映画『パリタクシー(Une belle course)』(2022)は面白かったのか?
皆様よき映画ライフをお過ごしでしょうか?
N市の野良猫ペイザンヌでございます。
さて今回の『パリタクシー』。
こちらは昨年の年間ベスト3位に選んだ映画であります。
先日『第47回日本アカデミー賞』でも外国作品賞を受賞しておりましたね。ぶっちゃけ驚くこともなく「そりゃ当然」「そりゃそうだろ」とそんなことを思っていた部分もありました。
いや〜一見地味なタイトルのこの作品、ホントやられたな──と。
ラストシーンなど、口をねぇ「あ〜ん」と開けてたんすよ。そうしないと「ヒック……ヒック」て変な嗚咽がもれちゃいそうで。
もちろん泣いた映画が決して「良い映画」とは限らないけど、それでも“昨年一番に「心が震えた」のは間違いないんすよね。
「映画『BLUE GIANT』は面白かったのか?」の時にも似たようなことを書きましたがアレは「最も劇場で“長時間”泣いた」作品です(どんだけ泣くねんw)
いわば長時間雨が続いた感じですね。
対してこちら『パリタクシー』は最後の最後で感涙がまとめてやってきました。まさに「瞬間的ゲリラ豪雨」のような感じといえばいいのか。
比較するのもなんだけど、この翌日に観た『雄獅少年/ライオン少年(2022)』という中国のアニメ作品──こちらも自身かな〜り感動した部類なのですが、にしても『パリタクシー』の“震え”の方が大きかったもんな……二日続けて良い作品にぶつかったのを覚えております。
ぶっちゃけ鑑賞前、少しナメてましたからねw
どうせまた『ドライビング・ミス・デイジー(1989)』とか『グリーン・ブック(2018)』みたいなんでしょ?──お偉い人とその運転手、環境の違う二人がイロイロあってお涙頂戴なんしょ?──くらいに。
いわゆる「ボーイ・ミーツ・ガール」、おっともとい「おっさん・ミーツ・ばーさん(失礼、マダムですね)」の話ですが、今回かなり「予告」の功績が大きかったと言えますね。
アップテンポのほんわかした予告だが、実際劇場て観てみて「よもやこんな話だとは……」という落差が中盤、地滑りのように襲いかかってきたというか。
「よくぞ隠してくれた」と!
脚本がまた良いのですわ。「なぜそんなことをするのか?」「なぜそんな台詞を言うのか?」──そういった登場人物の言動にほぼ違和感がない。
右肩上がりにそのまま最高潮へと達する手腕が見事過ぎ。最後のカットアウトから、やがて……
もう口を「あ〜ん」ですよwww
劇場を出た後の「余韻」も最長持続記録かも。
二時間くらい酔っ払った感じになってましたね……いやホント。なんか右に左にフラフラしてたものw
基本、映画などしょせん「誰かが作った話」を「誰かが嘘として演じる」のは当然。だがコレにはソコをあまり感じさせないというのか──
上映時間がたった90分なのに、まるで自分が体験してきたかのように、そのまま後の人生に経験として蓄積されるパワーがありましたね。
まるでフェリーニの『道(1954)』を観て「みろ、ザンパノは俺だ!」と感ずるアレに近いものがある。「映画『PERFECT DAYS(2023)』は面白かったのか?」──の時にも書きましたが、主人公を見て「アイツは俺だ」と感じることができる映画に出会った時ほど嬉しいものはありません。
上映時間が90分に対し、劇中の時間進行はほぼ1日だけなのですが、観終わったあと、冒頭のシーンを振り返ると、それがただ「90分前」というだけでなく、どこかとてもとても昔の出来事のように思えてくる不思議さがあるんですよ。
おそらくこれはその間に自分の中の何かが明らかに変化した証のように思えるのですね。
本当にお薦めなのでまだの方はぜひ。
では、また次回に!
【この映画のキャッチコピー】
『人生にとんでもないサプライズが乗り込んできた』
【作品の舞台】
現代:フランスの首都パリ。
【原題】
『Une belle course』
直訳で「美しい進路(軌道・ルート)」といった感じでしょうか。
【インフォメーション】
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