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映画『シン・ウルトラマン』(2022)は面白かったのか?【ご報告があります……】

 さて、『シン・ウルトラマン』。かなり楽しみにしてたんでね、こちらも公開初日に観てまいりました。

 映画が好きな人でも、またそうでない人も多くの方が観るであろうと思いましたので、変に期待を煽らぬよう観賞意欲をなくさぬよう、ネタバレせぬようTwitterなどでも感想は書かなかったのですが、観客動員も150万人を突破したということですごいですやね! さすがに観てない人の方が少なくなってきただろうってことで、もうええやろと個猫的感想を書いてみようかと。


 と、その前に!


【ご報告があります……】


 うむ。いっぺん使ってみたかったぞ、このフレーズ。YouTuberたちがよく釣りでよく使ってるこのタイトル。サムネが許されるのであれば真剣な顔でこちらを見つめているペイザンヌの画像でもきっと貼り付けていたことでしょう。


 ひ~かりのく~にからぼ~くらのために~

 き~たぞ~わ~れら~の~ウ~ル~ト~ラ~マン~


 『M八七』もよろしいですが米津玄師どのがしっぽりとこの歌を歌うのも聴いてみたかったとこですやね。


 ん? 来たぞ我らのウルトラマン? ──来たぞ?──「来たぞ」?

 そう、ウルトラマンといえば「到来」(強引だなオイ)。「到来」といえば……?


『到来夜話 訪れのアンソロジー』


 いえ、映画のタイトルではございません。

 本のタイトルでございます。合同誌のタイトルであります。


「到来」「訪れ」にまつわる12編を収録

 著者6名が5,000文字以内の掌編を各2編書き下ろし!

 【収録作品】掲載順(タイトル/著者名)


追われる女/鈴木りん

あくがる/ペイザンヌ

冬将軍に春カアチャン/柿ノ木コジロー

九郎之介がやってくる/橋本ちかげ

シュレーディンガーの男/ペイザンヌ

山羊の心臓/gojo

春嵐のころ/霜月透子

ヘアと猥談とわたし/柿ノ木コジロー

押しかけ防衛戦/gojo

友人の多い男/鈴木りん

到来物を召し上がれ/霜月透子

花鎮~ハルピン1946/橋本ちかげ


【表紙・口絵】

葵生りん

【企画・編集】

霜月透子


 ってことで、今回主催者である霜月透子さまよりありがたくもお誘いの言葉を頂戴し、ペイザンヌもこちらに小説を二本、参加させていただきました。

 

 こちらは明日、5月29日(日)に開催される第34回文学フリマ東京──通称「文フリ──にて展示即売されるということで、先日惜しくも他界された上島竜兵さんの言葉を借りるのであれば「お前ら行くなよ……絶対買うなよ!」ってところですw

 

『到来夜話 訪れのアンソロジー』は、霜月さま個人の作品頒布されております「月夜の本棚」というブース内(ス-38)にて即売されておりますのでお近くまで足を運ばれる方はぜひお気軽にのぞいてみてくださいませませ。


12:00〜17:00

入場無料

東京流通センター(東京都)第一展示場

ス-38



 ペイザンヌも全て目を通しましたが、同じ「到来」というテーマでありながらとてもバラエティに溢れた一冊となっております。

「小説家になろう」のサイト内で石を投げれば必ずこのメンツの誰かに当たる!(か……な?)といった方々と今回は名を連ねることができ非常に感慨深いものがあります。むしろ邪魔してるのではないかと不安になるくらいでありますw

 え~「おまえさえいなければいい本なのに…」と言われる方、残念ながらブース内にはハサミを設置しておりません。「あの~すみません、ペイザンヌのページだけ切り落としていただけませんか?」そんな方は自宅でこっそり切り落としていただけると幸いです(いや~! 切らないで!)。 


 さて、ペイザンヌと言えば映画!──そんな連想を断ち切らぬためにも、今回収録させていただいた小説は二本とも「映画のセリフ」から始めようと決めておりました。そちらも本を手に取って確かめていただきたいところであります。特に収録作品『あくがる』の冒頭は「いつかこの一文で始まる小説を書きたい」──とかれこれ10年以上前から思ってたので、それがまさかこういう形で実現できたのも感無量でございます。


 それでは皆々様の「到来」。こころよりお待ちしております(ペイザンヌはおりませぬが…)



 今回は宣伝ということもあり前置きが長くなってしまい申し訳ないです。


 てなわけで……


 オヒサシブリでごにゃーます!

 ペイザンヌも明日5/29(日)、東京流通センターで開催される文フリに行ってみたいんじゃ!


 ってことで、そもそもテレビ放送の初代『ウルトラマン』。これに対しペイザンヌはどれほど愛着を持っているのかというと、実はめっちゃあるのです。


 もちろんリアルタイム世代ではないのですがね。ウルトラマンといえば何をおいても【怪獣】なわけですよ。【星人】なわけですよ。ぶっちゃけ主役のウルトラマンなど二の次なのでありますよw


 子猫の頃はそんな怪獣たちの造形に惚れ込み、ウルトラ・シリーズほとんどの怪獣の名前や一話一話のタイトルなんかもソラで言えたほどでありました。


 ただ……ですよ。


 わしゃの住む長崎では『ウルトラマン』も『仮面ライダー』も一度も再放送されたことがない! という過酷な事実……

 ( ̄▽ ̄;)クソー


 まあチャンネル数がNHKを除くと二つしかないわけで、「笑っていいとも!」なんかもね、夕方五時放映の地域ですからね。

 (^_^;)お昼休み──とは、いったい……?


 これはもう少年にとっては大ダメージなわけで。


 当時は配信、DVDどころかビデオすらない時代。なので初代ウルトラマンやセブンを見るなんて、再放送以外どう頑張っても見れない状態なんですやね。


 んじゃ、どうすればいいかというと……


『本』ですよ。『書籍』なのですよ。「怪獣百科」とかその類の。それしかないのですよ。

 (´;ω;`)


 もうそれはそれは手垢でボロボロ、穴が空くほど読み返すわけですわ。一話一話、ストーリーとか。


 そんなわけで『ウルトラマン』は「見るものでなく読むもの」である──という概念が定着してるとゆーか、わしゃの「ストーリーを読む」という、いわゆる小説原体験は「怪獣百科」が最初だったのかもしれんな、と。「岩石怪獣」「地底怪獣」──そんなのを書き写してるうちに難しい漢字とかも絶対アレで覚えた気がするな。ある意味教科書だったね、うんw


 そんな時、今は無き長崎駅前劇場で一本の映画が公開されました。そして今は亡き兄が連れてってくれました。(おっと、今もいるな……勝手に殺してスミマセヌ、兄上)

 それがまさに『ウルトラマン』だったわけです。


 といってもテレビ放映のやつを4・5本まとめて、映画館でやるってだけなんですけどね。今思えばアレは『ウルトラマン』の監督の中では異才を放つ、実相寺昭雄監督の作品をまとめた特集映画だったわけであります。


 ・子供の落書きが怪獣になる「ガヴァドン」。

 ・怪獣はもと地球人の宇宙飛行士だった──名作中の名作──着てるTシャツの襟を後ろから頭にかぶせて真似しましたやね「ジャミラ」。

 ・宇宙墓場に帰りたいだけなのに人間にまるでいじめのように攻撃されてしまう。怪獣に「可哀そう」の要素を加えたシーボーズ。

 ・ウルトラマンと怪獣のバトルより科特隊の「作戦」が面白かった「スカイドン」(カレーを食ってたハヤタが変身するフラッシュビームと間違えてスプーンを掲げてしまう有名なシーンはこの回ですやね)などなど。


 まあ、短編集みたいなものですね。

 あれ? 短編集といえばアンソロジー。

 『到来夜話/訪れのアンソロジー』

 5/29(日)流通センター文フリにて(しつこい)

 おっとついサブリミナルしちまった。


 もうね、その時の感動というか興奮は尋常じゃなかったすね。「動くウルトラマン」すよ! いままで禁じられていたというかめちゃめちゃ見たいのに抑えられて抑えられて抑えられてたものが一気に解放されたという爆発的なものがあった気がしますなw


 その後『ウルトラ6兄弟vs怪獣軍団』なるオリジナル映画も公開しましたがこっちはほとんど記憶にありません。ただ「ハヌマーン」というタイの伝説のヒーローが出てくるんですが、白塗りの巨大サルというか、怖いんですよ、なんか。アレが子供心にトラウマになってる人も多いと聞きますねw



 まあ、あれだけ見たかったテレビ放映の「ウルトラマン」を大人になってから見たか? と言われると全部は見てないんですよね。ただ「ウルトラセブン」は全話見ましたね。よく言われますが「セブン」は大人の鑑賞に堪えうるというか、胸に突き刺さる話もあるというか「ガチで」面白いす!本当に深い話が多い(中にはそうでもない話もあるけど)



 そんなわけでわしゃにとって『ウルトラマン』は「映画」というイメージが強いので今回また劇場で観た『シン・ウルトラマン』は興奮とノスタルジーに溢れた期待値が高かったのも確か。



「割り勘でいいか? ウルトラマン──」

 こちらは『シン・ウルトラマン』のメフィラス星人の台詞ですが、素晴らしい名セリフございました。よもや日本酒を吞むウルトラマンというシュールな光景が見れるとはw


 そのセリフを境くらいにですかね? この映画、前半と後半がくっきり分かれているように感じたのはわしゃだけですかね?

 

 前半はまさかまさかの『ウルトラQ』の音楽と共にゴメス、マンモスフラワー、ペギラなど、これまでの怪獣、おっともとい禍威獣の紹介というワクテカな出だし。「ウルトラマン以前」からずっと物語は続いてるんだよってな世界観。


 ネロンガ、ガボラ、ザラブ星人、メフィラス星人、ゼットン──とだいたい5つのパートに分かれて進行するんで時間的にはまったくといっていいほど飽きがこない。てか、展開はやっ!──て、感じでしたやね。ハヤタ……じゃなかった、なんだっけ……神永か。始まってまだそんな経ってないのに「え! もう正体バレるんか?」と。そこもはやっ!とw

 まあ正体不明のヒーローもの、というよりはどっちかってと『E.T.』ですやね。外星人としてのウルトラマンと地球人、異世界文明間の交流というものを描きたかったのだろうし、そこはまあ仕方ない。

 なんか体感的にウルトラマンって、やって来て5日間くらいしか地球上にいなかったんちゃうか? くらいの時間感覚ではありましたよねw


 人間側パートといえば長澤まさみさんもエエのですが、ぶっちゃけ『シン・ゴジラ』の石原さとみさんと同じ立ち位置とゆーか、外来者であるアスカ系とゆーか「またコレか」感・既視感は否めませんでしたなw

 その扱いについてはオヤジ目線のセクハラ感があるとどこかの記事で叩かれてましたが、これは先に「どんな年齢のどんな人が監督してる」──ってことがわかっちゃってるから先入観でそう見えるんじゃないのかな~なんてことも思っちゃったりと。もしも「コレ若い女性監督が撮りました」てな場合は見方がまた違うのかもしれんしね。

 登場シーンでまるで後ろからつけ回すストーカーのように撮ったのがいけなかったのか、はたまたスカートのまま巨大化させたのがいけなかったのかw

 オリジナルのフジ隊員の場合は確かにちゃんと科特隊のスーツで長ズボン、パンツ姿だったからな~。ちなみにフジ隊員を演じた桜井浩子さんは巨大化したのを後悔しているとのこと。なぜならその後も常に怪獣図鑑に「巨大化フジ隊員」として載せられ、ずっと「怪獣扱い」されたからだというw


 あとお得意のやたら小難しい専門用語が早口で出てくるので「ちょっと何言ってるかわかんなぃ……いや、てゆーかむしろ字幕欲しいぞ」とか思っちゃいましたね。「そんなに小難しくなってしまったのか、ウルトラマン」w


 基本的に真面目なストーリーなんだけど、ちょっとおちゃらけた場面もあるのがウルトラマン。その「おちゃらけかた」もやはり現代風というか、現代テレビドラマなんかでよく見かけるような表現ではあるやね。変なイントネーションで英語使ったりとかw

 まあわしゃは古風なんでイデ隊員の顔芸やアラシ隊員との面白いんだか面白くないんだかよくわからんような「そりゃないっすよ~キャップ~」みたいなわざとらしいやりとりでニヤニヤしてえなとか、ちょっと恋しくなるねw


 

 んで外星人パート、及びバトルパート。

 前述もしたけど「前半と後半の違い」ってのは単純に「リアルタイムのオリジナル世代とエヴァ世代の違い」と言い換えてもいいくらいやね。


 特に前半、ネロンガ、ガボラとのバトル。あれはCGとはいえオリジナル好き世代にはちょっと血湧き肉踊るものではなかったか? わしゃも長澤まさみのように「美しい…」と呟きそうになったくらい。

 一転メフィラス星人とのバトルでは「四つん這い怪獣」とは違い、二足歩行同士の戦い。まあそうなると完全にエヴァのバトルになってしまうのもいたしかないのかなとw もはやあそこでウルトラマンが銃器を抱えても違和感なかったように思えますな。


 まるでバトルを重ねていくごとに時代が進化していくようにも思えたというか、メフィラスを過ぎ、いよいよラスボス、ゼットンまでくると、正直わしゃにはもうついていけなくなった感がしてきたというか、ぶっちゃけ少し見るのを放棄しそうになる感すらあったというか……


 ゼットンをああいう形にしたのはいいんすよ。「これゼットンちゃう……」てのと「お~いいじゃん! いいじゃん」てのが半々。頭の中で新旧が戦っていたとゆーか。しかし、動きが……。チョコマカと動くウルトラマンがあんまりカッコよくないというか、アニメを越えてゲーム画像っぽくて(しかもちょっと古い系)わしゃの体質には合わなかったってのが本音。時空の狭間から抜け出そうとするウルトラマンの動きも然り、あの辺はなんかずっと頭の中が真っ白だったんよね。こう言うと一部の方から怒られそうだけど、あのラストバトルに限ってはなんか実写『デビルマン』を見てる感覚とさほど変わらなかったかも……と。

 そうそう、まあウルトラマンはもともと実写なんだけれど、あの辺だけ急に進撃とかハガレンとか「原作アリの漫画をいかにも実写化しましたよ~っていう邦画」っぽくなったな、と。なんかここだけ「え、ホントにいいの? これで? 庵野センセ?」と疑問すら感じるくらいで。


 そんな感じで前半と後半の温度差が自分の中では非常に激しい映画になってしまったな、というのが正直な感想でありました。


 終わってみると、いい悪いでなくやはりこれは「シン・ウルトラマン」であって「ウルトラマン」とはベツモノなんだよなというか、悪く言えば金と名声のある者だけに許された「ウルトラマン大好きオタク」が自分の世界観を融合させ作った二次創作のようでもあり……でもウルトラマン愛があるのは伝わるし、嫌いにはなりたくないし、なれないだろうし。完全オリジナルファンでもある自分としては「別物」にしないとキチンとこの「シン・ウルトラマン」を受け入れられない気もするなと。


 そうしておけば今後この方向性で製作されるはずであろう続編、その公開をまた楽しみに待てるな~って感じですかね






 ちなみに冒頭に宣伝させていただきましたアンソロジー。そちらを企画された霜月透子さまですが、お会いしたことこそありませぬが、ネット内にてかれこれ本当に長いお付き合いをさせて頂きありがたく思っております。あれは思い起こせばこのサイト「小説家になろう」に登録したばかりの頃、いろんな短編を読み歩いてる時でありました。「お、これは……」とビビッときた作品の作者様が霜月さまでした。確か『ロミとレミ』という作品でしたか(違ってたらスミマセン)、とてもしっかりした作品でこのサイト特有の転生もの異世界ものが苦手なわしゃとしましては「へ~こんな作品を書く人もいるんだな(ならば自分も書いてみるか)」と、思わず感想を書いたことがきっかけだったのを覚えております。

 その後、今回ご一緒させていただきました鈴木りん様と共に「なろう」サイト内で『ひだまり童話館』を企画され、こちらはもうかれこれ7,8年続いてるんじゃないでしょうかね?──その継続力もさながらお二人とも合間に数々の賞や書籍なども出されたりと「ペイザンヌ自身に小説の才はないが、先見の明・先物買いの才は確かだったな……」とそこだけは自分を褒めたたえたいくらいでありますw


 「ひだまり童話館」については数年前に本エッセイ内におきまして

「映画『怪物はささやく(A Monster Calls )』(2016)は面白かったのか?」──の回でネタにもさせていただいております。その節はありがとうございました。


 今期は「たぷたぷなはなし」と題してつい先日から公開されているようです。お暇のある方、子供ごころに帰りほっこりと、まったりとしたい方、そちらものぞいてみてはいかがでしょうか?


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「note」の方でもこちらのエッセイを連載しております。画像付きでさらに読みやすく、こんなことからあんなことまでさらに詳しく、あなたの映画ライフをより豊かに♪note版『あの映画は本当に面白かったのか?【完全版】』
― 新着の感想 ―
[良い点] 読むなよ、読むなよ! 竜ちゃんの言葉で言えば、そうなりますね。到来夜話。 そして、なんかオラ、褒められてるぞ、褒められてるぞ! なんて、思いながら、読み進めさせていただいた今回のエッセイ…
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