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映画『ぼくのエリ/200歳の少女(Lat den ratte komma in)』(2008)は面白かったのか?

「付き合うのはイヤ?」


「今まで通りがいいよ」


「かもね……」


「付き合うと何か変わるの?」


「何も」


「今までと全部同じ?」


「そうだよ」


「……じゃあ、付き合おう… 付き合おうよ」


   (本編より)



 面白い。

 

 思ってた以上に面白く大満足だった一本。


 まいど。ペイザンヌでごわす。


『ぼくのエリ/200歳の少女』(スウェーデン)


 こう見えて吸血鬼映画です。とても美しい映像です。


 日光に弱い、胸に杭を打たれるとアウト、鏡に姿が映らない… など、多くの特徴を持つヴァンパイアの映画は数多くあれど“招かれないと部屋に入れない”というところに重きを置いたのは作り手側のセンス以外のなにものでもない。


 私は本当に凄いなと思える物語、脚本に出会うと大抵どこかで嫉妬をしている自分を感じてしまう。まあ、何とも言葉にならないとても嬉しい方の嫉妬なのですが。


『この手があったか!』

トカ、

『神様! なんでこのアイデアを私にくださらなかった!』(笑)

トカ。


 スウェーデンの映画であり、2年後の2010年にはアメリカでリメイクもされてます。

〔『モールス(Let me in)』(2010)〕

 

 こちらの方はごめんなさい、実は私まだ観てないんです(汗)。ただ、アメリカでリメイクされてもどうしても元ネタを越えるイメージがあまりないんですよね。


 それに、場所はドラキュラ城のあるルーマニアではありませんが同じ欧州のスウェーデン発ですのでどうしても本作に雰囲気だけで負けてしまいそう。


 ……などと勝手に思ってますが、まあ、こればかりは見てみないとわかりませんですしね。勉強不足です。はい。



 脚本だけでなく、男の子オスカーと女の子エリがガシガシ歯を磨きながらお互いを見つめ合うシーンがあるのだけど、こういうのは逆に脚本ではなかなか表せないので監督の演出力が光る。二人の心が繋がっているという台詞のない素晴らしいシーンだと思う。


 

 あれ、“招かれないと入れない”ってどっかで聞いたことあるような……。


 ああ!


 昔のmixiか。


 と、こんなどうでもいいことを書けるのもこのお気楽カンソウキの良いところ。


 また、ヴァンパイア要素があるのでホラーなのかなと思ってる方がいるとすればご安心を。怖いのは苦手! という方にも安心して見れる作りになっております。ラスト近くプールのシーンで少しだけどぎついのがありますが……。




『私を知って』


『私を理解して』


 または


『助けて』


 と、人は誰かにモールス信号を送り続ける。


 されど、ただ乱暴にズカズカと入っていくわけにはいかない、いや、いけないのが人間の愛おしい部分であり、また人間同士の“壁”なのだ。


(招いてくれませんか? そうしたらあなたの中に私は入ってゆけるのです──)

(あなたを招きいれます。たとえそこに何があろうと──)


 そういった見えない壁をきっと人は生きていく限りノックし続けていくのだろうな、と思う。たとえ“一瞬”でもいい、それが“溶けた”と思える瞬間に出会うために。



──なんちて。

【本作からの枝分かれ映画、勝手に三選】


★『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』(1985)


……“どんなに辛くても自分なんかよりもっと辛い思いをしているものたちがいる。たとえば……”。

『シンプル・シモン(2010)』や『百歳の華麗な冒険(2013)』、近年、スウェーデン映画が熱いらしいですがそのきっかけともなったハートウォーミングな映画。ドッグ繋がりとはいえ、まさか後にこの監督が『ハチ公物語』のリメイクをすることになるとは……。ハァチィ~。


★『隣の家の少女』(2007)


……同じ“隣の家の少女”とはいえ、こちらは本作と違い、よほど覚悟してみないとウツ度移行率が激高です。グロさというよりメンタルがかなりやられるので厳重注意?! 原作もいまだやたら書店で見かけますね。煙草と同じで見ても害にしかならない映画とは誰がいったのか、まさしく見ないなら見ないに越したことのない作品なので見かけても手に取らないようにしましょう(笑)



★『傷物語〈鉄血編〉〈熱血編〉〈冷血編〉』(2016~17)


……物語シリーズの劇場版。こちらは“200歳の少女”よりさらに上をゆく“200歳以上の幼女”吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレイド、またの名を忍野忍。テレビ版とはまた違う魅力、そして劇場版ならではの残虐シーンもしっかり見せつけてくれましたやね。

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