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リズムゲームプラスパルクール  作者: 桜崎あかり
エピソード5『炎上マーケティングの始まり』
55/137

エピソード5-9

2017年1月20日付:細部調整

 

 

 午前12時30分、午後の株式市場がスタートし、午前中に上場した芸能事務所の株が急上昇していた。

まるで、超高速株式取引を思わせる展開だが――1株500円スタートが、まさかの10万円である。

その後はアイドル投資家と思わしき人物が大量に売却し、大きく下落する事になったが――そのスピードは、どう考えてもインサイダー取引と言えなくもない。

【午前中の動きもおかしかったが、午後もおかしい】

【一体、何がどうなってる?】

【1株500円スタートのはずが、午前中の終値は1万――】

【今は10万円でストップらしい。何者かの相場誘導があったらしい】

【さっきのニュースか】

【そうなるが、報道していた株式とは違う物も含まれているようだ】

【どういう事だ?】

【おそらく、コンテンツ流通妨害でも企んでいるのだろう】

【やっぱり、フジョシや夢小説勢が絡んでいたのか?】

【そうレッテルを貼るのは不適切だ】

【しかし、アイドル投資家勢力はARゲームからは引き上げているという話を聞く。考えられる勢力は自然と絞られる】

 つぶやきサイト上では、今回の株式市場の市場操作にはフジョシ勢力が絡んでいると言及する者が多い。

フジョシの正体は――ここではネタバレとなる為、言及は不可能だろう。

第4の壁の先にある世界にありもしないような不当評価をするのも適切ではない。

その為、ここでは正体は言及を避ける。そうでもなければ――日本政府は超有名アイドルファン以外を切り捨てる政策を――。

「これも所詮は、アカシックレコードに書かれているWEB小説を再現しようとしているに過ぎない」

 一連の株式操作を切り捨てた人物、それは別エリアにいた大和朱音やまと・あかねだった。

お昼も食べ終わって、一息入れている可能性もあるが――そんな時に入って来たのが、株式操作の一件だったのである。



 午前12時35分、昼食を終えたビスマルクがアンテナショップへと向かった。

「株式操作か――まとめサイトが別の事件から目を逸らす為の口実だろう」

 ビスマルクはアンテナショップの入り口に置かれているモニターを見ても、本物のニュースとは信じていなかったのである。

その理由は、超有名アイドルファンの起こした超有名アイドル事変と呼ばれる事件もだが――別の理由もあるのかもしれない。

「自分達が都合のよい事案をでっちあげ、一部勢力をこの世界から完全に消滅――更には、自分達が第4の壁を超えた世界でも認知され、そこで賢者の石とも言うべき存在を生み出す――」

 ビスマルクの皮肉交じりの発言――それは、超有名アイドル商法を初めとした事件が実はある人物による印象操作の為に――と言う可能性の話。

しかし、一部の事件に関してはニュースサイトが炎上マーケティング目的にサクラを使用して起こした物である――そう認識されていた。

それ以上にビスマルクには思う所もあるだろうが。

「確か、ネット上にはこうしたでっち上げの事件を利用した炎上マーケティングの方法が――」

 ビスマルクがスマホのブラウザで調べようとしたのだが――。

【データエラー】

 真っ白な画面にエラー表示ではなく、検索窓に『超有名アイドル商法 でっち上げ 犯人』と入力した結果だった。

検索が0件であれば特にビスマルクも疑問には持たないが、データエラーに関しては話が別である。

「こちらを使うしかない――?」

 次にビスマルクが使用したのはARガジェットである。検索窓には先ほどと同じワードを入れるのだが――。

【該当する検索ワードでは記事を検索できません。お手数ですが、ワードの変更をお願いします】

 まさかのメッセージが表示され、ますます怪しいと感じていた。

しかし、ARメットの検索機能は特定ワードを検索不能とし、更にはエラーメッセージだけではなく警告音も実装されている。

そんな事をすればどうなるのか――想像をしなくても分かるだろう。

「どちらを使用しても同じならば、ここは違う方法を使うか。たとえば――」

 最後に奥の手としてビスマルクが使用するのは、アカシックレコードを取り扱うサイトである。

しかし、こちらの方は権限なしとしてアクセス拒否。やはり、スタッフ権限がなければ無理なのだろうか?



 同刻、アンテナショップで調べ物をしていたのは比叡ひえいアスカである。

ネット上のタイムラインでも流れてくる単語が気になったらしい。あれだけ露骨にワードが出てくれば、誰でも気づく可能性は高いのだが。

「アカシックレコード――確か、超有名アイドル事変や古代ARゲームにも関係があると言う話が――」

 しかし、比叡が検索してもろくな情報は出ない。

仮に出たとしても、アフィリエイト系まとめサイトへの誘導リンク、違法なアプリのダウンロードがスタートするリンクと言うのもある。

「明石のような人物でないとアカシックレコードへのアクセスは不可能なのか?」

 ネット上でも神として噂になっている明石と言うアカウント、この人物ならばアカシックレコードへのアクセスが可能だろうと考えている。

しかし、それ程の人物がARゲームに姿を見せるのか? しかも、パワードミュージックと言うフィールドに。

「しかし、アクセス可能な人間が明石だけとは限らない。むしろ、他の人間もアクセス出来る可能性があるのでは――」

 アカシックレコードが神のごとき力、それこそご都合主義の象徴、デウス・エクス・マキナとも言われる程の力を持つ――と言うのはネット上の話だ。

アカシックレコードの様な存在であったとしても、それを見た所で未来を変える事は難しい。

あくまでも、予防対策を取れる可能性がある――と言うレベルの場合も否定は出来ないだろう。

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