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映画『127時間(127 hours)』(2010)は面白かったのか?

 おっす! オラ、ペイザンヌ。


『トレイン・スポッティング』『スラムドック$ミリオネア』、ダニー・ボイル監督の作品はいつも疾走感に溢れていて大好きだ。


 本作『127時間』なんて大半は主人公が岩に挟まれて動けないのになんでこんなにも疾走感があるのだろう。前に一度見た映画だが今回改めて二度目の鑑賞。


 公開前にあらすじを読んだ時には脱出方法があるとすれば“アレ”しかないよなぁ……と、つらつら考えておりましたが全くその通りであったわけです。


 が、だから面白くないなんてわけもなく、今回も大満足。


 オチが読めたとか表面的な筋書きだけであーだこーだ言うのは自分がまだまだ映画というものをちゃんと観れてない証拠なりと言い聞かす。発端、過程、トラブルに巻き込まれてからの主人公の内面変化、脱出してからの結末まで、すべてのシークエンスに見所満載。

 

 あらすじだけ読んで『ふーん、こんなんなんだ』と、放置している映画はまだまだあるけど、やっぱ見てみないとわからんということですな。

 

 その反面、よくわからないのに何となくわかった風になってしまった映画というのもこれまで多々あったわけで。


 たとえば『スタンド・バイ・ミー』(ドラえもんじゃない方)なんかは最初に映画館で観た時、とてもビミョーな感覚だったの今だに覚えているのね。


 皆、口をそろえて“あ~よいよいのこりゃさ”と言ってたのでこちらも“あ~よいねよいねのどっこいしょ”と言わねばならぬような気になる恐るべし集団催眠の恐怖。


 今でこそ見返してみてノスタルジックな感覚に浸れもするが、中学生くらいの年齢であの映画を“面白かった! ”などと絶賛するヤツは心のどこかで『終わってんちゃうかな』トカ少なからず思ったもの。


『イヤイヤ、キミら(僕ら?)まだ違うっしょ! キミら自身がこれから死体を見つけに行ったり、鉄橋で汽車に追いかけられたり、チン〇ンをヒルに吸われたり、おバカなことしたり、冒険するんしょ?! 』

 みたいな。


「あの頃のような友達にはもう一生出会えない……」

なんてラストに涙する中学生なんて、なんかヤダ……(=_=;) 


 みたいな。


 だったらばポップコーン片手に『グーニーズ』あたりを見てキャンキャン言ってた方がまだ健全かもしれない(?)


 学校上映会トカで『マザー・テレサ』のドキュメンタリー映画を見せられた時も似たような気持ちになったんだけど、そんなん退屈で上映中紙ヒコーキ飛ばしてるような小学生の方がなんとなく信用できる気がしないでもない。


(などと、書いてはいますが“現在”理解できないものでも引出しにどんどん蓄えておくのは大切だと思っております。ああ、矛盾……)


 映画を観ることは“生きる”ことだなんて大層なことは言わないが、“生きてみて”初めて理解できる映画があるってのも確か。


 まあ、そこまで難しく考えなくても本作『127時間』などはまるっきりエンターテイメントの作品として楽しめるのだが、やはり自分自身が生きてきた過程とどこかしら照らし合わせちゃうんですわな。


 誰もが一度は通ったり、後悔したり、考え込む道。


 自分をがんじがらめにしてしまう『岩』はあるべくして最初からそこにあった。


『この石はずっと俺が来るのを待っていた……』


 今の私はそんな感情がぶるりと心でわかることができるだろうか。

 

 今の私だったら主人公に腹から共感できることができるだろうか。

 

 私が主人公に感情移入することは自分の感情をより豊かにするための活性剤であることを理解しているであろうか。そんなことを思いながら昔見てよくわからなかった映画を手に取ったりすることもあれば、その逆もまた然り。なぜなら例え同じ映画であっても観る側の状況や悩みによってそれは日々、人の数だけ変化するわけだもんね。


 それが今必要であったり必要でなかったりする人もいれば、その映画がたまたま救いになってくれたり、まったくもって無意味な時だってあるはず。



『あの映画は本当に面白かったのか?』


 自分が成長しているかどうかを計るためにも時々そうやって見直してみるのも面白いかもしれないと書き始めたこのカンソウキ。


 なんだか最終回みたいな口調になっちゃいましたがまだ続きますのであしからず(笑)


ヾ(@゜▽゜@)ノ

【本作からの枝分かれ映画、勝手に三選】


★『キャスト・アウェイ』(2000)


……大手運搬会社のエリートでなに不自由なく暮らしていた主人公が不慮の事故により無人島へ。四年の月日をただ一人で生き延びた彼に待ち受けていたものは……。親不知おやしらずは抜いておきましょうね……。写真は主人公がバレーボールに顔を描いて作った“友人”、エリック。


★『オデッセイ』(2016)


 ……火星探査の事故によりただ一人だけ生き延びた主人公。救助にくるのは四年後(これも四年なのね)しかも到着場所は現在地より遥かに離れた場所。それまで彼は生き延びることができるのか?。


★『運命を分けたザイル』(2003)


 ……アルプス山脈登頂を果たしたのち猛吹雪により遭難。転落で重症を負った友人と繋いだザイルを切り放ち主人公は彼を救出すべく一人下山を試みるが……ドキュメンタリーとフィクションを融合させた異色作だが、死への絶望、寒さと痛さがこの上ない感動作!

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「note」の方でもこちらのエッセイを連載しております。画像付きでさらに読みやすく、こんなことからあんなことまでさらに詳しく、あなたの映画ライフをより豊かに♪note版『あの映画は本当に面白かったのか?【完全版】』
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