映画『ベストキッド(Karate Kid)』(2010:1984)は面白かったのか?
えー、曲がった松の木とかけましてマラソンランナーと解きます。そのココロは?
ハシラにゃならぬ。
そう、オスだったら走らねばならない時がある(まあ、メスもだが)
ども、ペイザンヌでがんす。
私が中学生くらいの頃でしたかね。ほや~んとした記憶なんですが全身全霊で全力疾走をしたことがあります。今思うとあれはいったい何だったのだろう?
そのオニーサンはわしゃが学校の帰り道にいつも立ち読みしていた本屋でよく会っておりました。さほど深い知り合いとゆーわけではないのだが、時々話しかけられてちょろっと立ち話するくらいだったと思います。本屋でいきなり話しかけられるなど気持ち悪いと思うかもしれませんが、いかんせんそこは田舎の小さな書店。言ってみりゃ皆、飲み屋の常連客みたいな感じであります。
ある日そのオニーサンに “はまんまち” で偶然バッタリと出会ったわけです。
“はまんまち” というのは浜の町の略称であり、我が田舎、長崎市では当時服や雑貨を買ったり、映画を観たりするためにはもうそこにいくしかない唯一無二の繁華街。ちんちん電車の始発駅を境にそこから一帯を総じて我々は『まち』と呼びます。渋谷にするか新宿にするかなどの選択の余地はなし。
『まち』に行こう。今、『まち』におる。それで事足ります。
「よーよーよー」と気さくな笑顔で話しかけてくるオニーサン。まあ、知らない顔でもないわけだし、わしゃは「ちょっとちょっと」といとも簡単にビルの片隅に呼びこまれてしまったわけです。
『金、出せ』
そうボソッと呟いたオニーサンの顔からはいつの間にか笑顔が消えており、その手にはナイフが握られていた。
……えーと。
日本すよね、ここ?
あまりに想定外のことがトートツに起こるとホントに意識って一瞬とまるのだなとつくづく思いましたね。状況がうまく飲み込めず、 混線状態のバグ状態。
ねえ、くるみ。
こんな時は~どうしたらいい~? と頭の中でミスチル櫻〇さんが歌えば、『笑えばいいと思うよ』と綾波が言う。なのでとりあえず笑ってみる。
今思うとあれは相手を油断させるための動物的本能だったんでしょーね。
あとはインパラ。
チーターの攻撃から逃れんばかりに大草原を駆け抜けるインパラ。
足だけは自信あります。といっても美脚って意味じゃないです。念のため。
間違いなくあの時のわしゃの走りっぷりはトップアスリート並みの自己ベスト。後ろでオニーサンが何か叫んでるのが光の速さで遠ざかってゆくのを感じましたからね。
逃げきった後のほとばしる汗にはどこか爽やかさすらあったかもしれません。この感動を今誰に伝えたいですか? と誰かがマイクを向けてきたらきっと間違いなく母ですと素直に答えたことでしょう。
見ず知らずならばともかく、一度でも言葉を交わしたことのある人間から殺傷武器を向けられるというのは怖いとか驚きよりも悲しさが優先するのだなぁとしみじみ思いましたね。「え、なんで?」みたいな。
ちなみにそのオニーサンにはそれ以来会っておりません。よくもまあ白昼堂々と、しかもわりかし人が周りにいたのにも関わらずあんなコトできたな、と。
今頃はきっと立派な政治家にでもなってさらなる増税法案でも提出していることでしょう。
『もっと金を出せ』ってね。
オスには逃げてはならない時がある(まあメスもだが)とはよく言いいますが、いいよね? こーゆー時は? 逃げてもいいんだよねっ? たとえ君の愛からは逃れられないとしても。(眠くなってきたので再びバグ状態)
そんなことを思い出したのは、「さ~て、久しぶりに子どもでも応援してみるか~」などと思いつつ『ベスト・キッド』を観たからかもしれない。
ウィル・スミスの息子、ジェイデン・スミス主演。
そこだー! 子どもー!
危ないー!子どもー!
後ろだー! 子どもー!
……と、人様の子ども相手にまるで運動会のおとーさんのように応援してはみたものの、スミス家の子どもが、とうとう最後まで“可愛らしく”見えないまま映画は終了。
うーん、やはり他人の子ではダメか。いや、とゆーより、なんだろ? いじめられっこの設定なのになんかこの子 “やりそう” なんだよな。というのが本音。
「あ、オレ? オレなんかぜんぜんダメダメ! モテないから」 と、周りに女子をはべらかしながら言われている。そんなオーラ?
が、彼が実際に “やらかして” しまったのは『アフター・アース(2014)』という映画で父親ウィル・スミスと共演し、しかも親子揃ってゴールデンラズベリー賞(最低映画賞:略称ラジー賞)を獲得してしまったこと。監督はこちらもラジー賞の常連となってしまったM・ナイト・シャマラン。
どんだけ最低なもんかちょっと観てみましたがそこまで酷評されるほどでもない。ないのだが。
〈人間が自ら自然破壊してしまった地球。その後、人類は地球を捨てて他の惑星に移住する。時は経ち、それから千年後、地球は決して降り立ってはいけない魔の星となっていた〉なる設定。
キャッチコピーは『千年後の地球、そこは人類に牙を剥く緑の惑星』
ほうほう。
んで、スミス親子は当然物語の都合上宇宙船の事故で地球に降り立っちゃうんですわな。どんだけ牙を剥いてくるんやろと思うじゃないですか。でも猿とか鳥に襲われたり虫に刺されるだけ……みたいな。結局一番恐ろしいラスボスは彼らが訓練用として宇宙船に乗せていた人間の恐怖心に反応して襲ってくる宇宙生物。事故の衝撃で逃げ出し、追いつ追われつの闘いとなる。わけだが…… 。
『地球って設定いらんねんじゃね?』
『崩壊後の地球ってあんま関係なくね?』
と、後々まで疑問に残るほど、自然破壊されてしまった地球さんに対する言及は一切なし。前半延々と積み重ねてきたその後の人類に対する説明すらぶん投げるように --主人公が怪物に勝ってはい~おしまい! ……て、そんなんありか?
この「こうしてジェイデンくんは弱さを克服してたくましくなりました。めでたしめでたし♪」ってだけの物語に収まってしまったところが “手の込んだホームビデオ” と皆に言われる所以になってしまったんだろーな……きっと。
──アナタハ、スデニ、ダマサレテイル。
新作『ヴィジット(2015)』の予告では早過ぎた貴公子シャマラン監督が自らそう言いながらニヤニヤしてましたが、この『アフター・アース』こそ騙されたよ! なんか違う意味で!
さて、オリジナルの『(旧)ベスト・キッド(1984)』は御存知『ロッキー(1976)』のジョン・G・アビルドセン。こちらの主人公ラルフ・マッチオ君はヒジョーに線が細くさらには芝居がそんなに上手くないことが幸いしたのか、“だ、大丈夫かな~、本当にコイツ……”とあるはずのない母性本能をクスグリーナだった気がせんでもないわけで。それがラストの試合で猛者たちをバシバシなぎ倒していくのかと思うとわかっていてもカタルシスの解放が全快なんですよね。
いや、むしろ新しい方、2010年版で言いたいのは次の点。
ぬぉーぉーーーー!!!
((((;゜Д゜)))
ジャッキーあにぃ、めっちゃかっこいぃーいーいーいぃーー!!!
・゜・(つД`)・゜・
あにぃ!
アニィ!
とぅー……
もろー、
とぅもーろー、
あいらびゃー、とぅもーろー♪
ハリウッドに進出してからというものワイルド感が激減してしまったように思っていたジャッキー・チェン。初めてテレビでお会いした『スネーキー・モンキー/蛇拳(1978)』のあなたはどこへいってしまったのですか? と、目を細めていたわしゃが馬鹿でしたっ!
あんな抑えた芝居のアナタがこんなにカッコイィなんて。
あの鼻の赤いお師匠の特訓から逃げ回っていた腕白坊主がホントに自ら貫禄のある師匠になったようで、感慨深いもんがありますやね。
それでいて予告にも使われていましたね、箸で飛んでいる蠅をつかもうとするがつかままらず結局「蠅叩き」でペシッとやってしまう場面など、今まで培われてきたコミカルなあにぃの魅力も健在。
このジャッキー・チェンをいつでも見たいがために購入して手元に置いておきたいくらい。つまりまさに“買い”の一本です。
オリジナル版の師匠『ミヤ《ジ》さん』ことノリユキ・パット・モリタのペンキ塗り、ワックスがけといった説得力のない特訓もなかなか味があって甲乙つけがたいのですがね(笑)
ちなみに新旧ともに原題は『Karate Kid』でありますが1984年公開当時のタイトルは『The Moment of Tnruth』。これは同タイトルで“サバイバー”というバンド(『ロッキー3&4』のテーマがヒットしましたね)がテーマ曲を作っておりますが、コレがまた非常にカッコイイ! たった今検索かけて聞き直しましたが鳥肌が立ちました。筋トレをする時なんかによくかけていたな~と思い出します。『ざもめんとおぶとぅるーす』で検索すると頭に映画のシーンを集めたPVが出ますので、3分47秒でオリジナル版の雰囲気を味わいたい方はぜひ、こちらを。このタイトルはDVD発売とともに『Karate Kid』に差し替えられたようです。
オリジナルはpart3まで作られ、外伝として主役交代のpart4があります。ラルフ・マッチオから今度は女の子が主役なわけですが、この女の子がなんと……“ヒラリースワンク“! ってことはあまり知られてないのではないですかね?
大ヒットTVドラマ『ビバリーヒルズ高校白書』にも出演しており、ついには『ミリオンダラー・ベイビー(2004)』でアカデミー主演女優賞まで獲ってしまった彼女であります。
そう、あのボクシングの演技の基本を仕込んだ師匠は“ミヤ《ジ》さん”だったのです(笑)
若き頃に彼らのような師匠がいてくれたらきっとわしゃもあの時逃げずにすんだんだろーなぁ……。
まあ、そんなこともありますので特に女性の方などいくら腕力に自信があっても防犯グッズのひとつくらいは常にカバンに忍ばせておきましょーね。
【本作からの枝分かれ映画、勝手に三選】
★『ペーパー・ムーン』(1973)
……聖書を売り付け詐欺をする主人公のもとに娘だと名乗る少女が現れる。少女の頭の回転の良さに目をつけ、彼は詐欺を教えながら彼女を親戚のもとに送り届けるのだが……。こちらも詐欺の珍師弟コンビであり、さらにはやはりライアン・オニールとテータム・オニールという実の父娘共演。テータム・オニールは史上最年少10歳でアカデミー助演女優賞を獲得していて未だこの記録は抜かれておりません。
★『ファースト・ミッション(1985)』
……ジャッキーあにぃの映画から一本と思いつつ出演作品を調べていると、そういえばこんなのあったなーと思い出しチョイスしてみました。公開当時、それまでのジャッキー・チェン映画とは少し赴きが違っていたので観ているこっちが戸惑ってしまったくらい。知恵遅れの兄の面倒をみるため夢を諦め警察に勤めるジャッキーあにぃ。こちらもなかなか抑えた演技で魅せてくれます。アクションというよりは兄弟愛を描いたドラマに重きを置いておりなかなかぐっとくるシーンもあったりして私は嫌いではないです。もう一度見直してみたいですね。
★『ヴィンセントが教えてくれたこと(2014)』
……ビル・マーレイの最新作ですね。これも師弟コンビのようなものですがこちらはアルコールとギャンブルにはまるチョイ悪オヤジが隣に越してきた少年にバーでの酒の頼み方やいじめっこの鼻をへし折り方などを教えるという
コメディタッチのドラマ……らしいですが、実は未見です(笑)スミマセン。とても気になっている一本なので次あたりに見てみようかな~と思っております(^^;