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映画『ある閉ざされた雪の山荘で』(2024)は面白かったのか?

 みなさま、よき映画ライフをお過ごしでしょうか?


 N市の野良猫、ペイザンヌでございます。


 ここ数年サボってますが、東野圭吾さんの小説は大抵読んでおります。


 自分の中では原作小説で満足しちゃってもう完結しちゃうというか、逆に映画化されたもので、むしろ観てなかったりする作品も多いです。


 今やすっかり東野圭吾さんの代名詞的キャラとなりましたがガリレオこと湯川学、そして加賀恭一郎シリーズ。どちらもそれぞれ映画化されておりファンも多いかと。


 ガリレオ・シリーズは劇場版として

『容疑者Xの献身(2008)』

『真夏の方程式(2013)』

『沈黙のパレード(2022)』


 加賀恭一郎シリーズは

『麒麟の翼(2012)』

『祈りの幕が下りる時(2018)』 

──が、公開されております。


 本作『ある閉ざされた雪の山荘で』は完全にオチもトリックも忘れており、読み返すくらいなら映画で観ちゃおうと


 ただ『秘密(映画版は1999)』や『白夜行(映画版は2010)』以前くらいの原作って理系トリックというのもあり、掴みや展開は面白いんだけど「ん〜、なんかチト強引……」みたいなオチが多かったイメージも少しあるんですよね。


 ただそれ以降は「悪魔に魂を売ったんちゃうか?」くらいに激面白くなったけど。


 本作の原作も実は正直、あまり刺さらなかったのよねぇ。


 そんなこともあり、しかもコレ1992年に刊行された小説・トリックだし「なんで今さらなんだろ……」とも少し。


 まあ自分はファンなので全然いいんだけれど、そうでない方など、やっぱり少し強引に感じるんちゃうかな?──と、今回映画版の方を観ても以前と同じ気持ちになったのも確か……



 されど再発見はあった気がします。


「あ、この話の核というかテーマ、めっちゃ好きかも」と。



 映画序盤に出てくる「芝居とは殺し合いだ」という台詞、中盤の「私たち役者は嘘をついて観客を喜ばせる」という台詞、そして最後の──“あの台詞”


 この三つの対象的な台詞で、この映画の言わんとすることはおおよそわかってきます。


 そうかここがグッとくるポイントだったのか……と時を経てわかったこともいくつか。


 人は嘘をつく動物であります。


 嘘は時に人を傷つけ、時に取り返しのつかない事態を招くこともありますが、人を救うのもまた「嘘」である──そんな場合もあります。


「嘘も方便」ではないけれど、まさに「映画」という「嘘」もそれであり、「小説」や「演劇」などの芸術においてもそう。人は嘘に感動し、時には嘘によって力をもらい、前へ進める時もあるわけで。



 芸術だけでなく、日常で普通に使う嘘もありますよね。というよりプライベート以外では人など大抵どこかしら「演技」をしながら社会生活を送っているようなもので、「嘘」や「演技」によって“歯車”が回っているといっても過言ではないほど。


 時には本心ではないものの、愛する人や友人、または自分の子供を成長させるために、励ますために、前に進めるようにつく嘘だって世の中にはきっと少なくないと思います。


 これはジュゼッペ・トルナトーレ監督、ジェフリー・ラッシュ主演の『鑑定士と顔のない依頼人(2013)』を観た時も同じようなことを思ったのを覚えております。


 また「人間は嘘をつく」が口癖の主人公が登場する海外医療ドラマ『Dr.ハウス(2004〜2012)』もフト思い出しました。

 映画がメインである自分にしては珍しくハマったTVドラマでしたが、やはりこの「嘘」というテーマはもともと好きなのだろうな、と。



「真実を知りたい」という思いには必ずそこに「嘘」がついてくることを避けて通れぬこともあり──表裏一体として人間の興味を掻き立てる素材であるのは間違いないでしょう。



 実はもう少し深入りして書きたかったけれど「絶対にオチはバラさないでください」という作者様自身の言葉も劇場に貼ってあったので、口が滑る前にここらで断念します



 登場人物8人の中の1人を演じた岡山天音さんの出演してる『笑いのカイブツ(2024)』。こちらも現在上映中。スルーするつもりだったけど相乗効果でそちらも少し観てみたくなりましたね



 ちなみに原作は「なぜ古典ミステリではわざわざバレやすく捕まりやすい山荘やロッジで犯行を犯すのか?」──という柱を作者は逆手に取りたかったとのこと。


 ある意味劇中劇で、そして二転三転の仕掛け──昨年公開されたベン・アフレック主演の映画『ドミノ(2023)』の時も思いましたが、多少強引であっても、こうした新しいトリックにチャレンジしていく精神、失敗だろうが成功だろうが好きですね。


 応援したくなります。


 ではまた次回に!



    【この映画のキャッチコピー】

       『演技か、事件か』


       【この作品の舞台】


 映画版のロケ地は千葉県館山市見物にある貸別荘Cairns Houseで行われております。宿泊料金は一泊¥68000〜だそうです。


 タイトルにある「閉ざされた雪山」というのはあくまで“そういう設定の場所”という想定のオーディション、劇中劇の中の舞台という意味であります。


 

 一方、原作の方は長野県松本市安雲にある乗鞍高原のペンションが舞台となってますね。



       【インフォメーション】


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