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理不尽な転生
いつも通りの、筈だった。
朝起きて、学校に登校して、授業を受けて。
外面だけは規律正しく、友人と呼べるのかよくわからないような人達と面白味のない会話をする、そんなありふれた学生生活を送っていた筈だった。
少し普段と違ったのは、放課後に新作のゲームを買いに遠出して、帰りが夜遅くになってしまったくらい。
いつもならゲームを終えて勉強か本でも読んでいる頃だったけれど、珍しく両親が旅行でいない分、買ったばかりのゲームで思いっきり夜ふかしする気満々だった。
だけどやっぱりその程度の、ゲーマーなら当たり前といえるようなことで。
なんてこともない些細なことだ。
くだらなくて、でもだからこそ愛おしいと思える日常に変わりはなかった。
その新作のゲームをプレイしようとした時に、画面から手が生えさえしなければ。