映画『遥かなる大地へ(Far and Away)』(1992)は面白かったのか?
皆さま、よき映画ライフをお過ごしでしょうか?
N市の野良猫、ペイザンヌです。
『あの映画は本当に面白かったのか?』──自分にとってこのタイトルはホントに長く長く使っており、あちらこちらでこのタイトルを付けて映画感想を書いてきました。そしてこれからも書き続けます。
フト、このエッセイのタイトルの意味を忘れがちなので、長い年月を経て改めてもう一回観てみることにしたのが本作『遥かなる大地へ』。
もう何年も自分フェイバリット5の中に存在するにも関わらずキチンと観るのは今回でまだ三回目。
突拍子もないストーリーでも手法でもないけれどまさに脚本の「いろは」が詰まった作品だと思っております。結局多少はベタな方が安心できるのが人間ということなのか。
この映画がきっかけでトム・クルーズとニコール・キッドマンが結婚したわけだけど、はからずも船上でイヤミを言い合うシーンなど「ああ、離婚する前の二人ってこんな感じやったんかな(-_-;)」と頭に浮かばずにいられない──なんてこともあったり。
映画を観るうえでいつも気にしてるのが最初の30分。どう観客を引き込むかという作り手側の腕の見せどころ&技の競い合い。
これを見るのがまた楽しい。35分が経過しても尚且つまだ面白さを感じないものは大抵最後まで自分に合わないことが経験上多い。(もちろんそれに反する映画もあります。一度通して観て、もう一度観ると前半も「なるほど!」となる作品とかね)
前半の展開を軽く書くと
主人公の父が地主のせいで負傷
→遺言『自分の土地を持て』
→主人公、周りからの煽られ、わけのわからぬうちに父の復讐をするハメになる
→ドジ続きで結果、復讐相手の地主に助けられてしまう。なぜか地主の娘の許婚いいなずけと決闘するハメに。
→退屈な日々に飽き飽きしていた地主の娘、「アメリカに渡れば土地がタダでもらえる」
→二人、アメリカへ……
とコミカルかつテンポが早い導入部には学ぶべきところが物凄く多い。チャンネルを変えようかなと思ったタイミングで「あれ?」と新たな事件をぶつけてくる匙加減がこれまた絶妙。
主人公の思惑とは違う方へ違う方へと運びながらもきっちり本流へ誘う展開はアメリカに渡ってからも続く。んで、
『あの映画はハタシテほんまに面白かったんか?』
結論として──
今でも『遥かなる大地へ』は、やっぱお手本のようなストーリー展開、且つ参考書のような映画であり、ヘコんだ時などに観たりすれば純粋に「前向きにワクワクできる」冒険活劇飲料であった!
まだしばらくの間はマイ・フェイバリット・5に加えさせて頂くことになりそうですね。
監督は巨匠ロン・ハワードですね。そもそも彼の映画にハズレはほとんどないのですが。
では、また次回に!