第四章偶然と必然
翌日、オレたちは早めに川を探しに来ていた。
水が底をついたのである。
もちろん、ちゃんと準備はしてきた。
だが、あのバカ誠の存在を忘れていた。
何だ、あいつ。
チャポン
水の音が聞こえる。
「あっちだ、行くぞ!」
「おい、待てよ楓!」
「うわぁぁ!?」
「ど、どうしたの?」
紫乃が心配してくる。
「ドジった、低いが崖だったみたいだ。気をつけてくれ」
「うん、分かった」
「ああ、」
「ぎゃはは!だぅせぇー」
誠。
オレはそろそろお前を殺すかもしれない。
全員が降りる。
辺りに広がるは神々しさを放つ川。
純水と、言ったところか。
「うだひょーい、いっただきまーす」
「ま、誠!」
ごくごく
「不味いぃ」
誠が嫌な顔をする。
やはり、そうか。
「どうりで、さっきから魚がいないわけだ。魚は純水過ぎるところには生息しないからな。」
「魚?あっ、確かに」
「でもでも!魚がいないことと水の不味さ何か関係があるの?」
真弓が聞いてくる。
「まあな、水には必ず塩素などの他元素が存在する。オレたちが飲む水も100%の純水なんてありえねぇんだぜ。無いと身体に悪いんだ」
「ま、まじか」
誠が驚いた表情をする。
「マジだ、残念だが作物なんかも期待できそうにないな。痩せた木しかない。圧倒的に栄養が足りてないんだ。」
「うそだろ!?」
「……」
村の近くまで来ているはずなんだがな。
………どういうことだ?