夫です。離してください。

かっこいいこと言ってますが、お尻に硬いものが当たってますよ」


 僕はティアから離れ、あわてて弁解をはじめる。


「これは、男の生理現象なんだ。どうにもならない!」


 ティアは、服を着直しながら答える。


「はい、もう気にしてませんから、大丈夫です。

迂闊な事をしてしまい申し訳ありません」


「いいから、僕も察してくれると勘違いして注意が遅れてしまった」


 僕達は、他に変わったものがないかを探す。

 

 変わったものはないようだが、教団のものだろうか古い石版を見つけた。

 

 石版には、文字が書かれていて、ひび割れや石がはがれ

一部が読めなくなっている。

 

『青く光る髪は、聖女の代行者の証。男は○○、女は○○。

真の純愛に目覚め、神に婚姻を誓うと男は、聖女の代行者になれる。

しかし、その女以外と純潔を破ると聖女の力は消える』


「これは、どういう意味なんだろう? 後で司祭に聞いてみるか」

 

「そうですね。私も気になります」


--



-- 司祭の部屋 --


「綺麗な香水のビンに偽装したものが見つかりました。

中身は強力な媚薬だったようです」


「ふむ、やはりそうであったか。お主らは、無事でなによりじゃ」


 ティアは、顔がだんだん赤くなり赤面している。


 僕は見つかった石版に書かれていた事について話す。

 

「お主とティアは、その聖女の代行者になれるかもしれんぞ。

成功したら、お主を聖女見習いの教官として雇う事を約束しよう」


「私はアビスさんが、望むなら……」


 ティアは、小さな声でぽつりと呟く。


「失敗したら、どうなるのか……。

今の仕事を辞めてティアを幸せにする自信がありません。

考えさせてください」


 僕は、ティアを部屋において、自分だけ抜け出した。


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