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映画『エミリア・ペレス(Emilia Perez)』(2024)は面白かったのか?

 皆さま、よき映画ライフをお過ごしでしょうか?

 N市の野良猫、ペイザンヌです。


 今回は『エミリア・ペレス』、先日のアカデミー賞ではなんと13部門がノミネート、歌曲賞と助演女優賞ゾーイ・サルダナ二部門が受賞でしたね。


 私ことペイザンヌは映画を観るときは大抵、内面や脚本重視なのですが、この『エミリア・ペレス』ですね、まず「外面」が良いんですよ!

「外面」てのは、まあボクは声フェチ・音フェチなんでwそこはどうでもいい

──この映画ね、「耳が」めっちゃ喜ぶのね!

 (꒪꒳꒪)ゾク

 てか、そもそもミュージカルってことをボク忘れてまして(あ、そーいえばそんなこと言ってたね……くらいw)なのでいきなり歌い始めた時は椅子からコケ落ちそうになりましたがw某ディズニー新作とは違い、こちらの歌唱、ダンスは魅せられましたね!

 開始10分くらいですでにガッツリ掴まれた感じ。


 特筆すべきは「歌ってない場面」でも台詞にタン、タタタンみたいなテンポを乗せてくる場面があるのね。

 そっれがまた心地よくて!!!

 アレ好き〜


 かと思えば単なる医者とのやりとりを歌にしてメロディを重ねてきたり。これ、もし音だけ消して字幕のみを読んでたら普通に喋ってるように見えるよな、歌ってるってたぶんわかんないよな──なんて時々脳内で音を消して遊んでたりもw


 中盤になりエミリアたん(リゼロ?w)が手術により女性になり、自分が死んだと思ってる妻と子供と再び暮らし始めるなど「うっわ、このシチュエーションおっもしれ〜な!」という場面が多々。


 まあ今までさんざ裏稼業で悪いことしておきながら「女性になって人生を変えたい……」とか「いやふざけんなよ」とも思うけど、その身勝手さもまた“人間の欲”のひとつであって映画の素材としてはグーなのよね。


 ボクがこの作品の核と感じたのは「半分」というワードです──男半分、女半分てのももちろんそうだし、男として人生の半分を生き、女として半分をまた生きてみたらどうなるか? なども。

 またそれ以上に、収入曲の歌詞にもあったような

「あるはない」で「ないはある」

 または、

「何でも手に入るけど何も得てない」

 けれど

「何も持ってないけど全て持ってる」

──こういった哲学もボクは以前から好きで、引き込まれましたね。


「変わろうとするが変われない」という主人公のごうも。


 奇妙な偶然というか、この映画の抱えた不遇さ、それさえもその「半分」というワードに引っかかるんですよ。知っての通り本作には様々な”映画の内容とは別の問題”がありましたよね。


 ボクはこの作品を確かに面白いと思いましたが、それらを加味すると「わかってねぇなぁ」に引き戻されちゃうんですよ。


 まさにこれも「面白いは面白くない」で「面白くないは面白い」です。


 せっかくこっちが面白がってるのに「わかってねぇなぁ」というクソリプの如くメキシコ人からすれば「面白くない」のです


 逆にボクが楽しめたのは「何も知らなかったから」とも言えます。まあ、ボクはまあソレも全然ありだと思う派ですが。


 主演女優カルラ・ソフィア・ガスコンのマイノリティに対しての差別発言以上に(もちろんそれも問題ですが)“映画として”『エミリア・ペレス』の問題点と言われているところは、本作の舞台であるメキシコ──この描き方を地元メキシコの人たちが批判しているということの方が重要なんですよね。


 ネガティブに描き過ぎている(麻薬取引や誘拐、失踪──これらが起こってることは間違いなく社会問題ではあるのですが)ことや、メキシコ人をほとんど使用しないキャスティング、スペイン語のアクセントが全く違うといった問題。まあ外国映画で日本人がヘンテコに描かれる感じなのでしょうね。


 一方、例えばボクはスペイン語の細かいアクセントなどもよくわかりませんからね。“何も知らない”方が面白く観れるというのは皮肉です。

 それでも自分が「面白かった」という事実──ここも大事にしたいんですよね。


 主演女優の差別発言の大炎上については、ググればいろいろ出てくるので詳しくは述べませんが、デジタル・タトゥーを残してしまうと将来どんなに大チャンスが訪れようが全部パーになるかもよ──てのも、この映画のもう一つの裏テーマかもしれませんねw


 カルラ・ソフィア・ガスコン、演技も歌もとても良かったのにね〜

 (;´Д`)ザンネン…


「ともあれ自分だけは面白かったよ!」という“主観”と「ただしこの映画のココは間違っているのだな」という“客観”。


 この映画に限りませんが、この辺りを踏まえながら観ていくのことも大事なのかもな……とも思わされますね。


 けれど映画はフィクションであり、エンタメ、娯楽でもある!

 これも大事すよね!


 もちろん、出来うる限りリアリティに沿って演出してほしいということも映画にとって大事なことですが、ぶっちゃけですよ? 本当の本当の話、それほど人種、社会問題、歴史などについてガッツリ知りたい、間違いは許さない!──というのであれば映画なんか観ずに、本や書籍をきちんと読み、学べば良いだけの話ですからね。


 やはり面白いストーリーを作るためには飛躍や多少の嘘もあってしかり、必要不可欠だとも思いますからね。

 繰り返しになりますが、ボクは映画は基本“娯楽”が優先だと思いますので。


 今回は考察というより、なんかSNS内で「ボクは面白かったんだからいいじゃん!派」と「わかってねぇな派」の争いはなぜ起こるのか?──『エミリア・ペレス』を借りて書いちゃった感じになっちゃいましたねw

スミマセン……


 では、また次回に〜!

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「note」の方でもこちらのエッセイを連載しております。画像付きでさらに読みやすく、こんなことからあんなことまでさらに詳しく、あなたの映画ライフをより豊かに♪note版『あの映画は本当に面白かったのか?【完全版】』
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