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第五章夢と現実
「あれ?ここさっきも通らなかった?」
始まりは真弓の一言だった。
最初は偶然だと思った。
だが、そうではなかった。
何度も何度も迷ってしまう。
「たぶん、道のりをそうさせるような錯覚のせいじゃないかな?」
紫乃が言った。
なるほど、村人が村に入れないためか。
孔明の術に似ているな。
よし、こうなったらやるしかないな。
「ここからは、目を瞑って歩く。一応行く道は
右前左の順だ。これなら、錯覚されはしないはずだから。」
みんながこくりと頷く。
〇〇〇〇〇
よっと!
「うわぁぁすごーい」
着いたところはまさに楽園のようなところだった。
辺りに、梅の木、カップル、作物、子どもたちがいた。すごい。
「あれ?誠がいないよ?」
「えっ?」
見ると誠はいない。
………すごーい。