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8. 現実主義者の異世界ライフ

毎度毎度更新遅れ&深夜投稿スミマセン・・・・・(。´Д⊂)


是非是非コメント&ご指摘おねがいしますっ!!!

 どーも!みんなのアルムお兄さんだよー!実年齢非公開だよーっ!


 今日もいつも通りの業務に勤しんで見事1日の就労時間を達成できた。んじゃー今日もアイリの八百屋に寄ってから帰るかなっと。にしても・・・・・。


「スーツかぁ」


 出版社なだけに外回りも多く、フォーマルな格好になるのはしかたないんだけどスーツ着て八百屋ってのもなぁ。毎度のことながらつい違和感を感じてしまう・・・と、いうのが俺の勝手な考えなんだけど前世よろしく会社の帰りに奥さんからお使いを頼まれ、買い物を済まして帰る男性も割りと珍しくない。実際主婦の奥様方に混じって色んな小売店に顔を覗かせている会社員風の人はけっこう見る。

 いや別にいいんだよ?でも俺のなかでは中世ヨーロッパな街並みと近代的なイメージのスーツはなかなか結びつかないってだけの話ね。

 ま、何だかんだで結局行くのさ、はよ帰りましょ。


「おつかれさまでーす、お先あがりまーす」


 前世のときも、てかどこでもそうだけど挨拶って大事だと思う。

 人として一応社会人として。


「うーい、おつかれさまです」


「あっ若社長あがりますかー?」


「あはは、はい。お先に失礼しますアナスタシアさん。あと若社長じゃないですからね?俺、ただのお手伝いですから。この会社だって継ぎませんし」


 アナスタシアさん、アナさんは俺の3つ上で今年20才だったけ。

 この国の成人は15才なので20才になったからといって何があるわけじゃないんだけど日本人の感覚では10代から20代になる1才は特別なように感じる。

 切り揃えられた銀髪の前髪が窓から差し込んで来た夕日に照らされて金糸のように揺れている。

 その醸し出される綺麗系オーラとは裏腹に端正な顔立ちから、快活な言葉がとんできた。


「まったまたぁ~。若のおかげでどれだけこの会社が大きくなったと思ってるですか?わたしも給料ものすごいことなってますよ!あはっ」


 あー、トレーディングカードゲーム。

 前世ではなかなかにメジャーなものだったけどこちらでカードゲームと言えばトランプによく似たものがその意味合いの九分九厘だ。

 最初は『もしかしたらこれ受けるかな?』くらいの気概で始めたもののはずなのに気づけば国中に広がりかけている。どゆこと?

 まぁそこまでのものになってしまえばその考案者で社長の息子な俺が会社を継ぐだろうというのは当たり前の発想・・・なのはわかるけど。


「はは、恐縮です。でも今すぐに将来決めてしまうのはなにか勿体ないような気がするんですよ」


 みたいなかんじでさりげなーくごまかそうとしたが、


「な、なるほどぉ。しっかりした考えをお持ちなんですね!さすがです次期社長!」


 原点回帰である。

 うわぁ、どうしよー会話が輪廻転生してるんですけど~。

 いや、もうこのさいアナさんにはそーゆー受け取りかたで納得してもらっとこう。

 そしてへらへらした苦笑いを浮かべて会社を後にした俺だった。



 産まれたときにさ、思ったんだよ。

 ここはどこ?なんで俺はここにいる?いきなり赤ん坊の状況に自分があったら真っ先にそのへんを思い浮かべるのはだいぶ真っ当な反応じゃないか?正直めちゃめちゃ不安だった。

 で、1年もすれば赤ん坊ではあったけど世界の成りはなんとなくわかった。ここは日本じゃあ決してなく、むしろ地球ですらない。

 言葉も違うし文字も違う。それはもう世界に立った一人の気分だった。

 まぁ、数年たって妹も出来て親父とお袋、家庭に恵まれて育てられたと思う。

 そこからは孤独~だとか虚無感みたいなものは一切感じなくなっていた。特にいっつも隣にいてくれた幼馴染みのおかげかな。

 そしてまた違う事を考えるようになった。


 そんな彼らに恩返し、いやそんな大仰なものじゃなくてもいいからなにか力になりたいと思った。


「その結果のカードで若社長扱いだもんなぁ」


 大通りの綺麗に舗装された路傍で歩きながら一人ごちる。おや、あんなところに喫茶店できてたんだ?


 ん。

 でもそれはそれ、お手伝いはお手伝いだ。

 社長の親父も俺に会社を継いで欲しいようだったけど将来については俺も自分の考えがあるといって納得してもらった。


 それというのも企業、自分で会社を興してみたい、親父やお袋みたいに。あ、お袋副社長ね。

 幸い俺には前世で働いていた経験もあるからそれを元にして広告代理店を立ち上げるつもり。

 といっても全て一人でまかり通る業種ではないんだけどそこはまぁ・・・・・・チャレンジだ。実際この世界にあってどれだけのニーズがあるかはわかんないけど元本職、真似事以上にはしてみせるさ。


 そう、だから結局は何かしたいんだ、俺にしかできないことってやつ。

 今はもう知らない場所ではなくなったこの世界だけどなんとか、俺は確かにここにいたと胸を張って言いたいから。



 まぁそんなこんなでアイリの八百屋(店番は親父さんだった)で買い物して広場前の通りに差し掛かったところで・・・お?

 大きな、それでいて毛並みの綺麗で触ったら確実にもふもふ天国直行便なゴールデンレトリバー風の犬を連れた女の子が目に入る。遠目にもわかる手入れされたツヤのある茶髪に印象的な垂れ目が特徴のマキナちゃんだ。

 学校から帰ってすぐ来たのだろう、俺も通っていたからよくわかる女子生徒指定のブラウスに膝丈のプリッツスカートの出で立ちだ。ほんとしっかりしてるよなぁこの国。

 俺より2つ3つ年下に見える彼女はキョロキョロと辺りを見まわしているようで人でも捜しているのかな?


「よっマキナちゃん。誰か捜してる?」


「え・・・・・あひぃっ!?せ、先輩ーっ!?」


 なぜか女の子らしからぬ悲鳴をあげて驚くマキナちゃん。

あれ?俺ってもしかして嫌われてる?


「あ、す、すみません先輩。突然でびっくりしたものですから・・・・・」


「お、おお。そかそか、こっちこそ驚かせちゃったみたいでごめんね」


 ほ・・・嫌われていないようで安堵のため息です。もしや声を掛けるだけでセクハラとみなされたのかと思った。いやそれはさすがにないか。


「いえ、それよりお仕事もう終わりました?」


「そうだね、今日はもう終わったかな。アフターファイブだ」


「あふたー・・・・・?」


「あ、いやなんでもない」


 異世界の若者には通じないか、いや通じるわけ無い。そもそも日本の若者だってもう知らんだろ。


「そ、そうですか?あ、でももう仕事終えられたんですよね、な、なら……その、少しお話していきませんか?」


「うん、いいよ。この季節だとこの時間でもまだ明るいもんな」


 マキナちゃんとはこの公園でよく会う。会っても立ち話程度だけど学校の近況報告など聞けてけっこう楽しい。

 最近ようやく寝苦しさから解放されだした夜だがそれでもまだまだ日中は暑いし日も長い

 それが夏だと割り切らなきゃクーラーなしのこの世界ではやってけない。文明がたまに恋しくなるよ・・・・・。



 だからいつもより赤みの差したマキナちゃんの頬も少しづつ足音を遠のかせている夏のせいなんだろう。











更新はやく・・・・・・。

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