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映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒 ( Star Wars:The Force Awaken)』(2015)は面白かったのか?


 まず1本目はあえて王道である『スターウォーズ/フォースの覚醒』を取り上げてのカンソウキ。


 以前、違う場所でも映画の感想モドキをちらほら書いたことがあるのですがどこまで書いていいのか、というか、どこから始めればよいのかを常に戸惑います。

 なにせこの御時世、映画のスタッフやキャスト、あらすじやネタバレだって知りたいと思えばいとも簡単にささっと調べることができるわけだし、私自身が読みたいなと思うものもパンフレットみたいなのじゃなく肉声に近い感想。


 なのでそんなことはバ~ッサリとカット!(て、いいんかな最初っからそんなんで……)


 今回は最初だし、ネタバレも多少含みつつ少し長めに書いてみたいと思います。きっと次回以降はもっとラフにテキトーにやると思いますのであしからず(笑)



 エピソード7にあたる本作は昔から見ている思い入れのあるファン層がいれば今回が初見というという方もいるということですでに賛否両論が分かれてしまっている様子。

 

 噂では産みの親ジョージ・ルーカス当人ですら本作をディズニーという奴隷商人に売却してしまったなどと言ってしまったとか言ってないとか愛憎劇をくりひろげているみたいですしね。 

 

 私ですか? 私はといえば前者であり、今回も公開一年前から続々と入ってくる情報に胸踊らせ、見終わった後といえば様々な感想を読み漁るようなコアな部類に入ると思います。


 だからこそでもあると思うんだけど、私も見終わった後に首を傾げてしまったのですね。

 

 真っ先に思ったのは(どこかにも書いてあったけど)何故、それほど往年のファン層に媚びるような“つくり”にしてしまったのか? 


「嫌な予感がするぜ……(I have a bad feeling about this)」といった今まで全作に出てくるお馴染みの台詞までもがなんだかまるで笑点での林家こん平のお決まりの台詞「え~私の鞄にはまだ空きがございます」のように聞こえてきたり、わずか三十年ぽっちで惑星並の宇宙要塞を作り上げる技術があるくせに、相も変わらず遠隔シールドみたいなのを外されては簡単にやられてしまう水戸黄門ばりの展開にややヘキエキしたり……。 


 なぜだ? どうしてキミらはそこを学ばない? 何度同じ手口でやられる? などと、本来であれば新卒一年目の若手社員にかけるべき言葉を何故ファースト・オーダーなる武装軍団に対して思わねばならないのだろうとやや目を細めている自分がいたり。


 なんだか観賞後の夜は虚脱感と共に苛立ちに包まれてしまいました。が、翌朝になるとやはり無性にもう一度見たくなるわけで(笑) 


 某有名ラーメン店でブタWのヤサイマシマシを腹一杯食って気持ち悪くなった挙げ句『二度と行くか!』と思いつつも翌朝になるとまたなぜか食いたくなってしまう彼らの気持ちが少しわかったような気がします。


 と、いうより一夜明けてしまえば、この映画はこうするしかなかったのではないか? いやいや、むしろこれだけ世界から期待されまくった大イベントをよくもまあここまでうまくまとめたものだ、という気持ちにまで昇化されたわけで。 

 

 チェーン店が拡大し肥大化したラーメン屋だって裸一貫の頃の初心に帰るのはきっと難しいに違いない。てか、なんで私はさっきからラーメンとスターウォーズを必死に比べようとしてんだろなと思われるかもしれないがそれは今現在少し腹が減っているだけなのでお気になさらずに。

 

 つまり言いたいのはオーナーと観客の板挟みとなり、けれどそんな中で店の伝統である経営方針、はたまた最大限の顧客満足、あるいは社訓などを守りつつ、さらには売り上げまで叩き出してしまったJ.J.エイブラムス新店長というのはかなりのやり手ではないのか、と。そう、それそれ。それが言いたかったわけです、たぶん。

 

 一番気にかかったのは主人公たちしかり、敵までもが微妙に弱いところ、というか強くないところ。それはキャラが弱いというわけでなくホントに皆、人間的に弱いんですね。

 時にオタオタしたりオドオドしたり、しまいにはブチ切れたりと皆、未熟。

 

 しかもスターウォーズ・シリーズ最大の見せ場であるはずのライトセーバー(まあ、知らない人はあまりいないと思うけどあのビヨーンて伸びる剣みたいな武器ですね)の戦いが今までのシリーズの中でなんだか一番格好悪い気がする。なんだか見てるこっちがヒヤヒヤするくらいに危なっかしい。まるで子供の喧嘩をはたから見てる親の気持ちになってくる。


 でもそれはしかたない。


 だって未熟なんだもの……。


 で、結局今回においては『俺たちの戦いはここから始まるんだ!』といった打ち切り漫画の最終回のごときラストで終わっちゃうわけだから、見てるこっちだってそりゃ不完全燃焼になるってもの。


 まあ、これは物語でよくある“成長するための”前段階であり、きっと心配せずとも次回作では定番の通過儀礼なんかが始まってメキメキ強くなっていくのでしょう。キャラが弱ければ弱いほどそのカタルシスは大きいわけだしね、うん。

 

 ただ、それを二時間半かけた一本の映画の中で解放できなかったジレンマがどうしてもジレジレと残る。やがてそのジレジレがモヤモヤと成長しモンモンとなる。きっとそれが私をあの夜苛立たせた原因に違いない。TVドラマだったら一週間待てばいいわけだけどこのシリーズの場合続きは二年後。……あぁ、ジレモヤモン。

 

 結局、往年ファン層の否定側だってなんだか途中で放り出された感があってモヤモヤしてるだけなのだろう。裏を返せば私と同じで「ふざけんな、もっと見せろ! 早く見せろ!」という愛情の裏返しに過ぎないのではないかと私は思う。これまで見続けてきたファン達が今回のあのラストを見せられて「もう次回からは見ない」なんてことはおそらく“ありえない”のだから。


 こりゃ三部作全部を見終えてみないとわからんですわというのが、正直な感想。

 

 今回のエピソード7を死ぬ前にどうしても観たいという余命わずかな一人のファンの要望に応えスタッフが公開前のラッシュを見せてあげたという美談がありましたが、それと同じくこの三部作を見終えるまで自分が生きていられる保証なんてどこにもないんですがね、はい。


 なんだかんだいっても二時間半があっという間に過ぎてしまっていたことは否めない本作。それにまさかあの有名なオープニングタイトルが3Dでスクリーンの奥へ流れていくのをまさか本当にこの目で見ることができる日がくるとは想像もしてませんでしたわ。ヒシヒシかつギシギシと時の流れを感じます。

 

 いや~しかし最近の3Dは奥行きが凄いですやね。飛び出すことばかりを主張していた一世代前(赤と青のあの3Dメガネね)とは大違いで奥行きというものに重きを置いているためか臨場感に溢れ、ヴーチャル並みにその世界にどっぷり浸れるのはすごい。


 この数年映画館に足を運んでないな~という方がおられましたら、よい機会なので近年の3Dというものの進化を確かめるだけでも十分見てみる価値はあるかもです。

 

 ただ、あのトンチキメガネをかけている時の画面の暗さだけはなんとかならないものか……というのがまだまだ不満。私自身映画は2Dで十分だと思っている派なのですが、その反面、どうせやってくれるならとことん進化形を拝んでみたいなという願望もあったりするのですね。


 ストーリー的には単なるリメイクだとか焼き直しだとか言われてたりもしますが、そもそもこれは少年の頃にスターウォーズで胸踊らせたお父さんが、今度は自分の息子や娘と一緒にあの時の冒険をするための映画であると思えばよいのではないか、と。

 


 お父さんにとっては二度目だけど子供にとっては初めての冒険。その“繰り返し”をそっと見つめていること、それこそが『スターウォーズ』のテーマであり、本来のエピソードであり、きっと大きな醍醐味なのであるのだと私は思う。







【本作からの枝分かれ映画、勝手に3選】

 

 ★『刑事ジョン・ブック/目撃者』(1985)


 ……ハリソン・フォードお爺ちゃんになっちゃったなぁ~ と、悲しくなった方は渋さカッコよさの乗りきっている時のこの映画をもう一度。


 ★『スペース・ボール』(1987)


 ……『スター・ウォーズ』や『猿の惑星』などを完全にパロったコメディ。今回のぶちキレるカイロ・レンを見ててこの映画のリック・モラニスを何故か思い出してしまった。


 ★『ブルース・ブラザーズ』(1980)


 ……まだウエストが細い頃のレイア姫がガンガン銃やマシンガンを撃ちまくるのを見たい時にもう一度。

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