第六章安心と不安
いくらか時がたった。
今のところバカが一人はぐれただけで問題はない。
オレたちは村を見てまわることにした。
そこら辺にあるのは、美味しそうな果実たち。
ふむ、不思議なところだな。
なぜ、あんなに木が痩せていたのにこんな果実が取れるんだ?
ここだけ、栄養がいいのかもしれない。
「ねぇ、楓ったら誠ほっといていいのかしら?
ねぇ、真弓」
「うんうん、誠はバカだけどいい人なのに」
「大丈夫だって、二人とも。楓は誠のことをきちんと考えているさ、その証拠にあの大きな家に向かってるだろ?きっと、村長さんに捜索してもらうためさ」
なるほどと、二人は思った。
「村長さんにお願いがある。」
ほら来たと、九鬼は思った。
だが、
「休める家を借りたい、どうだろうか?」
あり?
「分かったよ、任せなさい。旅人とは珍しいからね、歓迎しよう」
村長が言った。
…………
「ね、ねぇ、陽?誠助けるんじゃ?」
「オレも、よくわからん。楓、ひどいぞ」
「まったく、だね」
三人はため息をついた。
その中で、ここにきてからもずっと無口だった亢次がニヤリと笑った。
そして、一言。
「ようやく、たどり着いたか。フッ………
残るはTIME MANAGEMENT のみ、か」
第七章に続く。