映画『BLUE GIANT(2023)』は面白かったのか?
皆様、よき映画ライフをお過ごしでしょーか? N市に住む野良猫、ペイザンヌでごにゃーます。いつもたいへんお世話になっております!
原作漫画の方の『BLUE GIANT』は個猫的におそらくここ十年ほどの中で最も面白かった漫画である。これを読むと読まないでその後の人生が劇的に変化するのではないかとすらマジで思っているわけで。
読むのを躊躇してる人がいるとすれば、おそらく自分は音楽をやってないからあまり……とか、ジャズはあまり好きでないから……とかそんなところなんじゃなかろーか。
かくいうわしゃも読む前はその二つを見事クリアしてたわけなので気持ちは凄いわかるんよね。そんなわしゃでも「もっと早くこの漫画に出会いたかった」なんて思っちゃいましたからね。やはりもっと若い人におすすめしたいという気持ちが強い。
なのでこのアニメから入るのも全然アリだと思うやね。
どうしてこれほど惹きつけられるのかつらつら考えてると、やはり、誰もが最初は初心者である──という「入口の肯定」。 また、人より秀でたものを持った時に起こる「慢心、おごりに対する警告」。
そしてなによりその狭間で主人公が「売れるための分析、客を呼ぶためのデータ」などでなく「なぜやるのか?」「好きだから、熱いから」と直感に従いながら進んでいくという熱があるんよね。
その中で観客や読者は「今の自分ははたしてどの状況なのか?」と考え、どの状況であっても共感を持つことができる作りになっている。新人が読んでも社長が読んでも、天才が読んでも凡人が読んでも同じようにグッとくるキャラと展開になっている。
映画版は高校生活をすっとばしていきなり上京からスタートするので原作読んでる派だとなんとなく第二部やパート2を観てる感覚がするが、漫画では聴こえない実際の「生の音」や音楽と融合させたいだろうしね。これは仕方がない。むしろ劇場版としては英断だよね。
まあこちらも部分部分忘れてる個所もあったので幸か不幸か「あのシーンがないやんけ~やり直し」なんて気持ちにもならなかったわけで。
まあストーリーの大筋はわかっているのだが十分、いや五分に一回くらいあるグッと刺さる台詞や熱いシーンがくるともう……。
ジャズの聖地である「ソーブルー」の支配人に一番のベテランであるピアノの雪折が「問題は君だ。キミの演奏は面白くない」と言われる場面はやはり何とも言えぬ気持になるね。
まあ泣ける映画が本当に良い映画だとは思ってない方ではあるが、にしても開始三十分あたりからラスト近くまでずっと目の周りが湿ってたというか、もういちいち拭うのも面倒くさくなってきてずっと垂れ流してた感じになっちゃったな、と。
結構多くの映画を観てきたつもりだけど劇場でこれほど「長時間」涙出てたのはこれが初めてなんよね。記録だね。まさかアニメで……とは予想もしてなかった。
以前にも『ニュー・シネマ・パラダイス(1988)』や『レナードの朝(1990)』などで最後にだぁ~っと食らってしまい、明るくなっても恥ずかしくて立てなかったことなどはあるが「嗚咽」? あの「ひっく……ひっく」ってなるやつ? これが出たのも初めてだったね。思わずというか自分でも驚いたというか、隣の席の人もびっくりしたんちゃうかなw
「咳き込んでる」振りしてごまかしてたがバレバレだったろうな……
うん、本当にまだ見てない方はぜひ劇場で公開してるうちに観ておいてほしい作品ですね〜
最近はガチジャズバーなどでも上映してるとかでそちらで観るのもオツだろうな〜
原作の方の漫画では第二部ヨーロッパ編の『BLUE GIANT SUPREME』が終了し、現在第三部となるアメリカ編『BLUE GIANT EXPLORER』に突入しているが、映画版の続編ははたしてあるや否や?