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リズムゲームプラスパルクール  作者: 桜崎あかり
エピソード12『次のステージへ、ゴングを鳴らせ!』

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エピソード12-16

2017年2月22日付:加筆調整、サブタイトル修正


 午後3時45分、参加するメンバー4人がARアーマーを装着し、準備が完了した。

リザーバーであるローマと木曾きそアスナは参加プレイヤー4人がそのまま出場する為、出番なしと言う事になっているのだが。

「この場にいると思われた比叡がいない――」

 木曾は人影の中に比叡ひえいアスカがいると思っていたが、その姿は全くない。

彼女が蒸発したとは考えにくいので、帰路についた可能性が高いのだが――決めつけるには早計だろう。

「このレースは直接目撃するか、動画サイトで見るかで印象は変わるだろう。見ているとすれば、遠くから――と言う可能性もある」

 大和朱音やまと・あかねは今回のレースが直接目撃するか、動画サイトで見るかで印象が変化すると断言した。

おそらく、それ位の価値が今回のレースにあるのかもしれない――そう考えている。



 スタート地点に最初に現れたのは、ヴェールヌイである。アーマーの方は決勝用に用意した物ではないが――カスタマイズされている事は何となく分かっていた。

予選までの間にアーマーが大破した訳ではないのだが、決勝を考慮してアーマーを調整したという証拠だろう。

「ここまできた以上は――全力で挑むまで!」

 バイザーごしで確認はできないが、その目には以前の様な迷いがあるような眼ではない。

今の彼女は――ARゲームに挑もうと言う1人のプレイヤーとしての目をしていた。

 2番目に姿を見せたのは、リベッチオ。しかし、彼女はヘッドフォンを耳にしており、ARバイザーは装着していない。

ARアーマー及びインナースーツは装着済みだが――何があったのだろうか?

「さて――と、始めますか」

 ヘッドフォンを外した後に指をパチンと鳴らすと、ヘッドフォンはARメットに変化したのである。

これだけでも周囲は驚くのだが――そのARメットをそのままかぶったのだ。

「こっちもゲームを楽しむという事をメインに――頑張るよ!」

 周囲が予想していなかったリベッチオの決意表明、それには周囲も静寂に包まれるような反応だった。

しかし、数秒後には再び歓声が――。



 3番目に姿を見せた人物は、以外にもアイオワの方だった。

両腕にはアガートラームにも類似したARガジェットを装着し、背中のバックパックは大型主砲を思わせる。

さすがに使用禁止ではないが、チートプレイヤーのいない決勝でアガートラームは無用の長物と考えている可能性が高いだろう。

彼女のアーマーのモチーフは戦艦アイオワではないのだが――そう見られてもおかしくはない可能性もある。

さすがに――リアル乳を見せるようなスーツはスポーツ系ARゲームでは禁止されているので、そこまで露出度が高い訳ではないが。

「ランカーの称号を得たと言っても、それが終着点にはならない。すぐに飽きてしまう様な人間やネット炎上勢力と違う所を――見せてあげる!」

 アイオワはナックル型のガジェットでグーを作り、その拳を目の前に突き出した。

それはまるで、空手の型を披露するような――そんな気配を感じるだろうか。

 最後に姿を見せたのはビスマルクである。彼女が立っているラインは、他のメンバーよりも後ろに位置しているが――これは予選スコアによる物が高い。

予選のスコア、今回のトーナメントでのスコアを考慮した結果が――スタートラインに関係している。

しかし、リズムゲームプラスパルクールはあくまでもリズムゲームがメインとなっており、スタートラインは関係ないと言ってもいいが。

トラック競技やレースゲーム等の様にポールポジションを取る事でアドバンテージを得るようなゲームとは違い、ここで試されるのは演奏のミスを減らす事だろう。

フィギュアスケートでミスが減点に影響するのと同じように、リズムゲームでは1つのミスが致命傷になる事さえある。

さすがに自身でハードゲージに代表される厳しいオプションを付けていれば、話は別なのだが――決勝と言う事もあって結果に左右するオプションは使用できない可能性が高い。

「完璧な演技――それこそ、マニュアルに載っていないような技術を、リズムゲームでは求められる。攻略本片手のプレイが、本当に正しいのか――」

 ビスマルクは気持ちを落ち着かせようと色々と試すのだが、それでも極度の緊張で固まってしまいそうだ。

「今までのARゲームでも、ここまでの緊張はなかった。これが――リズムゲームの緊張なのか」

 彼女は改めて思う。今までのプレイ以上に、今回のランカー決定戦は少ないミスが求められるだろう。

しかし、パーフェクトなプレイが全てなのか――それ以外は否定されてしまうのか? そこで彼女は悩み続けていた。

「リズムゲームはスコアだけが全てではない。それを――証明する!」

 ビスマルクの方も覚悟を決めたようだ。そして、レースは始まろうとしている。



 谷塚駅近くのイースポーツ専門のカフェ、そこにはヴィザールの姿があった。何故、ここを訪れたのかは不明である。

このカフェは最近出来上がったばかりでARゲームには非対応だったのだが、そちらも対応した方が盛り上がると判断してARゲームも取り扱い始めていた。

「このレースの結果で全ては変わるだろう。レースの成績だけではなく、内容も問われるのかもしれない」

 覆面を着用している彼だったのだが、この場に限って言えばメットは脱いでいた。

その正体は――アカシックレコードにも記されていない人物であり、その正体を見て周囲がざわつく事はなかったという。

だからこそ、ヴィザールはメットを外して入店する。イースポーツカフェではARバイザーやアーマーを着用したままの入店は不可能と考えていたのかもしれない。

実際は脱がなくても問題はなかったようだが。さすがにAR以外のバイク用フルフェイス等は止められるのは言うまでもない。

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