映画『アプレンティス/ドナルド・トランプの創り方(The Apprentice)』(2024)は面白かったのか?
ホンマにビフやんけ!──「BTTF2のビフは本当にトランプがモデルなのか?論争」ですが一応脚本のボブ・ゲイルは「そうだ」と言っておりますな。
皆さま、よき映画ライフをお過ごしでしょうか?
N市の野良猫、ペイザンヌです。
トランプタワー、カジノ、そして“妻の豊胸”……そんなところまでこの映画では描かれており、確かにこのトランプがやったこのアトランティックシティの開発って『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の『1』と『2』の間くらいに当たるんですよね。大統領にはまだなっておりませんが。
さて『アプレンティス』とは「師弟」という意味もありますが、実は大統領選の前にトランプがプロデュース・司会をしていたTV番組のタイトルでもあります。
実業家が経営する会社で右腕として働く人材が決まる過程を追い、脱落者にトランプが「君はクビだ! (You're Fired!) 」と言うのが決め台詞だそうです。これもどっかで見たこと…ありますよね?w
本作は『ボーダー/二つの世界』『聖地には蜘蛛が巣を張る』のアリ・アッバシ監督。コレまでとは随分カラーが違くね?──なんてことも思ったけどイヤイヤそんなこたありませんでしたね。
「人間の境界線」とはなんぞや?──という意味で今回は「殺す(勝つ)側」と「殺される(負ける)側」、真横に1本スパッと両断した切り口がハッキリ見えました。というのもこの映画、ほとんど「庶民の描写」がないんですよ。「上だけの世界」のみ。
トランプの兄が上に行けず、落ちこぼれて排除される──そこで境界線を見せてましたが
ある意味前作の舞台であるイラン同様、通常の感覚では入り込めない、少し理解しがたい「未知の世界」なのは確かなわけで。
「世界はなぜ良くならないか」の根本がよくわかった気がしますね。
絵描きなら「絵を描きたい」から、医者なら「人を助けたいから」──でも、全てを統治したい人って「上に行きたいから」の力のみが大き過ぎるのよね。
トランプが師であるロイ・コーンに教わる三つのルール「攻撃!攻撃!攻撃! 非を、負けを決して認めるな!」そんな考えでないと、そもそも上にすら登れないわけで。
「真に良い社会にしたいからオレは政治家になる!」そんな人が仮にいたとしても「ヤワ」と言われ、おそらく途中でメンタルを潰され、簡単に蹴落とされちゃうのは分かりきったこと。
「勝つ目的のためだけ」に金とパワーを注ぐ人に勝てるわきゃない。結局、最終的に誰が統治するのかというと、自分たちはそういう人たちに任せてるんだなってことになるもんねぇ……
ともあれセバスタはホントお見事でした!
まるで『ゴッドファーザー』の如く口に詰め物でもしてるんちゃうか?──みたいな喋り方、肥満体姿、ハゲの手術まで、生々しい演技を魅せてくれました。
「オレがキングだ……!」ラストもそんな『レイジング・ブル』のような気迫を見せてくれましたな。
では、また次回に!