映画『マッドマックス/怒りのデス・ロード(MAD MAX:Fuly Road)』(2015)は面白かったのか?
映画『暴力脱獄』(1967)を観た。初見なり。
この映画はちょっとした軽犯罪で刑務所に入れられた主人公が他の囚人たちと賭けをし、制限時間1時間でゆで卵を50個食べる物語である。
嘘です。
いや、嘘ではないんだけど、その場面があまりにも有名になりすぎてそこだけが一人立ちしてしまってるわけですね。
で、今回観た私の感想としても、
そのとおりである──
(^_^;)
と、しか言い様ない個人的にはちょっと肩透かしを食らった映画でした。残念。とはいえもちろん、脂ののりきったポール・ニューマンの演技を見ているだけでも十分楽しめるんですけどね。
ども、ペイザンヌじゃあぁぁぁっ!
て、ことで『マッドマックス/怒りのデス・ロード』。
27年ぶりの続編とありますが蓋をあけてみればまあ、2作目『マッドマックス2』の大幅リメイクというのが正しいのではと。
そもそもパート1と2の世界観があまりにも極端に違うためこれを同じシリーズとして扱うのどうなのよ? (゜▽゜*)と当時から思っていたのですが。
“3”においては劇場にまで足を運んだにも関わらずほとんど記憶に残ってないです。
TVでモノマネ芸人コロッケがティナ・ターナーの真似をしていたことしか覚えてないという、ほぼ、私の中では“なかったことにしちゃえ映画“になってしまっているパンドラ状態。
今回マックスを演じるのがメル・ギブソンからトム・ハーディへとチェンジ。さらさら見る気もなかったのですが、前三部作の監督ジョージ・ミラーが自らメガホンをとるということ(シリーズ通して全部同じ監督なんてとても珍しいですね)や、さらにはアカデミー賞10部門ノミネートまでされちゃったということなので、
こいつぁ……ひょっとしてアリなのか?
(゜◇ ゜)ゴクリ…
と、遅まきながらも鑑賞に至ったわけです。
『2』では犬と一緒にドッグフードの缶詰めを食っていたのが印象的でしたが(ホントに美味そうなんてす、これが)今回は野ネズミみたいなのを踏んずけ、そのまま食ってしまうという暴挙に。
初っぱなからワイルド激増し感が……
デ・ニーロ・アプローチを地でいく女優シャーリーズ・セロンが今回は頭をマルガリータにしてヒロインを演じます。(ヘアメイク賞、授賞ですもんね・笑)
特筆すべきは、ぶったまげることに上映時間の四分の三……
いや、
五分の四くらいが、すべてカー・チェイス!!!
( ; ゜Д゜)マジカヨ……
おそらくは映画史上最も長いカーチェイスなのではないかというトンデモナイ映画に仕上がっておりました。
昔、お子ちゃまだった頃は『レイダース/失われたアーク』(インディ・ジョーンズのパート1ね)を見て、
「媚びぬ、退かぬ、顧みぬ! ラブシーンも説明シーンもいらぬ! 冒頭の洞窟アクション・シーンがずっと二時間続いたらどんなにか面白いだろうか……お師さ~ん!!」
と、皇帝サウザー並みに思っていたのですが(まあ、お子ちゃまですからね)、まさかその願いがここで叶うことになろうとは。
しかも結構凄いです。
何度も、
『うわ、危ねって!』トカ
『よせってよせってよせって、ダメだって!』トカ、
『うわ、アイツ絶対死んだよ。死んだって!(スタントマンのことね)』トカ、
結構ポツポツ声に出してたような(笑)
私は結構脚本重視なのですが、そんなものこの映画にはあってないようなもの。なのにこんなに映画館に足を運ばなかったことをガクブルで後悔したのは久しぶりです。
映画館のデカいスクリーンでこそ観たい映画……つまりこの『マッドマックス/怒りのデス・ロード』はまさに、
“映画!”
──であった!(なに、あたりまえのこと言ってんだ……俺)
(゜_゜;)
ということである。
何も考えたくない時など、もう一度ぜひ観たい映画ですね!
( ̄▽ ̄)
いずれモノクロ・バージョンも上映されるってんだからこりゃ楽しみです。
そういえばこの年のアカデミー授賞式、本作があまりにもバカバカと賞を獲得していくもんなんで、M.Cが「ドキュメンタリー部門」発表の時にも『マッドマックス!』とジョークを言ったほどらしいです。その記事を読んで思わず鼻からコーヒーぶちまけるくらい爆笑したのを覚えております──
( ´∀`)σ)∀`)
作品賞はともあれジョージミラーにはここで監督賞獲ってほしかったなぁ!(´Д`)
【本作からの枝分かれ映画、勝手に三選】
★『オン・ザ・ハイウェイ、その夜、86分』(2013)
……マックス役トムハーディ主演。不倫相手の妊娠が発覚、しかも彼女は既に産気づいていた。「すぐ来て!」と言われ病院へ車を走らせる主人公だったが……。全編が車の中で交わされる電話での会話のみという挑戦的映画。本作ではほとんど台詞のなかったトム・ハーディであるがこの映画で演じた一人芝居がブラピに大絶賛されたとか。
★『ハッピー・フィート』(2006)
……考えてみればジョージ・ミラーって本作までは喋る子豚の実写映画『ベイブ』とか、このペンギンアニメミュージカルの『ハッピー・フィート』とかなんだかハリウッドのムツゴロウさん的な存在になってたんだなぁ……(笑)ビートルズやクイーン、プリンスといった名曲のアレンジでタップダンスするペンギンたちはやはり可愛い♪ ロビン・ウィリアムズなんかが声の出演をしてるけどなんで声だけであんなに楽しそうに演じられるんだ?! というくらいに生き生きしております。
★『マッド・ガンズ』(2014)
……本作でマックスと共に戦ったスキンヘッドの兄ちゃん、新鋭ニコラス・ホルト主演作。こちらも荒廃した未来を描いた映画ですが原題は「Young ones」です。『マッドマックス』をイメージさせるための邦題なんでしょうがそういうのイヤらしいですわな。内容的には決して類似品などではなく、ストーリー的にもしっかりした作品なのでなかなかイケます。