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リズムゲームプラスパルクール  作者: 桜崎あかり
エピソード12『次のステージへ、ゴングを鳴らせ!』

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エピソード12-8

2017年2月16日付:加筆調整、サブタイトル修正


 今回の比叡とウォースパイトのレースは、中継終了後に早速動画がアップされた。

そのプレイを見た者は、あまりの衝撃に言葉を失ったと言う――。

比叡ひえいアスカの成長だけでは語れない程の進歩、それがこのレースに集約されていた。

さすがに決勝レースとは違う為、このレースはエキシビションに近いのかもしれない。

【これが、プレイし始めて間もない様なプレイヤーなのか?】

【信じがたい。これが――上級者なのか?】

【これが神プレイか?】

【実況者のような人気取りの為だけのプレイよりも、伝えたい物を感じる】

【一体、何を訴えようとしているのか――】

 つぶやきのタイムラインは相変わらずであり、比叡の目的を理解しようとはしない。

おそらく、一連のガイドライン変更に関する部分で大きく関与した事、ネット炎上の一件など――あまりいい印象を抱かないのだろう。

「反ARゲーム団体も沈黙するとは――一体、このレースには何があるのか」

 運営の男性スタッフは、ネット上のつぶやき等を警戒する作業をしていた。

その中で動画がアップされたというつぶやきを見て、該当する動画を見ていたのだが――。

「これは――」

 その男性スタッフは、比叡のプレイに魅了されたと言ってもいい。

それ以外にも比叡のプレイを絶賛するような人物もいたが、そうした人物は大抵がネット炎上勢力やタダ乗り宣伝勢力と言われてしまう。

単純に『凄い』や『かっこいい』と言った一言では、ネット炎上勢力や悪目立ち勢力と勘違いされる状態になっていた。

しかし、ゲーム未プレイ勢力等にとっては――便乗宣伝に、これほどの素材はないと考えている。

「あのプレイから普通に感動しただけでは――繰り返しになるだろうな」

 ガーディアンの一人がつぶやく。彼は一連のネット炎上の原因を突き止めるべきと運営に直訴していた事もあったが、却下されてしまう。

そういった草の根活動もガーディアン勢力には存在する。しかし、それが運営にどのように感じ取られるかは、熱意や伝えたいメッセージにもよるだろうか。



 午後1時15分、比叡は既に指定された場所へと移動をしている。ちなみに、ローマとは別行動だ。

比叡がARバイザーではなく、ARガジェットで情報を調べている中で――。

「やっぱり――そう言う流れになるのか」

 比叡は新交通での移動中にフジョシ勢等が悪目立ちをする為の行動を起こしている事を知った。

理由は様々で、どの作品の事を指すのかもバラバラだろう。推しのカップリングを巡ってのネット炎上なのは容易に分かる。

しかし、これらの行動は数分後にあっという間に沈黙をしていた。何故、あっという間だったのか?

アカシックレコードの様な物やご都合主義的なメタ、更にはデウス・エクス・マキナの様な存在――色々と考えられるかもしれない。

これに関しては、比叡も気にしたら負けと判断して――今は決勝レースに集中する事にした。

「飛龍丸が行動を起こしているのか、それとも――?」

 飛龍丸ひりゅうまるの一件を知っていた比叡は、今回の行動も飛龍丸のものと考えていた。

しかし、ニュースサイトの記事によるとメイド服型のアーマーではあるのだがカラーリングは飛龍丸のソレとは異なるらしい。

このカラーリングが、更に別の人物なのか――単なるコスプレイヤーなのか? 便乗勢力としては、アーマーが手抜きではなく本格的だ。

ニュースは流しでチェックしているだけであり、今は別の楽曲を聞いて集中力を上げている所である。

「今は――自分に出来る事をするだけか」

 彼女の聞いている楽曲はクラシックアレンジと言える物だが、周囲に音漏れはしない。

これもARゲームのシステムを利用した音楽プレイヤーであり、電車やバスの中でも重宝する。

このガジェットはARバイザーに標準装備されているのだが、そこまで細かいシステムをARゲームをプレイする際には把握しない。

それが――ARゲームにおけるトラブルの最大の原因かもしれないだろう。



 この件に関してはネット上のスレで有名になっていた。

《一部のアフィリエイトまとめサイトが閉鎖されている件について》

 内容は、パワードミュージック時代にもネット炎上を仕掛けていたアフィリエイトまとめサイトが次々と閉鎖された事についてである。

スレのまとめによると、閉鎖に追い込まれている件自体は超有名アイドルの芸能事務所が強制調査を受け、関係する政治家団体等に飛び火した段階でも動きがあった。

しかし、今回のサイト閉鎖に関する部分は別の理由が存在していた。

【あの飛龍丸が本格的に動いた辺り――厳密に言えば、パワードミュージックがバージョンアップした辺りから動きが変化した】

【リズムゲームプラスパルクールに名称を変えた辺りか。確かに、そこからガーディアンも強化された話を聞く】

【しかし、以前のARゲームのガイドラインの方が厳しいはず。何故、改訂されてからの方が厳しく感じるのか?】

【確かに改訂前は魔女狩りのようなガーディアン勢力――と言うよりも、ガーディアンの皮を被った過激派が存在していた】

【あの過激派は政治家団体とも手を組み、都合よく超有名アイドルコンテンツを間引きしていたという話もある】

【つまり――ARゲーム側が認めない勢力はガーディアンと名乗れなくなったのか】

【これによって、いわゆるなりすましや悪質なタダ乗り、アイドルグループの宣伝に悪用、アフィサイトの増殖も防止しているという話だ】

 要点をまとめれば、ガーディアンの中にもなりすましが存在し、そうした悪質な勢力にもガーディアンの名前を使わせないようにした、と言う事らしい。

要するにガーディアン活動の為にはARゲームプレイヤーでなければならない――と言うルールを追加したのである。

中にはARゲームの商標権を不正取得し、こうした動きをけん制しようとした勢力もいたが、別件で逮捕される事になり――彼らの行動は阻止されたらしい。

しかし、本当に阻止されたのかは疑わしい部分もあるのだが――更なる炎上を繰り返している訳ではないので、一応は阻止されていると実感できるのだろう。



 そうした事情があり、ガーディアンの顔ぶれが変化する事になったと言う。

かつてのガーディアンが改めてARゲームに参加する事でガーディアン活動を行っているのも、その一つである。

それだけではなく、蒼龍丸そうりゅうまる天津風あまつかぜいのりという新規勢力を生み出す事にも貢献した。

天津風に関しては以前からも行動をしていたのだが、あくまでもガーディアンとしての行動ではない。

そうした事もあり、一部からはARゲーム過激派とも指摘されていたのだ。命名をしたのは、アイドル投資家なのは火を見るよりも明らかだが。

「比叡には、感謝をすべきなのか――?」

 ARメットを既に被り、予選会場を後にしようとしていた天津風は、ARメットに表示されたインフォメーションメッセージに驚く。

《谷塚駅付近のアンテナショップ○○支店へ向かってください》

 予選には敗退し、敗者復活のルールも存在しないランカー決定戦。

天津風はメッセージの表示された理由が分からずじまいだった。仮にリザーブ等であれば、用件も表示されるだけに謎が多い。

一応マップも表示された為、そこへ向かう事にはする。一体、何が待っているのかは別として――。

「一体、何が待っているのか――」

 天津風は疑問には思う中で、マップに表示されたポイントへと向かう為の準備をする。

別のアンテナショップで移動手段を借りると言う手もあるのだが――それだと目立つのは明白だろう。


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